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奥さんへの贈り物には、離れて暮らす相手にはない難しさがあります。同じ家に住んでいるので、届いた箱も、しまった場所も、たいてい見つかります。買い物の記録が共有されていれば、金額まで分かってしまうこともあるでしょう。
もう一つ厄介なのが、お金の出どころです。家計が一つになっていると、贈る側が自分の懐を痛めた感覚を持ちにくく、受け取る側も「うちのお金で買った物」と受け止めがちになります。同じ品でも、そこの了解がずれていると素直に喜べません。
さらに、家の中に置いた瞬間に家族みんなの物になってしまう、という問題もあります。台所や居間で使う物はとくにそうで、贈ったつもりが日用品の補充になっていた、ということが起こります。届け先と、支払いの記録と、置き場所。この三つを決めてしまえば、選ぶ物そのものはそれほど難しくありません。
離れて暮らしていれば注文から到着まで見られませんが、同居しているとそうはいきません。段取りを決めておかないと、渡す前に気づかれます。
家に送れば、受け取るのが本人ということも起こります。職場に送れる環境なら、そちらのほうが確実です。それが難しいときは、店で受け取る仕組みを使うか、実家や友人宅に届けてもらう方法もあります。
家に届けるしかない場合は、在宅の時間を狙って自分で受け取ります。不在票が入ると、そこから会話が始まってしまうので、確実に受け取れる日を指定しておきます。休みの日の午前など、自分だけが家にいる時間があれば、そこに合わせるのがいちばん確実です。
外箱に商品名や店の名前が大きく入っていると、開けなくても分かります。無地の箱で送れるか、包装を選べるかを注文の前に確かめておくと安心です。冷たい状態で届く物は、そもそも冷蔵庫に入れれば見つかるので、渡す当日に届くようにするほうが早くなります。
家の中で自分だけが開ける場所は、思っているより多くありません。車の中や職場の机など、家の外に置ける場所があれば、そのほうが安全です。渡すまでの日数が短いほど、隠す手間も減ります。
支払いの明細を共有していると、そこから分かってしまうことがあります。金額を見られたくないなら、支払い方を変えるか、明細が出るタイミングを見ておきます。買い物の履歴が家族で共有される仕組みを使っている場合も同じで、注文の前に確かめておくと後で慌てません。
家計を一つにしていると、贈り物の代金も結局は同じところから出ます。ここをそのままにしておくと、受け取る側が素直に喜べません。
同じ財布から出た物は、贈り物というより家の買い物に近く感じられます。せっかく選んでも、値段の話にすり替わってしまうことがあります。自分の小遣いから出した、残業したぶんで買った。お金の出どころが見えていれば、家の支出という話にはなりません。
言い方は短くて構いません。「これは自分の小遣いから買ったから、気にせず使って」。この一言があるだけで、家計の話から離れます。黙って渡すと、代わりに値段のほうを調べられて終わります。
家計を握っているのが奥さんなら、値の張る物は「そのお金で他のことができた」と考えさせてしまいます。金額を上げる方向より、自分では順番が回ってこない物を選ぶほうが喜ばれます。
子どもの物や家の物を先に買って、自分の番はいつも最後という人が多いはずです。化粧品でも、アクセサリーでも、自分では買わずにいる菓子でも構いません。その最後に回されている枠を埋める品なら、値段に関係なく特別になります。
現金や商品券に近い形は、家計に吸い込まれて消えます。何に使ったか分からないまま終わるので、贈り物としては残りません。品物であれば、それが手元にある間は贈られた事実も残ります。使い道を本人に選んでほしいなら、種類の決まった券にしておくと家計へ流れにくくなります。
毎年少しずつ額を上げていくと、家計への負担が積み上がります。受け取る側も、そのお金の出どころを知っているぶん落ち着きません。額を一定にしておき、節目の年だけ変えるほうが、長く続けられます。
家に置いた瞬間、みんなの物になる。これが同居している相手への贈り物でいちばん起きやすい失敗です。
台所や居間で使う物は、置いた翌日から家族が使い始めます。奥さんのために選んだつもりでも、実際には家の備品が一つ増えただけということになります。
本人の持ち物として成立するかどうかは、置き場所で決まります。自分の鞄に入る物、身につける物、洗面所の自分の棚に並ぶ物なら、他の家族が勝手に使うことはありません。
同じ種類の物でも、家族で回し使いする形と、一人に紐づく形があります。人数分あるうちの一つではなく、その人だけの一つ。ここが分かれ目になります。名前を入れられる物なら、持ち主がはっきりして共用になりません。
食べ物でも同じことが起こります。家族で分ける前提の箱だと、奥さんが食べたのは全体のごく一部、ということになりかねません。本人が好きな物を、本人の分としてはっきり渡すほうが伝わります。
炊事や掃除に使う物は、便利であるほど家族全員の役に立ちます。役に立つこと自体は良いのですが、贈り物としては受け取られにくくなります。
同じ家電でも、料理に使う物と、本人の身支度に使う物では意味がまったく違います。後者なら共用になりません。
大きい物を選ぶなら、どこに置くかを先に相談しておきます。勝手に場所を取ると、片づける手間まで押し付けることになります。置き場所が決まっている物は、その日から使われます。
炊事や洗濯を楽にする道具は、実際に助かる物です。それでも贈り物として渡すと、受け取り方が難しくなることがあります。
