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お中元をいただいたとき、ふと迷うのが「お返しはいるのだろうか」「お礼はどう伝えればよいのだろう」という点です。せっかくの夏のごあいさつに、こちらの返し方がぎこちないと、相手にかえって気をつかわせてしまいます。
先に結論をいえば、お中元のお返しは原則として必要ありません。お中元は日ごろの感謝を伝える「気づかい」を受け取るものなので、品物で返す義務はないからです。大切なのは、いただいたらできるだけ早くお礼を伝えること――まずはこの一点を押さえれば、失礼にはなりません。
このページでは、お礼の伝え方とお礼状の書き方の基本をおさえたうえで、ビジネス・親せき・友人それぞれに使える文例、そして「それでもお返しをしたい」というときの金額や時期、表書きの整え方までを順に解説します。受け取ったあとに落ち着いて対応できるよう、ひととおりまとめました。贈り返す品を探すときは、お中元のテッパンギフト一覧もあわせてご覧ください。
お中元が届いたら、まずすべきはお礼を伝えることです。相手や間柄によって、ふさわしい伝え方と整え方があります。
品物が届いたら、できるだけ早くお礼を伝えます。親しい相手なら電話やメールで「無事に届きました」と一報を入れ、改まった相手にはあらためてお礼状を出す――この二段構えにすると、感謝の早さと丁寧さの両方が伝わります。とくに目上の方やビジネスの相手には、まず一報、続いて手紙が丁寧です。
手紙・電話・メールのどれがよいかは、相手との間柄で決めます。ビジネス関係や義理の親族には、縦書きの手紙を選ぶのが無難です。兄弟や友人など親しい間柄なら、メールでも失礼にはあたりません。迷ったら、より丁寧なほうに寄せておくと安心です。
お礼状は、次の流れで書くとまとまります。
1. 頭語と時候のあいさつ(「拝啓」+季節のことば)
2. 品物が届いたお礼(何をいただいたかにも軽く触れる)
3. 相手の体調や暑さを気づかうことば
4. 結びのあいさつと結語(「敬具」など)
5. 日付と差出人の署名
頭語に続く季節のことばは、出す時期に合わせます。七月の下旬から立秋ごろまでは「猛暑の候」「晩夏の候」、立秋を過ぎたら「残暑の候」「立秋の候」といった言い回しが季節に合います。かしこまりすぎるのが気になるときは、「厳しい暑さが続いておりますが」のようなやわらかい一文でも構いません。
気持ちを伝える手紙だからこそ、書き方に少し気を配ります。いただいた品の値段や量に直接ふれるのは、相手の心づかいを値踏みするように映るので避けます。「次もよろしく」と読めるような催促めいた表現や、「つまらないものですが」といった謙遜のことばも、お礼状にはそぐいません。あくまで感謝と、相手を気づかうことばを中心に、短くても心のこもった文面にまとめるのがこつです。
間柄ごとに、書き出しから結びまでの文例をあげます。実際に書くときは、いただいた品や近況にふれるひとことを足すと、より気持ちが伝わります。
> 拝啓 猛暑の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
> このたびはご丁寧なお中元の品を頂戴し、誠にありがとうございます。日ごろよりお力添えをいただいておりますうえに、お心づかいまで賜り、恐縮するばかりです。
> 暑さ厳しき折、皆さまどうかご自愛くださいませ。略儀ながら、まずは書中をもって御礼申し上げます。
> 敬具
> 拝啓 厳しい暑さが続いておりますが、皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか。
> このたびは結構なお品をお送りいただき、心より御礼申し上げます。さっそく家族でおいしく頂戴いたしました。いつもお気にかけていただき、ありがたく存じます。
> 寝苦しい夜が続きますので、くれぐれもご無理なさいませんよう。まずは書中にてお礼かたがたごあいさつ申し上げます。
> 敬具
> 暑い日が続いているけれど、元気にしていますか。
> このたびは素敵なお中元をありがとう。さっそくいただいて、家族みんなで夏の味を楽しみました。気にかけてくれて本当にうれしかったです。
> しばらく顔を合わせられていないので、涼しくなったらまたゆっくり会えたらうれしいです。まずはお礼まで。
手紙を出す前に、まず「届きました」と伝えたいときの短い文例です。当日か翌日には送れると、相手も無事に届いたか気をもまずにすみます。
> いつもお世話になっております。本日、結構なお中元の品を頂戴いたしました。お心づかいに深く感謝申し上げます。あらためて書面にてお礼を申し上げますが、まずは到着のご報告かたがた御礼まで。
