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ビジネスバッグは、仕事に出る人が一日でいちばん長く持っているものです。行きも帰りも手にあり、机の横に置いて、また持って帰る。それだけ使うのに、持ち手がほつれても中の仕切りが破れても、買い替えを次の休みへ先送りにしている人は少なくありません。人からもらってやっと替わる、ということが起きます。
贈るときに最初に決まるのは、形です。手で提げるブリーフケース、口の広いビジネストート、背負えるリュック。同じ「ビジネスバッグ」の名前で並んでいますが、渡す相手が駅から何分歩くのか、自転車に乗るのか、日中に他社を訪ねるのかで、合うものが変わります。
そのうえで効いてくるのが、A4かB4か、パソコンが何インチまで入るかという寸法です。ここを外すと、届いた日から使ってもらえません。
商品名には、形と、A4かB4か、パソコンのインチ数、それに素材が並んでいます。形・寸法・素材の三つが読めれば、似た黒い長方形に見えるものが分かれてきます。
ブリーフケースは、書類とパソコンを運ぶための手提げです。マチの薄いものは持ったときの姿がすっきりするので、格式を重んじる場面が多い人に向きます。ビジネストートは口が大きく開き、物の出し入れが多い人向き。リュックの形は、荷物の多い日や自転車で通う人に合います。背負えば両手が空くので、傘を差しても、手すりにつかまってもいられます。
商品名の2WAY・3WAYは、持ち方が何通りあるかを表します。2WAYは手提げと肩掛けの両方ができる作りで、混んだ電車では肩に掛け、訪問先の建物に入る前に手持ちへ戻せます。3WAYはそこに背負う形が加わります。持ち方が増えるほど金具と紐が付くので、そのぶん本体は重くなります。
A4対応と書かれたものの外側の寸法は、横38センチから40センチ、高さ28センチから30センチ、マチ8センチから12センチのあたりが目安です。ただし、A4のファイルが折れずに入るかどうかは、外側の数字では決まりません。内側の寸法と、口がどこまで開く作りかで変わります。商品ページには外寸と内寸の両方が書かれていることが多いので、見るのは内寸のほうです。
この大きさなら、13インチから15インチのノートパソコンも収まります。ただし書類と一緒だと余裕はありません。書類を封筒に入れて運ぶ人や、パソコンと資料をいつも同時に持つ人なら、B4まで入るもののほうが窮屈になりません。
パソコンのインチ数は、そのまま入る機種の画面の大きさを指しています。相手が仕事で使っている機種が分かるなら、その数字と突き合わせられます。分からないまま迷ったときは、一回り大きいほうを選んでおくと外れが減ります。
本革は使ううちに手に馴染み、色に深みが出てきます。ほかの素材より値段は上がりますが、手入れを続ければ10年以上使えるもの。長く使ってもらう前提で渡すなら、この素材です。
合皮やPUレザーは、革に近い見た目のまま値段が抑えられます。ナイロンは軽くて雨に強く、汚れても布でふけば落ちます。外を回る仕事や、出張の多い人にはナイロンのほうが続きます。撥水と書かれているものは、たいていナイロン地です。
同じナイロンでも作りに差があります。コーデュラの糸をバリスティック織りにしたものは、普通のナイロンの数倍の強度があり、荷物を詰めても型崩れしにくいところ。値段と軽さを取るなら普通のナイロン、丈夫さを取るならこちら、という分かれ方です。
同じ会社勤めでも、家から会社までの行き方はまるで違います。駅まで自転車をこぐ人、電車を乗り継ぐ人、車で客先を回る人。相手の一日を思い出しながら、三つの形のどれに当たるかを決めていきます。
朝の車内で手がふさがると困り、昼間は取引先の受付に立つ。この両方がある人には2WAYが合います。降りてから紐を外して手提げに戻せば、背負ったまま入る形とは受付での姿が変わります。紐が取り外せる作りかどうかは、商品ページの写真で分かります。
一日の荷物が書類とパソコンだけで、移動も短い人なら、肩紐の無い薄い手提げでも足ります。金具が減るぶん軽くなります。会議に出て資料を配って帰る、という一日を過ごしている人には、この形がそのまま合います。
駅から会社まで十分以上歩く人や、自転車に乗る人には背負える形です。荷物の重さが肩と背中に分かれるので、パソコンと書類を両方持つ日でも歩けます。
ただし、背負った姿が仕事着に合わない職場もあります。相手の職場の様子が分からないときほど、手提げにも戻せる3WAYを選んでおくと場面を選びません。着く前に降ろして持ち替えれば済みます。
