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顔を確かめる場面は一日に何度もあるのに、そのための鏡を買い替える人はあまりいません。割れさえしなければ、何年でも同じように映るからです。学生のころから同じものを鞄に入れたまま、という人も珍しくありません。もらってはじめて新しいものに替わる、という類の道具です。
すでに一つ持っている相手でも困りません。鞄に入れる分、机に置く分、化粧の道具をまとめた袋に入れる分と、置き場所を分けて使えます。鏡は、同じ役目のものが二つあっても片方が眠らずに済む小物です。
選ぶときに最初に決まるのは、相手がその鏡をどこで開くかです。鞄の中から出すのか、机に広げるのか、スマートフォンの背に貼っておくのか。ここで形が決まり、大きさもついてきます。
見るところは三つです。映る面そのもの、持ち歩く形、そして名前を入れるかどうか。この順に当てていけば、相手に合う一つが出てきます。
同じ大きさの鏡でも、面の作りが違えば使える場面が変わります。商品名に倍率の数字が入っていれば拡大鏡、「割れない」と書かれていればガラス以外の素材です。
拡大鏡の倍率は、数字が大きいほど像が大きく映ります。選ぶときに効いてくるのは、その数字ごとに見えるものが入れ替わることのほうです。
5倍から7倍は、目だけ、口元だけといった一か所をしっかり見るための数字です。10倍を超えると毛穴や産毛まで映ります。眉を整えるような細かい作業は、ちょうどこの間、5倍から10倍のあたりに収まります。
15倍を超えると、顔をおよそ10センチ以内まで近づけないと焦点が合いません。長く覗いていると目が疲れます。数字を上げるほど、顔を近づけないと使えない鏡になっていきます。
10倍の面は映る範囲が狭いので、それだけで化粧をすると全体のつり合いを見失います。拡大側で細かいところを直したあと、等倍の面で全体を見る一手間が要ります。
そのため、片面が等倍、もう片面が拡大という両面の作りが並んでいます。細かいところは拡大側、最後のひととおりは等倍側と、鏡一つで済みます。
倍率が商品名に入っていても、それが両面のうちの片側なのかは別の話です。拡大の面しか無いものもあるので、両面かどうかは商品ページの写真で分かります。
普通の鏡はガラスです。ゆがみにくく、傷も付きにくいので、映りの正確さではガラスが上になります。
「割れない鏡」と書かれたものは、アクリルなどガラス以外の素材でできています。重さはガラスの半分以下で、落としても割れません。そのかわり傷が付きやすく、像にゆがみが出ることがあります。
持ち歩いて落とすことのある鏡では、この割れにくさが選ばれる理由になります。鞄の中で他のものとぶつかる、床に落とす、といった扱いをする相手なら、映りの正確さより割れないほうが働きます。スマートフォンやカードに貼る薄いものは、たいていこの素材です。
面の話が済んだら、次は外側です。この分野には、二つ折りのもの、板に貼りつける薄いもの、鏡のふちが光るものが並びます。相手がどこで開くかによって、選ぶ形が分かれます。
たためる形のいちばんの働きは、閉じたときに鏡の面が内側へ隠れることです。鞄の中で鍵や化粧の道具と一緒に転がっても、面に傷が付きません。
大きさは、鞄の口から片手で出せる程度が扱いやすいところです。手のひらより大きいと出し入れに手間がかかり、開いたときに顔の上半分が入れば、外での身だしなみには足ります。写真だけでは大きさが読めないので、閉じたときの寸法と厚みの数字で見ることができます。
スマートフォンの背やカード入れに貼る、薄い鏡があります。厚みがほとんど無いので鞄の中で場所を取らず、持ち出すかどうかを毎朝考えなくて済みます。
映る範囲は目のまわりや口元といった一点です。二つ折りが顔の上半分を映すのに対して、こちらは唇の色を確かめる、まつげの向きを直すといった、一か所のための鏡になります。
こちらは持ち歩く道具ではなく、すでに持ち歩いているものに足す形です。役目が二つ折りと違うので、鏡をすでに持っている相手にも重ねられます。洗面所の壁や窓に吸盤で貼るものもありますが、そちらは持ち出さずに家で使う形です。
