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暑中見舞いは、いちばん暑い時期に相手の体調を気づかうおたよりです。年賀状ほど形式ばってはいませんが、それでも知らずに外すと間の抜けた印象になる作法がいくつかあります。とくにはがきの文面には、ふだんの手紙とは少し違う決まりがあり、ここでつまずく人が少なくありません。
迷いやすいのは、「拝啓のような書き出しは要るのか」「句読点はどう打つのか」「品物を添えるなら避けたほうがよいものはあるか」といった点です。暑中見舞いには、季節のあいさつ状ならではのやわらかな作法と、贈りものとして気をつけたい昔ながらのタブーの両方があります。
このページでは、まずはがきの文面の基本マナーをおさえたうえで、品物を添えるときに避けたい品、贈るのを控えるべき相手、そして喪中など場面ごとの配慮までを順に整理します。品そのものを選びたいときは、暑中見舞いのテッパンギフト一覧もあわせてご覧ください。
暑中見舞いの中心は、なんといってもはがきのおたよりです。ふだんの手紙と違う作法がいくつかあるので、ここを押さえておくと安心して書けます。
ふつうの手紙では「拝啓」で始めて「敬具」で結びますが、暑中見舞いにはこうした頭語・結語は不要です。代わりに、書き出しは「暑中お見舞い申し上げます」という決まり文句から始めます。形式ばらず、季節のあいさつそのものを最初に置くのが、このおたよりらしいところです。
文面は、おおむね次の流れで組み立てると整います。
1. お見舞いのあいさつ……「暑中お見舞い申し上げます」を、本文よりやや大きめの文字で。
2. 時候のあいさつと主文……暑さにふれ、相手の体調を気づかい、自分の近況を伝える。
3. 結びのあいさつ……相手の無事や健康を祈る、思いやりのひとこと。
4. 日付……細かな日付は書かず、暑中見舞いなら「盛夏」、残暑見舞いなら「晩夏」「立秋」などと記します。
書き出しの「暑中お見舞い申し上げます」には、句点「。」を付けません。あいさつの言葉として、すっきりと見せるためです。この一文を本文より大きめに書くと、はがき全体の見栄えが引きしまります。
はがきの絵柄は、朝顔や金魚、ひまわり、海や花火といった夏らしいものが好まれます。あまり奇抜なものより、涼しさを感じさせる絵柄のほうが、季節のあいさつにふさわしくまとまります。ビジネスの相手へは、絵柄を控えめにするか無地に近いものを選ぶと、改まった印象になります。
暑中見舞いに品物を添えるなら、贈りもの全般の言い伝えにも気を配ります。とくに目上の方へは、語呂や昔からの見立てで縁起がよくないとされる品を避けると無難です。
靴やスリッパ、マットなど足で踏むものは、「相手を踏みつける」という見立てから、目上の方への贈りものには向きません。涼しげなルームシューズなども、改まった相手には選ばないほうが安心です。
包丁やはさみといった刃物は「縁を切る」を、ハンカチは「手巾(てぎれ)」と書けることから「手切れ=別れ」を連想させるとされ、改まった相手には避けられます。
現金や商品券は、目上の方へ贈ると「お金に困っているのでは」と受け取られかねず、失礼にあたるとされます。相手に使い道を委ねたいときでも、目上へは品物を選ぶのが無難です。親しい間柄なら、気にしすぎる必要はありません。
避けたい品の一方で、暑中見舞いにふさわしいのは、夏に届いてうれしいものです。冷たいジュースやゼリー、日もちのする焼き菓子、そうめんなどは、暑さのなかで気軽に受け取れて喜ばれます。生ものや冷たい品を選ぶときは、相手が受け取れる日を見越して手配し、傷みやすいものは届く日をひとこと伝えておくと親切です。
品物だけでなく、「誰に、どんなときに送るか」にも配慮どころがあります。立場や状況によっては、受け取ること自体が相手を困らせてしまう場合もあります。
