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お見舞いの品を用意したとき、また回復してそのお返しを贈るとき、最後に整えたいのがのし紙です。お見舞いと快気祝いでは、表書きも水引も考え方が変わり、選び方を間違えると、せっかくの気持ちがちぐはぐに伝わってしまうこともあります。とはいえ、基本の決まりはそれほど多くありません。要点を押さえておけば、迷わず体裁を整えられます。
このふたつに共通するのは、「同じことが繰り返されませんように」という願いを、のしの形で表すことです。病やけがは一度きりであってほしい——その思いから、快気祝いには結び切りの水引を用います。お見舞いのほうは、地域や考え方によって作法が分かれる場面もあり、慎重に選びたいところです。表書きも、回復したかどうかで言葉が変わります。
このページでは、お見舞いと快気祝いののしについて、水引の選び方、表書きの使い分け、名前の書き方、のし紙のかけ方までを順に整理します。贈る相手の状況と、回復の段階を思い浮かべながら、ふさわしい体裁を選ぶ手がかりにしてください。
まずは、療養中の方へお見舞いを渡すときの体裁です。お祝いごととは作法が異なる点に気をつけます。
お見舞いの表書きは、「御見舞」とするのが一般的です。目上の方へは、より丁寧に「御伺」とすることもあります。お祝いの言葉ではないので、明るくしすぎず、落ち着いた書き方を心がけます。文字は、水引にあたる中央に、はっきりと記します。
お祝いの品には、右肩に熨斗あわびという飾りを付けますが、お見舞いでは、これを付けない無地のしを用いる流儀があります。熨斗あわびは「伸ばす」に通じ、病気が長引くことを連想させる、と考えられているためです。気になるときは、飾りのない無地のし紙を選ぶと、相手への配慮が伝わります。
お見舞いの水引は、地域や家のしきたりによって考え方が分かれます。病を繰り返さない願いを込めて、紅白の結び切りを用いることもあれば、改まりすぎないよう、水引のない無地のしや、白い封筒を選ぶこともあります。どれが正しいと一概には言えないので、迷うときは、贈り先の慣習に詳しい人に尋ねておくと安心です。
お見舞いは、相手が苦しい状況にあるときの贈りものです。華やかすぎる装いは、場にそぐわないこともあります。紅白の水引を用いる場合も、ことさら祝いごとめいた印象にならないよう、控えめに整えるのが心づかいです。相手の気持ちに寄り添う体裁を選びます。
つづいて、回復した本人が、お見舞いのお返しとして快気祝いを贈るときの体裁です。回復の段階で表書きが変わります。
快気祝いの水引は、紅白の結び切りを用います。固く結ばれてほどけない結び切りには、「病やけがは一度きりで、もう繰り返しませんように」という願いが込められています。本数は五本のものが広く使われ、より丁寧にしたいときは七本を選びます。お見舞いとは違い、回復を祝う品なので、熨斗あわびを付けて構いません。
すっかり回復したことを伝えるなら、表書きは「快気祝」とします。「全快祝」と書く場合もあります。床上げがすみ、もとの暮らしに戻れたよろこびを、はっきりと示す言葉です。お見舞いをいただいた感謝を込めて、心のこもった品とともに贈ります。
退院はしたものの、通院や療養が続いているときは、全快を表す言葉は使いません。「快気内祝」や「御見舞御礼」とすると、現状に正直で、誠実な印象になります。無理に「快気祝」とせず、快方に向かっている段階にふさわしい表書きを選びます。
快気祝いの名前は、水引の下、中央に、回復した本人の姓を記します。お見舞いをいただいた感謝を、本人から返すという意味あいがはっきり伝わるためです。家族が代わりに手配する場合も、差出人は療養していた本人の名にするのが基本です。連名でいただいたお返しでも、贈り主は本人の名でそろえます。
表書きと水引が決まったら、名前の入れ方を整えます。あわせて、同じ結び切りを使う結婚祝いとの違いも押さえておきます。
お見舞いの名前は、贈る側の姓名を記します。仕事の関わりで贈るなら、姓名の右肩に、ひとまわり小さな字で勤め先の名を添えると、どの立場からのお見舞いかが伝わります。何人かで贈る連名のときは、目上の人を右に置き、左へ順に並べます。三名ほどまでが見ためにきれいで、それを超えるなら「有志一同」とまとめます。
快気祝いの名前は、前に触れたとおり、回復した本人の姓を中央に記します。お見舞いをくれた相手へ、本人から感謝を返す品だからです。職場へまとめて贈るなら、本人の姓だけで構いません。家族が手配する場合も、差出人は本人の名にそろえると、意味あいがはっきりします。
