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還暦をはじめとする長寿のお祝いは、これまでの歩みをたたえ、これからの健康を願う、よろこびにあふれた節目です。気持ちが主役のお祝いですが、品物の選び方や言葉づかいによっては、よかれと思ったことがかえって相手を寂しい気持ちにさせてしまうこともあります。とくに、還暦を迎えてもまだ現役で若々しい方は多く、お年寄り扱いされるのを好まないことも少なくありません。
迷いやすいのが、「避けたほうがよい品はあるのか」「老いを感じさせない贈り方とは」といった点です。長寿祝いには、縁起の面で避けたい品と、相手を年寄り扱いしないための心づかいの、両方があります。理由まで知っておくと、安心して贈れます。
このページでは、長寿祝いの基本のマナーをおさえたうえで、避けたほうがよい品物とその理由、相手の年齢や状況に応じた心づかいまでを順に整理します。これまで歩んでこられた相手に、気持ちよくよろこんでもらうために知っておきたい要点を、ひととおりまとめました。具体的な品は、還暦・長寿祝いのテッパンギフト一覧もあわせてご覧ください。
長寿祝いでいちばん大切なのは、相手を年寄り扱いせず、これまでの感謝とこれからの元気を願う気持ちです。まずは土台となる心づかいを押さえます。
還暦は満六十歳。いまはまだ仕事を続け、若々しく過ごす方がほとんどです。「もうお年だから」と気づかうつもりの言葉や、いかにも年寄りじみた品は、かえって相手を寂しくさせます。年齢を強調せず、若さや元気を感じさせることを心がけると、よろこんでもらえます。
長寿祝いの品は、相手が本当に喜ぶものを選ぶのが何よりです。趣味や好みに合うもの、ふだんの暮らしに役立つものを、本人の様子を思い浮かべて選びます。健康に不安のある相手には、体に負担をかけないものを。迷うときは、欲しいものをそれとなく確かめてからにすると、行き違いを防げます。
長寿祝いには、その年ごとのテーマカラーがあります。還暦は赤、古希・喜寿は紫、傘寿・米寿は黄や金茶。贈り物やラッピング、添える花にその色をあしらうと、お祝いの趣が深まります。ただし、色にこだわりすぎて好みに合わないものを選ぶより、本人が気に入るものを優先します。
お祝いは、本人の誕生日のほか、敬老の日やお正月など、家族が顔をそろえやすい日に合わせる家庭も多いものです。みんなで集まって祝えると、いっそう喜ばれます。遠方で当日に会えないときは、前もって品を届けておきます。
長寿祝いには、縁起や意味あいの面で避けたい品があります。理由を知っておくと、選ぶときの判断がつきます。
老眼鏡や杖、補聴器など、老いを直接連想させる品は、本人が望んでいない限り避けます。気づかいのつもりでも、「もう年寄りだと思われている」と受け取られかねません。実用品でも、年齢を感じさせるものは慎重に選びます。
靴や靴下、マットなど足で踏むものは、「相手を踏みつける」という見立てから、目上の方への贈りものには向きません。長寿を祝う相手は自分より目上であることが多いので、とくに気をつけます。
時計やかばん、万年筆などの筆記具は、「勤勉に励みなさい」という励ましの品とされ、目上の方へ贈ると失礼にあたることがあります。第二の人生を楽しんでほしい相手には、ねぎらいの気持ちに合うものを選びます。
櫛は「く」「し」が「苦」「死」を思わせるとして避けます。お茶は弔事の場で配られることが多く、お祝いには向きません。花を贈るなら、椿(花が落ちる様子が連想される)や菊(弔事に使われる)は避け、明るく華やかなものを選びます。
現金や商品券は、何が必要かを相手に選んでもらえる便利さがありますが、目上の方へ贈ると失礼にあたるとされます。子から親へなど、ごく近しい間柄なら問題ありませんが、気になるときは品物や、相手が選べるカタログ式の贈りものにすると無難です。
品物だけでなく、祝い方そのものにも配慮どころがあります。迷いやすい場面の考え方をまとめます。