鏡のふちにLEDの照明が並んだものがあります。夜の車の中や、明かりの落ちた店の洗面所のように、天井の光が届かない場所でも顔が見えます。充電して使う形です。
光の色を三段階で切り替えられるものや、前に使った明るさを覚えているものもあります。たためる作りなら、閉じたときに光る面が内側へ隠れます。
そのぶん厚みが出て、充電の手間も付いてきます。昼のうちに使うことがほとんどの相手なら、この二つだけが残ります。夕方から夜にかけて人と会うことが多い相手なら、手間より暗さのほうが困りごとになります。
この分野には、名前や短い文字を刻む対応の付いたものが並びます。手のひらに載る小物で、面積のほとんどが平らなので、刻む場所が取りやすいという事情があります。ただ、頼んだ時点で戻せなくなることがあります。
名前の入った品は、その人のためだけのものになります。渡してから別のものに替えたくなっても、店に戻す道がありません。
名前を入れるのは、相手が確実に使う形だと分かっているときに限られます。相手が今どんな鏡を持ち歩いているかを知っている、机の上に鏡が無いのを見たことがある、といった手がかりがあるなら選べます。
分からないなら、入れないものを選んでおけば、使う場所は相手が決められます。合わなければ人に譲ることもできるので、行き先が残ります。
刻む文字は、名前そのものか、頭文字か、短い言葉かで印象が変わります。書体や文字の色まで選べるものもあります。
名前をそのまま入れると、人前で開く場面で少し照れが出ることがあります。頭文字だけなら、鞄から出しても目立ちません。外で使う道具なので、そこは相手の性格に合わせられます。
漢字か、ローマ字かでも変わります。相手の名前の綴りが自分の思い込みと違っていることもあるので、家族や共通の知人に確かめておけます。
節目に渡すものとして買われることが多い分野なので、箱や紙袋、包みの対応が付いたものが並びます。手渡しなら袋が要りますし、送るなら箱と包みのほうが効きます。
当日に手渡すのか、宅配で送るのか。渡し方は品物より先に決められるので、そこから絞っていく順序もあります。
ブランドの名前で選ばれるものも多く並びます。開けたときに箱で分かる、という渡し方をしたいときの選び方です。鏡そのものの働きは変わらないので、ブランドで選ぶかどうかは相手との間柄で決まります。
高いほど楽になる、とはなりません。15倍を超えるものは顔を10センチ以内まで近づけないと焦点が合わないので、見えにくさを補うつもりで数字を上げると、かえって使いにくくなります。
見えにくさの理由が明るさのこともあります。手元が暗いと、像を大きくしても輪郭がはっきりしません。窓から離れた机や、夜の洗面所で使うことが多い相手なら、倍率を上げるよりライトの付いたものを渡すほうが届きます。
倍率で選ぶなら、相手が何を見たいのかで決まります。眉なのか、目のまわりなのか、顔全体なのか。そこが分かれば数字も決まります。
映る面、持ち歩く形、名前を入れるかどうか。この順に当てていくと、渡す一つが出てきます。
映る面は、等倍だけで足りるのか、拡大する面が要るのかで分かれます。眉や目のまわりを自分で整えている相手なら、片面が等倍になった両面のもの。鞄の中で他のものとぶつかる持ち方をする相手なら、割れない素材のほうが長く残ります。
持ち歩く形は、相手がその鏡をどこで開くかで決まります。鞄から出して使うなら閉じて面が守られる二つ折り、すでに持ち歩いているものに足すなら貼る形、暗い場所で顔を見る相手ならライトの付いたもの。開ける場所が決まれば、大きさもついてきます。
名前を入れるかどうかは、いちばん最後です。入れると交換ができなくなるので、相手が確実に使う形だと分かってから頼めます。文字と書体と綴りは、注文の前に揃えておくものです。
外で人と会う仕事の相手には、片手で握れる大きさの二つ折りを。眉を自分で整えている相手には、片面が等倍の両面拡大鏡を。何を持っているか分からない相手には、スマートフォンの背に貼る薄いものを。開くたびに手の中で使われるので、相手が一日に何度も手に取ります。
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