電話なら「ただいまお中元の品が届きました。お気づかいいただき恐縮です。ありがとうございます」と、届いたことと感謝を先に伝え、長くなりそうなら手短に切り上げます。一報のあとに手紙を出すと決めている場合は、その旨をひとこと添えておくと丁寧です。
親しい相手でも、いただいたことへの感謝と、相手を気づかうひとことの二つは欠かさないようにすると、軽くなりすぎません。
くり返しになりますが、お中元にお返しの義務はありません。お礼状だけで十分に礼は尽くせます。そのうえで「いつもお世話になっているから、こちらからも気持ちを返したい」というときの整え方をまとめます。
お返しを贈るなら、いただいた品と同じくらいの金額が目安です。半額ほどの控えめなお返しでも構いませんが、いただいた以上に高価なものは避けます。高すぎるお返しは「今後のお気づかいはご無用に」という遠回しの合図に受け取られ、相手を遠ざけてしまうことがあるためです。
お返しは、いただいてから日をあけずに手配します。間延びすると、お礼というよりこちらからのお中元のように見えてしまいます。夏の盛りに届くことを考えて、アイスやゼリー、ジュースなど涼やかで日もちを気にしすぎない品が選びやすく、相手にも喜ばれます。
お返しの掛け紙の表書きは、贈る時期で変えます。お中元の期間内に届くなら「御中元」、期間を過ぎて立秋ごろまでなら「暑中御見舞」、立秋を過ぎたら「残暑御見舞」とします。水引は紅白の蝶結びです。お返しの品にも、感謝のことばを記したお礼状を添えるか別便で送ると、品物だけを返すより気持ちがやわらかく伝わります。掛け紙の詳しい整え方は、お中元ののしをまとめたページもあわせてご覧ください。
お返しを贈らないときでも、お礼状は必ず出します。手紙のなかで「こちらこそ日ごろの感謝をお伝えしたく存じます」と一文添えれば、返礼がなくても気持ちはきちんと伝わります。形よりも、早く丁寧に礼を伝えることのほうが大切です。
Q. お礼状ははがきでもよいですか。それとも封書が必要ですか。
A. 親しい相手やちょっとしたお礼なら、はがきでも失礼にはあたりません。一方、ビジネスの相手や義理の親族など改まった相手には、封書(縦書きの便箋)のほうが丁寧な印象になります。迷ったら封書にしておくと、どんな相手にも収まりがよくなります。
Q. お礼の連絡は、メールやメッセージで済ませてもいいですか。
A. 兄弟や友人など親しい間柄なら、メールやメッセージでのお礼で構いません。ただし正式には手紙が基本なので、目上の方やビジネスの相手には、まずメールや電話で一報を入れ、あらためて手紙を出すと丁寧です。届いたことの報告を兼ねて早めに一報する、という使い方が向いています。
Q. 「お返しはいらない」と言われたら、本当にしなくていいのでしょうか。
A. お中元はもともとお返しの義務がないので、相手のことばに甘えてお礼状だけで構いません。無理にお返しを贈ると、かえって気をつかわせてしまうこともあります。感謝の気持ちは、手紙のことばと、次に会ったときのひとことで十分に伝わります。
Q. 喪中の相手にお礼状やお返しを贈ってもよいですか。
A. お礼状は、感謝を伝えるものなので喪中でも問題ありません。お返しを贈る場合は、まだ四十九日が明けていない忌中の時期は避け、忌明けを待ってから手配します。掛け紙は紅白の水引を控え、無地のものを選ぶと相手に気をつかわせません。
Q. お礼状を出しそびれて、時期が過ぎてしまいました。
A. 遅くなっても、出さないより出すほうがずっと丁寧です。書き出しに「お礼が遅くなり申し訳ございません」とひとことお詫びを添え、時候のあいさつは「残暑の候」など今の季節に合わせて整えれば、失礼の印象はやわらぎます。
お中元をいただいたときにいちばん大切なのは、お返しよりも、早く丁寧にお礼を伝えることです。お中元はお返しの義務がない贈りものなので、まずはお礼状で感謝を伝えれば礼は尽くせます。親しい相手には電話やメールで一報、改まった相手には縦書きの手紙――この二段構えを覚えておけば迷いません。
お礼状は、頭語と時候のあいさつ、品物が届いたお礼、相手を気づかうことば、結びの五つで組み立てます。それでもお返しをしたいときは、いただいた品と同じくらいの金額にとどめ、時期に合わせて「御中元」「暑中御見舞」「残暑御見舞」と表書きを変えるのが基本です。
受け取ったあとの作法がわかれば、お中元のやりとりはぐっと気楽になります。贈る時期の地域差や掛け紙の整え方とあわせて確認しておくと、贈るときも返すときも安心です。お返しの品を探すときは、お中元のテッパンギフト一覧で見くらべてみてください。