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お歳暮をいただいたとき、ふと迷うのが「お返しはいるのだろうか」「お礼はどう伝えればよいのだろう」という点です。年の暮れの忙しい時期に届くこともあって、対応を後回しにしているうちに、年が明けてしまった――そんなことにならないよう、流れを知っておくと安心です。
先に結論をいえば、お歳暮のお返しは原則として必要ありません。お歳暮は一年の感謝を伝える贈りものなので、品物で返す義務はないからです。大切なのは、いただいたらできるだけ早くお礼を伝えること――まずはこの一点を押さえれば、失礼にはなりません。
このページでは、お礼状の書き方の基本をおさえたうえで、ビジネス・親せき・親しい相手それぞれに使える文例、そして「それでもお返しをしたい」というときの金額や時期、表書きの整え方までを順に解説します。年末から年明けにかけての切り替えにも触れます。贈り返す品を探すときは、お歳暮のテッパンギフト一覧もあわせてご覧ください。
お歳暮が届いたら、まずすべきはお礼を伝えることです。お礼状には、手紙ならではの組み立て方があります。
品物が届いたら、できるだけ早くお礼を伝えます。親しい相手なら電話やメールで「無事に届きました」と一報を入れ、改まった相手にはあらためてお礼状を出す――この二段構えにすると、感謝の早さと丁寧さの両方が伝わります。年末は相手も忙しいので、届いたことの報告は短くて構いません。
もっとも丁寧なのは、縦書きの封書です。ビジネスの相手や義理の親族には、縦書きの手紙を選ぶのが無難です。親しく付き合っている相手や、兄弟・友人へは、横書きやはがき、メールでも失礼にはあたりません。迷ったら、より丁寧なほうに寄せておくと安心です。
改まったお礼状は、次の流れで組み立てます。
1. 頭語(「拝啓」「謹啓」など)
2. 時候のあいさつ(年の暮れにふさわしい季節のことば)
3. 品物が届いたお礼(何をいただいたかにも軽く触れる)
4. 相手の健康や、年末年始を気づかうことば
5. 結語(頭語と対で「敬具」「拝具」など)
6. 日付と差出人の署名
頭語に続く季節のことばは、お歳暮の時期に合わせます。十二月なら「師走の候」「歳末の候」「暮秋の候」といった言い回しが季節に合います。かしこまりすぎるのが気になるときは、「年の瀬も押し迫ってまいりましたが」のようなやわらかい一文でも構いません。
間柄ごとに、書き出しから結びまでの文例をあげます。実際に書くときは、いただいた品や近況にふれるひとことを足すと、より気持ちが伝わります。
> 拝啓 師走の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
> このたびはご丁寧なお歳暮の品を頂戴し、誠にありがとうございます。本年も格別のお引き立てを賜りましたうえに、お心づかいまで賜り、恐縮に存じます。
> 年の瀬の折、何かとご多用かと存じますが、どうかご自愛のうえ、よいお年をお迎えくださいませ。略儀ながら、まずは書中をもって御礼申し上げます。
> 敬具
> 拝啓 歳末の候、皆さまお変わりなくお過ごしのことと存じます。
> このたびは結構なお品をお送りいただき、心より御礼申し上げます。さっそく家族でおいしく頂戴いたしました。いつもお気にかけていただき、ありがたく存じます。
> 寒さ厳しき折、くれぐれもご無理なさいませんよう。来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
> 敬具
> 年の瀬も近づいてきたけれど、元気にしていますか。
> このたびは素敵なお歳暮をありがとう。さっそくいただいて、家族みんなで楽しみました。気にかけてくれて本当にうれしかったです。
> 何かと慌ただしい時期だけれど、無理せず、よいお年を迎えてね。まずはお礼まで。
親しい相手でも、いただいたことへの感謝と、相手を気づかうひとことの二つは欠かさないようにすると、軽くなりすぎません。
手紙を出す前に、まず「届きました」と伝えたいときの短い文例です。当日か翌日には送れると、相手も無事に届いたか気をもまずにすみます。
> いつもお世話になっております。本日、結構なお歳暮の品を頂戴いたしました。お心づかいに深く感謝申し上げます。あらためて書面にてお礼を申し上げますが、まずは到着のご報告かたがた御礼まで。
電話なら「ただいまお歳暮が届きました。お気づかいいただき恐縮です。ありがとうございます」と、届いたことと感謝を先に伝え、長くなりそうなら手短に切り上げます。