還暦といえば赤いちゃんちゃんこが定番ですが、本人が照れたり、年寄りじみると感じたりすることもあります。着るのを嫌がるなら、無理に勧めません。 赤い小物やお花を添える、赤を取り入れた品を贈るなど、さりげない形でテーマカラーを生かすと、本人も気持ちよくお祝いを受けられます。
体調を崩している相手には、長寿祝いを盛大にするより、そっと寄り添う心づかいを優先します。体に負担をかけない品を選び、無理に集まりを開かず、本人の体調を第一に考えます。「これからも、無理せずゆっくり」と気づかう気持ちが、何よりの贈りものになります。
きょうだいや親族で出し合うときは、一人あたりの負担を抑えつつ、まとまった予算で記念に残るものや、家族での食事会・旅行が選べます。誰がまとめ役になるか、何を贈るかを早めに相談し、全体の金額に四や九が入らないよう気を配ります。
なかには「大げさにされたくない」という方もいます。本人の気持ちを尊重し、ささやかに、けれど心を込めて祝うのがいちばんです。形式にこだわらず、家族で食事をする、手紙を渡すなど、本人が心地よく過ごせる祝い方を選びます。
Q. 還暦に、赤いちゃんちゃんこは必ず用意すべきですか。
A. 必ずではありません。本人が照れたり、年寄りじみると感じたりするなら、無理に勧めないのが心づかいです。赤い小物やお花を添える、赤を取り入れた品を選ぶなど、さりげない形でテーマカラーを生かせば、お祝いの気持ちは十分に伝わります。本人が楽しめる祝い方を優先します。
Q. 老眼鏡や杖を、本人が欲しがっている場合はどうですか。
A. 本人が望んでいるなら、贈って構いません。老いを連想させる品を避けるのは、相手が年寄り扱いされたと感じないための配慮です。本人の希望があるなら、その心配はありません。気になるときは、デザインのよいものや上質なものを選ぶと、贈りものらしい特別感が出ます。
Q. お茶やハンカチを贈るのは、避けたほうがよいですか。
A. お茶は弔事の場で配られることが多く、ハンカチは「手切れ=別れ」を連想させるとして、お祝いには避けるのが無難です。同じ飲みものでも、紅茶やコーヒー、ジュースなら問題ありません。相手の好みに合う、明るい印象の品を選ぶと安心です。
Q. 現金を贈るのは、失礼になりますか。
A. 子から親へなど、ごく近しい間柄なら問題ありません。ただし、目上の方への現金は失礼にあたるとされるので、気になるときは品物や、相手が選べるカタログ式の贈りものにすると無難です。現金を渡す場合も、ちょっとした品に添える形にすると、角が立ちません。
Q. のしや祝う時期は、どうすればよいですか。
A. 長寿祝いの水引は、何度あってもうれしいお祝いなので、紅白の蝶結びを選びます。表書きは「祝還暦」や「御祝」です。祝う時期は、本人の誕生日のほか、敬老の日やお正月など家族が集まれる日に合わせる家庭も多いものです。詳しくは、還暦・長寿祝いののしをまとめたページもあわせてご覧ください。
長寿祝いのマナーは、「縁起の面で誤解を生まないこと」と「相手を年寄り扱いしないこと」の二つに行きつきます。老眼鏡や杖など老いを連想させる品、履物や敷物、時計や筆記具は目上の方には避け、櫛やお茶、椿・菊といった語呂や言い伝えのよくない品も控えます。4と9を避けるのも、お祝いの心づかいです。
何より大切なのは、相手の好みと健康に寄り添うこと。還暦を迎えてもまだ若々しい方は多いので、年齢を強調せず、若さや元気を感じさせる贈り方を心がけます。赤いちゃんちゃんこは無理強いせず、本人が楽しめる祝い方を。健康に不安があるときは、そっと寄り添う気持ちを優先します。これまでの感謝とこれからの元気を願う気持ちが、何よりの贈りものです。
マナーの勘どころがつかめたら、あとは相手を思って品を選ぶだけです。相場やのしの整え方とあわせて確認しておくと安心です。具体的な品は、還暦・長寿祝いのテッパンギフト一覧で、相手の笑顔を思い浮かべながら見くらべてみてください。