家事を担っている側からすると、家事の道具は仕事の道具です。それを記念の日に渡されると、役割を固定されたように感じることがあります。品が悪いのではなく、渡す日と品の性格が合っていません。
同じ道具でも、ふだんの買い物として一緒に選べば話は別です。記念の日には別の物を渡し、道具は必要になった日に二人で買う。日を分けておけば、どちらも本来の役目を果たします。
前々から欲しいと言っていた道具なら、話はまったく違います。本人が望んで、使う場面まで想像できている物は、渡した日から働きます。
言われていたかどうかが分からないなら、聞いてから買っても構いません。驚かせることより、使ってもらうことのほうが大事な場面もあります。買い替えの時期が来ている物なら、なおさら話が早く進みます。
家事の道具が喜ばれるとしたら、それは家事そのものが楽しくなるからではなく、空いた時間が自分のものになるからです。時間が空いても他の家事が入るだけなら、贈り物としては働きません。
同じ考え方で、休む時間そのものを渡す形もあります。入浴剤やお茶のように、座って何もしない時間に使う物であれば、役割を固定する心配がありません。子どもを引き受けて一人になれる時間を作るほうが、道具を増やすより効くこともあります。
家事の道具を渡すなら、これから自分も使うと伝えておくと受け取り方が変わります。渡して終わりにせず、使う側に回る姿勢まで含めて贈り物になります。実際に一度使ってみせれば、言葉だけよりも伝わります。
同じ奥さんでも、渡す日によって収まる物が変わります。届け先と置き場所を決めたあと、この方向から探していきます。
家族のためではなく本人のための日なので、いちばん踏み込める機会です。ピアスや指輪、レディース腕時計のような身につける物、レディース財布や帽子。美容の分野なら、ヘアドライヤーやヘアアイロン、美顔器が選ばれています。どれも自分の番が最後に回されがちな分野です。
家に家族がいる日なので、共用になりにくい物を選びます。香水やボディクリーム、入浴に使う品のように本人の棚に並ぶ物。ナイトウェアやルームウェア、レッグウォーマーのように部屋で使う物も、家族と回し使いになりません。
重くしすぎると、次の二月に相手が身構えます。クッキーや洋菓子の詰め合わせ、フィナンシェ、アイスクリーム。ハンドクリームやボディスクラブのように使えばなくなる物なら、返礼を返させることにもなりません。
道具を記念日に渡すと役割を固定して見えますが、必要になった日に一緒に買うなら話は別です。電気ケトルやホットプレート、ミキサーやフードプロセッサー。保存容器や包丁のように毎日触れる物は、買い替えの時期が来ていれば喜ばれます。
家事が続いている相手には、座っている時間に働く物が向きます。クッションマッサージャーや足ツボマッサージの道具、ネックピロー。眠りの分野なら、枕やナイトキャップも選ばれています。
届け先を家の外にできないかをまず考えます。それが無理でも、渡す日と同じ日に届くようにすれば、隠しておく時間そのものが要りません。冷たい状態で届く物は冷蔵庫を開けた時点で分かるので、なおさら当日に届くようにします。
家に置く時間ができてしまうなら、車の中や職場の机など、家族が開けない場所を先に決めておきます。置き場所が決まっていないまま注文すると、届いた日に慌てることになります。
本人が前から欲しいと言っていたかどうかで分かれます。望んでいた物なら、開けた日からそのまま使われます。
言われた覚えがないなら、記念の日に渡すのは避けたほうが穏やかです。必要になったときに一緒に選んで買えば、同じ品でも受け取り方がまったく違います。急がない買い物なので、日をずらしても困りません。
家計を預かっている人ほど、この言葉が出ます。断っているのではなく、そのお金で他に回せることを考えてしまうだけのことが多いようです。
言い方を変えると受け取ってもらえます。値段の話ではなく「これは自分の分として使ってほしい」と伝えれば、家の会計から切り離せます。使い切れる物なら、なおさら気が楽になります。
種類を変えるより、細かいところを合わせる方向で考えると続きます。色や大きさ、香りの系統を前のものと変えるだけで、印象は十分に変わります。
年によって、欲しい物を聞く年と自分で選ぶ年を分ける手もあります。毎年驚かせようとして外し続けるより、そのほうが結果が安定します。
奥さんへの贈り物は、何を選ぶかより先に、渡すまでの段取りで決まります。同じ家に住んでいれば箱も明細も見つかるので、届け先と包装を先に決めておくだけで、渡す日まで持ちこたえられます。
お金の出どころも忘れずに。家計が一つだと、どれだけ良い物でも家の買い物として受け取られます。自分の小遣いから出したと一言添えるだけで、その話から離れられます。値段を上げるより、家族の物を優先して後回しにしている枠を埋めるほうが、はるかに喜ばれます。
置いた瞬間に家族の物になる、という落とし穴もあります。本人の持ち物として成立するかどうかは置き場所で決まるので、鞄に入る物や身につける物なら共用になりません。家事の道具は役に立つぶん役割を固定して見せるので、渡す日を選ぶか、これから自分も使うと伝えておきます。
長く一緒にいる相手には、好みを知っている強みがあります。色や大きさ、香りの系統まで揃っていれば、それだけで誰が選んだかが伝わります。値段では届かない部分なので、毎年ここに手をかけるほうが、額を上げ続けるより長く続きます。
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