気持ちを伝える手紙だからこそ、書き方に少し気を配ります。いただいた品の値段や量に直接ふれるのは、相手の心づかいを値踏みするように映るので避けます。「来年もよろしく」と読めるような催促めいた表現や、「つまらないものですが」といった謙遜のことばも、お礼状にはそぐいません。感謝と、相手を気づかうことばを中心に、短くても心のこもった文面にまとめるのがこつです。
くり返しになりますが、お歳暮にお返しの義務はありません。お礼状だけで十分に礼は尽くせます。そのうえで「いつもお世話になっているから、こちらからも気持ちを返したい」というときの整え方をまとめます。
お返しを贈るなら、いただいた品と同じくらい、もしくはそれより控えめな金額にとどめます。いただいた以上に高価なものを返すと、「今後のお気づかいはご無用に」という遠回しの合図に受け取られ、かえって相手を遠ざけてしまいます。相手に選ぶ楽しみを委ねたいときは、好きな品を選べるカタログ式の贈りものも喜ばれます。
お返しの品は、届く時期で表書きが変わります。年内に届くなら「御歳暮」、年が明けて松の内のあいだなら「御年賀」、松の内が過ぎてから立春ごろまでなら「寒中御見舞」とします。水引は紅白の蝶結びです。年末は配送が混みあうので、年内に届けたいなら早めに手配し、間に合わなければ無理をせず年明けの表書きに切り替えます。
お返しの品にも、感謝のことばを記したお礼状を添えるか別便で送ると、品物だけを返すより気持ちがやわらかく伝わります。掛け紙の詳しい整え方は、お歳暮ののしをまとめたページもあわせてご覧ください。
お返しを贈らないときでも、お礼状は必ず出します。手紙のなかで「こちらこそ一年の感謝をお伝えしたく存じます」と一文添えれば、返礼がなくても気持ちはきちんと伝わります。形よりも、早く丁寧に礼を伝えることのほうが大切です。いただいた品で相手の好みや心づかいが分かれば、来年こちらから贈るときの参考にもなります。一年のお付き合いを振り返る機会と考えると、お礼の時間も気持ちのよいものになります。
Q. お礼状は、年内に出さないといけませんか。
A. なるべく年内に出すのが望ましいですが、年末は何かと慌ただしいものです。間に合わずに年が明けてしまったら、書き出しに「お礼が遅くなり申し訳ございません」とひとことお詫びを添え、時候のあいさつを年明けの言葉に整えれば、失礼の印象はやわらぎます。遅くなっても、出さないより出すほうがずっと丁寧です。
Q. お礼は、メールで済ませてもよいですか。
A. 親しい友人や、ふだんメールでやりとりする相手なら、メールでのお礼でも構いません。ただし、目上の方やビジネスの相手には、まずメールや電話で一報を入れ、あらためて手紙を出すと丁寧です。とくに改まった相手には、縦書きの封書がもっともていねいな形になります。
Q. お返しを年内に贈れそうにありません。
A. 無理に年内に間に合わせなくても大丈夫です。年が明けて松の内が過ぎてから、表書きを「寒中御見舞」にして贈れば、落ち着いて手配できます。お礼状だけは早めに出しておき、品はあらためて、という二段構えにすると、相手を待たせずにすみます。
Q. 喪中の相手にお礼状やお返しを贈ってもよいですか。
A. お礼状は感謝を伝えるものなので、喪中でも問題ありません。お返しを贈る場合は、紅白の水引や「御歳暮」の表書きを避け、年が明けてから「寒中御見舞」として、白無地や控えめな掛け紙で贈ると、相手に気をつかわせません。
Q. お礼状には、どんなことを書けばよいですか。
A. 頭語のあとに年の暮れの時候のあいさつ、いただいた品へのお礼、相手の健康や年末年始を気づかうことば、そして結語、という流れでまとめます。いただいた品の感想や、最近の近況を一つ添えると、形式的になりすぎず、気持ちのこもった文面になります。
お歳暮をいただいたときにいちばん大切なのは、お返しよりも、早く丁寧にお礼を伝えることです。お歳暮はお返しの義務がない贈りものなので、まずはお礼状で感謝を伝えれば礼は尽くせます。親しい相手には電話やメールで一報、改まった相手には縦書きの手紙――この二段構えを覚えておけば、まず迷いません。
お礼状は、頭語と年の暮れの時候のあいさつ、品物が届いたお礼、相手を気づかうことば、結語で組み立てます。それでもお返しをしたいときは、いただいた品と同額以下にとどめ、年内なら「御歳暮」、松の内が過ぎたら「寒中御見舞」と、届く時期に合わせて表書きを変えるのが基本です。
受け取ったあとの作法がわかれば、お歳暮のやりとりはぐっと気楽になります。贈る時期や掛け紙の整え方とあわせて確認しておくと、贈るときも返すときも安心です。お返しの品を探すときは、お歳暮のテッパンギフト一覧で見くらべてみてください。