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退職祝いののし・表書き

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退職祝いの品を用意したら、最後に整えたいのがのし紙です。水引の形や表書きの言葉は、相手や退職の事情によって変わり、選び方を間違えると、せっかくの気持ちがちぐはぐに伝わってしまうこともあります。とはいえ、基本の決まりはそれほど多くありません。要点を押さえておけば、迷わず体裁を整えられます。

おおまかにいえば、退職祝いには紅白の蝶結びののし紙を使い、表書きは相手にふさわしい言葉を選ぶ、という流れです。ただし、結婚にともなう退職など、事情によって作法が変わる場面もあります。とくに表書きは、目上の方へ使うと失礼になる言葉もあるため、相手との間柄をふまえて選ぶことが肝心です。

このページでは、退職祝いののしについて、水引の選び方、表書きの使い分け、名前の書き方、そしてのし紙のかけ方までを順に整理します。相手の立場や退職の事情を思い浮かべながら、ふさわしい体裁を選ぶ手がかりにしてください。

水引の選び方

のし紙の印象を決めるのが、中央に結ばれた水引です。退職祝いでは、どの結び方を選ぶかが最初の分かれ道になります。

基本は紅白の蝶結び

退職祝いには、紅白の蝶結びを選ぶのが基本です。蝶結びは何度でも結び直せることから、「これからも良いことが重なりますように」という願いを込められる、一般的なお祝いごとに使う結び方です。長年の勤めをねぎらい、新たな門出を祝う退職の場面に、よくなじみます。本数は五本のものが広く使われます。

結婚にともなう退職は結び切り

例外となるのが、結婚を機に退職される場合です。このときは、退職祝いというより結婚のお祝いとして贈るのが自然なので、水引は結び切りを選びます。結び切りは固く結ばれてほどけないことから、「一度きりであってほしい」結婚のお祝いにふさわしい結び方です。蝶結びと取り違えると意味が逆になるので、注意します。

迷ったときの考え方

定年退職で、もう働く予定がない場合などに、結び切りを選ぶ例もあると言われますが、退職そのものは繰り返しを忌むものではないため、一般には蝶結びで差し支えありません。地域や家のしきたりで考え方が分かれることもあるので、迷うときは紅白の蝶結びにしておけば、ほとんどの場面で失礼にあたりません。判断に困ったら、贈り先の慣習に詳しい人に尋ねておくと安心です。

表書きの使い分け

水引の上に書く表書きは、相手の立場や退職の事情で選び分けます。言葉ひとつで印象が変わるので、ふさわしいものを選びます。

迷ったら「御礼」

どれにするか決めかねるときは、「御礼」が無難です。これまでお世話になった感謝を表す言葉で、相手の立場を問わず使え、マナー違反になりません。長くお世話になった上司や先輩へ、まず外さない選び方です。あらたまった気持ちを込めたいときは、「感謝」とすることもあります。

退職そのものを祝うなら

定年や栄転など、退職を祝う気持ちを前面に出したいときは、「御祝」「御退職御祝」が使えます。定年退職の方へは「祝定年御退職」と、節目をはっきり示す書き方もあります。新たな出発を寿ぐ響きがあり、めでたい門出を送り出すのにふさわしい言葉です。

「御餞別」を使うときの注意

旅立つ人へ贈る金品には「御餞別」という言葉もありますが、これは目上の方へ使うと、見下したような響きになり失礼とされます。上司や先輩へは避け、どうしても使いたい場合は「おはなむけ」とやわらげるか、「御礼」に置き換えるのが安全です。同僚や後輩へなら、御餞別でも差し支えありません。

結婚退職の場合

結婚を機に退職される方へは、退職祝いの言葉ではなく「御結婚御祝」「寿」とします。この場合は前に触れたとおり水引も結び切りにし、結婚のお祝いとして体裁を整えます。退職への感謝を別に伝えたいなら、メッセージカードに言葉を添えるとよいでしょう。

名前の書き方

表書きが決まったら、水引の下側に贈り主の名前を入れます。誰から贈るかによって、書き方の作法が変わります。

個人で贈るとき

ひとりで贈る場合は、水引の下、中央の位置に、贈り主の姓名を書きます。表書きの文字よりやや小さめにすると、全体のおさまりが整います。会社の関係で贈るなら、姓名の右肩に、ひとまわり小さな字で勤め先の名を添えると、どこの誰からかがひと目で伝わります。

何人かの連名で贈るとき

複数人で贈るときは、目上の人を右に置き、左へ順に名を並べます。並べられるのは三名ほどまでが見ためにきれいで、それ以上になると窮屈になります。職場の同僚どうしなど立場に差のない間柄では、五十音の順に並べると角が立ちません。

