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浴衣が一枚あると、贈る相手の出かける先が増えます。年に何度も着るものではないので自分では買い足しにくく、持っていない人はきっかけがないまま過ぎていきます。花火や祭りの予定がある相手なら、その日の装いごと贈れます。
まず分かれるのは、着る手順です。身体に巻いて紐と帯で形を作る一枚仕立て、上下が分かれたセパレート、上下がつながったワンピース型。この三つは出来上がりの姿こそ近いのに、着るまでの手数がまるで違います。
もう一つ、寸法は洋服ほど細かくありません。巻いて着るので胴回りの差は浴衣の側で吸収でき、フリーサイズで通ることが多くなります。
昔からの形です。身体に布を巻き、腰の位置で紐を結び、おはしょりを整えて、帯を締める。手順が多く、覚えるまでは鏡の前で時間がかかります。
代わりに、着崩れたときに自分で直せます。紐と帯で形を作っているので、緩んだところを締め直せば戻ります。着付けを覚えている相手や、これから覚えたい相手には、この形が向きます。
上衣と下衣に分かれた形で、二部式とも呼ばれます。下衣をスカートのように巻いて留め、上衣を羽織って帯を結べば終わりです。商品名に「1人で5分」と書かれているのは、この形のことです。
下衣が巻きスカートの形なので、歩幅も取りやすくなります。崩れたときは、下衣の巻きを直して留め直せば戻ります。引き換えに、腰から下の落ち方がスカートに近くなるぶん、和服らしい姿から少し離れて見えます。その落ち方を気にする人はいます。
セパレートの上下をつないで、一枚で着られるようにした形です。頭から着て帯を結べば出来上がりなので、着るまでの手数はいちばん少なくなります。
そのぶん、形の直しどころもありません。紐で締めて作った形ではないので、着ているうちに崩れても、締め直して戻すことができません。浴衣を着たことのない相手や、着付けに不安のある相手には渡しやすい形です。
浴衣の寸法は、身丈と裄の二つで決まります。身丈は肩から裾までの長さ、裄は首の付け根から手首までの長さです。フリーサイズと書かれているものは、身丈が163センチから165センチ、裄が67センチから68センチのあたりに作られています。
この一枚で、身長155センチから165センチの人が着られます。洋服でいうMからLのあたりです。裄はもともと身長ほどには差が出ないところなので、この幅なら一つの寸法で収まります。相手の身長がここに入っていれば、寸法で外すことはまずありません。
自分の寸法で合わせるなら、身丈は身長に5センチ足した長さが標準です。そこから前後5センチほどの幅なら着られます。身長160センチの人なら身丈165センチが標準で、身丈160センチから170センチまでが範囲に入ります。
フリーサイズの身丈が163センチから165センチに作られているのは、この計算で155センチから165センチの人がぎりぎり収まるところを取っているからです。身長165センチの人だと下限に近くなるので、裾の位置が少し上がります。
裄のほうは幅が狭く、前後2センチほどです。腕を斜めに広げたときに、袖口から手首の外側の骨が隠れるくらいが目安になります。ここが短いと手首が出て、子どもっぽく見えます。
身長が165センチを超える相手には、トールサイズがあります。165センチから175センチあたりまでを見た作りで、身丈も裄も長く取ってあります。フリーサイズを渡すと裾が上がるので、身丈だけは分けて考えます。
幅に余裕を持たせた作りも別にあります。商品名に「大きいサイズ」「フリーワイド」と書かれたもので、フリーサイズと身長の幅は同じまま、腰まわりを広く取ってあります。巻いて着るので胴回りはある程度まで吸収できますが、それを超えると前が合わなくなります。
いちばん少ないのが、浴衣と帯の2点です。ここに下駄が加わって3点、さらに巾着が付いて4点、扇子まで入って5点と増えていきます。「豪華6点」と書かれたものは、そこに小物がもう一つ足されています。
数字だけで比べても、中身が違えば意味がありません。相手が下駄を持っているなら2点で足りますし、何も持っていないなら下駄まで入ったものが要ります。点数の大小ではなく、何が入っているかを一つずつ見ます。
浴衣の帯にはいくつか種類があります。兵児帯は柔らかい布で、ふわりと結ぶだけで形になります。半幅帯は張りのある帯で、自分で結んで形を作ることになります。
結び目が最初から作ってある作り帯や、マジックテープで留めるワンタッチ帯もあります。こちらは結ぶ手順そのものがありません。着付けに慣れていない相手なら、兵児帯か作り帯が入っているものを選ぶと、当日に困りません。セパレートの浴衣に兵児帯が合わせてあるのは、着る手数の少ない浴衣に、結ぶ手数の少ない帯を組んでいるからです。
浴衣の寸法がフリーで通っても、下駄はそうはいきません。足の大きさに合わせるものなので、相手の足のサイズが分からないと選べません。
下駄の入ったセットを選ぶなら、そこだけは聞いておくか、鼻緒を調整できると書かれたものへ回ります。分からないなら、下駄の入っていないセットにして、履き物は本人に選んでもらう形もあります。裸足で履くものなので、寸法の合わない下駄は一日で足を痛めます。
迷うなら、受け取った本人が柄を選べる商品があります。「選べる20柄」のように書かれたもので、こちらなら好みの部分を本人に残せます。渡すときに一言添えれば、それで済みます。
こちらで決めるなら、相手がふだん着ている服の色を思い出します。淡い色を着る人に濃い紺は重く、濃い色を着る人に薄い花柄では見た印象がちぐはぐになります。花を大きく描いた古典的な柄は年齢を選びにくく、色数の少ないものは長く着られます。
浴衣は、持っていると出かける理由になる種類の品です。持っていなければ誘われても支度から考えることになりますが、一枚あれば、その日に行くほうへ傾きます。
とはいえ、人前で和服を着ること自体を避ける相手もいます。そこが分からないなら、まず着る手数の少ない形を選んでおくと、袖を通すところまでの敷居が下がります。着てみて気に入れば、次の夏には自分で選ぶようになります。
決めるところは、着る手順と、寸法と、点数です。
手順では三つに分かれます。巻いて形を作るもの、上下が分かれたもの、上下がつながったもの。下へ行くほど着るまでの手数が減り、その代わりに崩れたときに締め直せる幅も狭くなります。着付けを覚えている相手なら一枚仕立て、初めて着る相手ならセパレートやワンピース型へ。
寸法は、身丈と裄で見ます。フリーサイズは身長155センチから165センチまでを見た作りで、身丈は身長に5センチ足した長さが標準、裄は前後2センチが合わせどころ。背の高い相手にはトールサイズ、腰まわりに余裕が要るなら大きいサイズの商品があります。
点数は、何が入っているかで数えます。浴衣と帯で2点、下駄が付いて3点、巾着まで入れば4点。帯は兵児帯なら結ぶだけ、作り帯なら結ぶ手順そのものがありません。ただし下駄は足の寸法の話なので、そこが分からなければ入っていないセットにします。
花火や祭りの予定がある相手で、足のサイズも分かっているなら、セパレートで兵児帯と下駄の付いた3点セットを。当日に一人で着られて、履き物までそろいます。足のサイズが分からないなら、同じセパレートを浴衣と帯の2点で。着付けを覚えている相手には、一枚仕立てを2点で渡して、履き物と小物は手持ちのものを合わせてもらいます。
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