快気祝いの結び切りは、結婚祝いで使う結び切りと、見ためはよく似ています。しかし、込められた意味は別です。結婚祝いは「一生に一度の幸せ」を願う結び切り、快気祝いは「病を二度と繰り返さない」ことを願う結び切りです。形は同じでも、慶びの結び切りと取り違えて、お祝いの言葉を表書きに使わないよう気をつけます。
お見舞いに紅白の結び切りを用いる場合も、それは「病を繰り返さない」願いを示すもので、快気祝いと同じ考え方です。ただし、お見舞いはまだ回復していない段階の品なので、表書きは「御見舞」にとどめ、回復を祝う言葉は使いません。段階に応じて、表書きを使い分けるのがこつです。
水引や名前が決まったら、のし紙のかけ方と、書くときの道具を確かめます。仕上げが整うと、印象がぐっと引き締まります。
快気祝いは、控えめに感謝を伝える品なので、のし紙を品に直接かけ、その上から包装する内のしが選ばれることが多いものです。表書きを前面に出しすぎず、奥ゆかしい印象になります。お見舞いを直接手渡すときは、表書きがすぐ見える外のしにすることもあります。渡し方や、贈る品の性格に合わせて選びます。
のし紙の文字は、毛筆か筆ペンで書くのが正式です。手元になければ、黒のサインペンでも構いません。ボールペンは線が細く簡易な印象になるので避けます。色は黒の濃い墨が基本で、薄墨は弔事を思わせるため使いません。文字は、楷書でていねいに、はっきりと書くことを心がけます。
快気祝いには、使えばなくなる、あとに残らない品を選ぶ習わしがあります。そうした品にのしをかけるときも、体裁はていねいに整えます。表書きと本人の姓を簡潔に記し、お見舞いへの感謝が伝わるよう仕上げます。お店でのしを頼める場合は、回復の段階と表書きの希望をはっきり伝えておくと、行き違いがありません。
快気祝いを郵送するなら、のし紙が傷まない内のしが向きます。品だけを送るより、お礼状を一枚添えると、回復の報告と感謝が、いっそうていねいに届きます。誰からのお返しかがひと目で伝わるよう、のしの名前と手紙の差出人をそろえておくと、相手も安心して受け取れます。
Q. お見舞いに、熨斗あわびの付いたのし紙を使ってもよいですか。
A. お見舞いでは、熨斗あわびを付けない無地のしを用いる流儀があります。熨斗あわびが「伸ばす」に通じ、病気が長引くことを連想させると考えられるためです。気になるなら、飾りのない無地のし紙や、白い封筒を選ぶと、相手への配慮が伝わります。
Q. 快気祝いの水引は、なぜ結び切りなのですか。
A. 結び切りは固く結ばれてほどけないことから、「病やけがは一度きりで、もう繰り返さない」という願いを表します。何度あってもよいお祝いに使う蝶結びは、回復の品にはふさわしくありません。本数は五本が一般的で、よりていねいにしたいときは七本を選びます。
Q. まだ通院中ですが、表書きは「快気祝」でよいですか。
A. 「快気祝」は全快を表す言葉なので、治療が続いているなら使いません。「快気内祝」や「御見舞御礼」とすると、現状に正直で誠実な印象になります。すっかり回復してから贈るお返しに、「快気祝」や「全快祝」を用いるのが本来の使い方です。
Q. 快気祝いの名前は、誰の名にすればよいですか。
A. 回復した本人の姓を、水引の下、中央の位置に記します。お見舞いをくれた相手へ、本人から感謝を返す品だからです。家族が代わりに用意した場合も、差出人は療養していた本人の名にそろえます。職場へまとめて贈るときも、本人の姓だけで構いません。
Q. 結婚祝いと同じ結び切りですが、書き方も同じでよいですか。
A. 水引の形は同じでも、意味と表書きは異なります。結婚祝いは一生に一度の幸せを願う結び切り、快気祝いは病を繰り返さない願いの結び切りです。表書きには「快気祝」など回復にちなんだ言葉を用い、お祝いの言葉と取り違えないよう気をつけます。
お見舞いと快気祝いののしは、回復の段階に応じて体裁を選ぶのがこつです。お見舞いは、表書きを「御見舞」とし、熨斗あわびを付けない無地のしを用いる流儀があります。水引は地域や考え方で分かれるので、迷うときは控えめに整えます。快気祝いは、紅白の結び切りに「快気祝」や「全快祝」と記し、まだ通院が続くなら「快気内祝」「御見舞御礼」とします。
名前は、お見舞いなら贈る側の姓名を、快気祝いなら回復した本人の姓を記します。快気祝いの結び切りは、結婚祝いの結び切りと形は同じでも、込められた願いが異なります。お祝いの言葉と取り違えないよう、回復にちなんだ表書きを選びます。のし紙は、控えめに感謝を伝える快気祝いには内のしが、手渡しのお見舞いには外のしが向きます。
体裁の作法は細かく見えますが、根っこにあるのは、相手の回復を願い、心配をかけたことへの感謝を伝える気持ちです。決まりにとらわれすぎず、相手の状況を思って整えれば、気持ちはきちんと届きます。のしを添える品を選ぶときは、快気祝い・お見舞いのテッパンギフト一覧もあわせて、ふさわしい一品を探してみてください。