大人数で贈るとき

部署やグループなど、四名以上でまとめて贈る場合は、全員の名を書ききらず、「営業部一同」のように団体名でまとめます。代表者の姓名を中央に書き、その左に小さく「外一同」と添える書き方もあります。全員の名は、別紙に書いて品に同封すると、贈った人それぞれの気持ちが伝わります。

のし紙のかけ方と書く道具

水引や名前が決まったら、最後にのし紙のかけ方と、書くときの道具を確かめます。細かなところですが、整っていると印象がぐっと引き締まります。

内のしと外のし

のし紙を品に直接かけ、その上から包装するのが内のしです。包装紙の上からのし紙をかけるのが外のしです。退職の贈りものは、送別会の席などで手渡しすることが多いため、表書きがすぐ目に入る外のしが選ばれる傾向があります。配送で送る場合は、のし紙が傷まない内のしが向きます。渡し方に合わせて選ぶとよいでしょう。

書くときの道具

のし紙の文字は、毛筆か筆ペンで書くのが正式です。手元になければ、黒のサインペンでも構いません。ボールペンや万年筆は、線が細く簡易な印象になるため避けます。色は黒の濃い墨が基本で、薄墨は弔事を連想させるので使いません。文字はていねいに、楷書ではっきりと書くことを心がけます。

名入れ品に添えるとき

記念品に名前を彫り込むような名入れの品は、品そのものが特別感を持つため、のし紙はあらたまった体裁で控えめに整えるとよいでしょう。表書きと贈り主の名を簡潔に記し、品の華やかさを引き立てます。お店で名入れと一緒にのしを頼める場合は、表書きの希望をはっきり伝えておくと、仕上がりに行き違いがありません。

よくある質問

Q. 表書きは結局どれを選べば間違いがありませんか。

A. 迷ったときは「御礼」を選んでおけば、相手の立場にかかわらず失礼になりません。これまでの感謝を表す言葉で、退職のどんな場面にもなじみます。お祝いの気持ちをはっきり示したいなら「御退職御祝」、定年の方へは「祝定年御退職」と、事情に応じて選び分けるとよいでしょう。

Q. 上司に「御餞別」と書いてはいけないのですか。

A. 餞別という言葉には、旅立つ人へ目上から贈るような響きがあり、目上の方へ向けると失礼にあたるとされます。上司や先輩へは「御礼」や「おはなむけ」に置き換えるのが安心です。同じ立場の同僚や、後輩へ贈るぶんには、御餞別を使っても問題ありません。

Q. 水引はどんなときに結び切りを使いますか。

A. 退職祝いは基本的に紅白の蝶結びですが、結婚を機に退職される方へは結び切りを選びます。この場合は結婚のお祝いとして贈るためで、表書きも「御結婚御祝」になります。一般の定年や転職では蝶結びのままで差し支えなく、結び切りと取り違えないよう気をつけます。

Q. 部署のみんなで贈るとき、名前はどう書きますか。

A. 四名以上になるなら、全員の名を並べず「○○部一同」とまとめるのがすっきりします。代表者の姓名を中央に置き、左に小さく「外一同」と添える形もあります。連名にしたい場合でも、見ためが整うのは三名ほどまでなので、人数が多いときは団体名を使うとよいでしょう。

Q. のし紙は内のしと外のし、どちらがよいですか。

A. 送別会などで直接手渡すなら、表書きがすぐ見える外のしが向きます。宅配便で送る場合は、配送中にのし紙が傷まない内のしが安心です。渡し方によって選ぶとよく、どちらが正しいというものではありません。お店で頼むときに、渡し方を伝えて相談するのも一つの方法です。

まとめ

退職祝いののしは、水引・表書き・名前の三つを順に決めれば、迷わず整えられます。水引は紅白の蝶結びが基本で、結婚にともなう退職だけは結び切りにします。表書きは、迷ったら「御礼」が無難。お祝いを前面に出すなら「御退職御祝」、定年なら「祝定年御退職」と、相手と事情に合わせて選びます。

気をつけたいのは、「御餞別」を目上の方へ使わないことです。上司や先輩へは「御礼」や「おはなむけ」に置き換えると角が立ちません。名前は、個人なら中央に姓名を、連名なら目上の人を右にして三名ほどまで、大人数なら団体名でまとめます。のし紙は、手渡しなら外のし、配送なら内のしと、渡し方で選び分けると間違いがありません。

体裁の作法は細かく見えますが、もとをたどれば、相手への敬意と感謝を形にするためのものです。決まりにとらわれすぎず、相手の立場を思って整えれば、気持ちはきちんと届きます。のしを添える品を選ぶときは、退職祝いのテッパンギフト一覧もあわせて、相手の門出にふさわしい一品を探してみてください。

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