役所の職員や警察官などの公務員、公立学校の先生は、職務に関わる贈りものを受け取ることが規律で制限されています。こちらに他意がなくても、受け取る側が立場上困ってしまうので、品物は控えます。暑さを気づかう気持ちは、はがきのおたよりで伝えるのが安心です。
暑中見舞いはお祝いではなく、相手の体調を気づかう季節のあいさつなので、喪中の相手にも送って構いません。ただし、出すのは四十九日を過ぎてからにし、はがきの絵柄は派手なものを避けて落ち着いたものを選びます。文面でも、お悔やみと暑中見舞いを一枚に混ぜず、相手を気づかう言葉を中心にまとめると、心づかいが伝わります。自分が喪中のときも、同じ配慮で送れます。
暑中見舞いをいただいたら、こちらも暑中見舞い(立秋を過ぎていれば残暑見舞い)として返すのが基本です。品物のお返しは必須ではなく、まずはお礼とともに相手を気づかうおたよりを、なるべく早く送ります。時期が立秋をまたぐときは、表書きや書き出しを残暑見舞いに切り替えます。
同じ内容でも、立秋(2026年は8月7日)を過ぎたら「残暑見舞い」に切り替えるのが作法です。うっかり暑中見舞いのまま送ると時期がずれてしまうので、届く日を見て呼び名を整えます。間に合いそうにないときは、無理をせず残暑見舞いとして送るほうがすっきりします。
Q. 目上の人に「お見舞い」と書くのは失礼になりませんか。
A. 「見舞い」には目下の相手を気づかうような響きがあるため、目上の方へはより丁寧な言い方にします。はがきの書き出しは「暑中お見舞い申し上げます」で問題ありませんが、品物の表書きや改まった相手へは「暑中御伺い」とすると角が立ちません。気になるなら、文面でも「お伺い申し上げます」と整えるとていねいです。
Q. 取引先や仕事の相手に暑中見舞いを出してもよいですか。
A. 夏のごあいさつとして、ビジネスの相手に暑中見舞いを出すのは一般的です。ただし、会社によってはやりとりを控える慣習もあるので、品物を添える場合はとくに、社内の慣わしを確かめてからにすると安心です。はがきだけのあいさつなら、堅苦しくなりすぎず気持ちが伝わります。
Q. メールやメッセージで暑中見舞いを送ってもいいですか。
A. 親しい友人や同僚なら、メールやメッセージでの暑中見舞いも失礼にはあたりません。ただし、目上の方やあらたまった相手には、はがきのほうがていねいです。手軽さで選ぶより、相手との間柄に合わせて使い分けると間違いがありません。
Q. 近況の報告や家族の写真を入れてもよいでしょうか。
A. 親しい相手へなら、近況や写真を添えると喜ばれます。一方で、相手の体調を気づかうのが暑中見舞いの主役なので、自分の話ばかりにならないよう気をつけます。ビジネスの相手には、写真は控えめにし、あいさつと気づかいの言葉を中心にまとめるのが無難です。
Q. いただいた暑中見舞いへの返事は、いつまでに出せばよいですか。
A. できるだけ早く返すのが基本です。立秋の前日までに届きそうなら暑中見舞いとして、立秋を過ぎるなら残暑見舞いに切り替えて返します。八月の末を過ぎてしまいそうなときは、無理に夏のあいさつにこだわらず、季節の便りとして送るほうが自然です。
暑中見舞いのマナーは、はがきの文面と贈りものの両面にあります。文面では、「拝啓」などの頭語は使わず、「暑中お見舞い申し上げます」から始めるのが作法です。書き出しは句点を付けずやや大きめに書き、日付は「盛夏」などと記します。形式ばらず、相手の体調を気づかう言葉を中心にまとめるのがこつです。
品物を添えるなら、履物や刃物、現金や商品券のように意味あいで誤解を生む品は目上に避け、公務員や公立校の先生など受け取りにくい立場の相手には贈らない――この線を知っておけば大きな失礼は防げます。喪中の相手にも送れますが、四十九日を過ぎてから、落ち着いた絵柄で。立秋を過ぎたら残暑見舞いに切り替えることも忘れずに。
作法の勘どころがつかめたら、あとは相手を思って言葉を選ぶだけです。贈る時期や相手別の相場とあわせて確認しておくと安心です。品物を選ぶときは、暑中見舞いのテッパンギフト一覧で見くらべてみてください。