一泊二日で出かける人なら、着替えの入る容量が要ります。マチをファスナーで広げられるものなら、普段は薄いまま使って、荷物の増える前日だけ広げられます。B4が入る大きさで、17インチのパソコンまで対応と書かれたものも、この使い方に向きます。
キャリーバッグを引く人には、ハンドルスルーやキャリーオンと書かれた作りを。バッグの背面にベルトが付いていて、キャリーの引き手に通して固定できます。駅の構内で片手が空くので、切符も傘も持てます。出張の多い相手には、この一点があるだけで毎回の移動が軽くなります。
社会に出る前の人へ渡すのか、二十年働いてきた人へ渡すのかで、選ぶ基準が入れ替わります。長く使えるものが常に正解ではありません。使う期間が決まっている場面もあります。
説明会や面接では、A4のクリアファイルに入った資料をそのまま持ち帰ります。折らずに入る大きさが最初の条件。会場では椅子の脇の床に置くことになるので、商品名に「自立」と書かれたものだと倒れません。
この時期に使うものは、値段の張るものでなくても足ります。一日に何社も回るので、本体が軽いほうが助かります。撥水のナイロン地なら、雨の日に会場へ着いてもさっとふき取れます。始まる前に届けば、そのまま説明会の初日から使ってもらえます。
節目に渡すものなら、本革が収まります。毎日ナイロンのバッグを使ってきた人ほど、革のものは自分では買いません。買い替えの理由が無いからで、そこが贈り物の入る場所になります。
形は、その人がすでに落ち着いている持ち方に合わせます。この段階の相手は、自分の一日に合う形をもう知っています。そこを変えようとするより、いま使っているのと同じ形で素材を上げるほうが、実際に持ち出してもらえます。
バッグは持ち手の付け根とファスナーから傷みます。角が擦れて色が抜けている、口の閉まりが悪い。そういうバッグを毎日持っている人は、そろそろ替えどきです。本人は毎日見ているぶん、傷みに慣れてしまっています。
替えるときに困るのが、中身の入れ替えです。仕切りの数やポケットの位置が変わると、どこに何を入れていたかを覚え直すことになります。ナイロンから本革へ、あるいは普通のナイロンから丈夫な織りのものへ。素材だけを一段上げて、大きさと中の作りは近いものを選ぶと、持ち替えた翌日から同じように使えます。
使えますが、途中で足りなくなることがあります。就職活動のためのものは、一日に何社も回る前提で軽さと値段を優先して作られています。働き始めてノートパソコンを毎日持つようになると、その厚みと重さが乗ってきます。
A4がぎりぎり入る大きさだと、封筒に入った書類が斜めになります。入社を機に替える人もいるので、就職活動の始まりと、入社の春と、渡す機会は二度あると考えておくと選びやすくなります。
バッグは「これからも共に歩んでほしい」を込めて、就職や昇進といった節目に選ばれてきたものです。目上の相手へ渡して差し支えのないものとして扱われてきました。
そのうえで気を配るとすれば、渡す時期です。毎日使っているものがある相手に、理由もなく新しいバッグが届くと、いま使っているものを否定されたように受け取られることがあります。昇進や異動、独立といった、使い始める区切りのある場面に合わせると、そこは起きません。
形、寸法、素材。この三つを相手の一日に当てていくと、渡すものが決まります。
形は、相手がどう通っているかで決まります。電車で通って日中に他社を訪ねる人には、肩に掛けて手提げに戻せる2WAY。自転車や長い徒歩がある人には背負える形。出張の多い人には、マチを広げられるものや、キャリーの引き手に通して固定できるものです。
寸法は、A4かB4かと、パソコンのインチ数で読めます。外側の数字ではなく内寸と口の開き方で入るかどうかが決まるので、迷ったときは一回り大きいほうへ。パソコンと資料をいつも一緒に持つ人ならB4まで見ておくと窮屈になりません。
素材では、本革が手入れ次第で十年を越え、ナイロンが軽くて雨に強い。同じナイロンでも糸と織りで丈夫さが変わるので、毎日詰め込んで持つ人には強いほうを選ぶことになります。
これから就職活動を始める人には、A4が折れずに入って自立する、撥水のナイロンの軽いものを。働き始めてパソコンを毎日運ぶようになった人には、B4とインチ表記の両方があるものへ。昇進や独立の節目に渡すなら、いま使っているのと同じ形のまま、本革の一つ上へ替えてもらうのがいちばん確かです。
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