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寝るときの服は毎晩着るものですが、自分のためには何年も買い替えない人が少なくありません。もらって初めて、袖口が伸びていたと気づくこともあります。ネグリジェは、そういう贈りものになります。
選ぶときにまず効いてくるのは、上下が分かれていないことです。ズボンが無いので、腹にゴムが当たりません。そのかわり布が一枚で体を包むので、寝返りを打つと布ごと回ります。
前が開くものと、頭からかぶるものがあります。
ネグリジェはワンピースの形をした寝間着です。上下に分かれていないので、ウエストにゴムも紐も来ません。横になったときに腹を締めるものが何も無い、という一点が、ほかの寝間着との違いになります。
腹まわりに何も当てたくない相手には、この一点がそのまま効きます。妊娠している人、食べたあとに腹が苦しくなる人、手術のあとで腹に傷がある人。ズボンのゴムが当たらないだけで、寝つきが変わります。
布が体に留まる場所が無いので、寝返りを打つと体に巻き付きます。朝までに前と後ろが入れ替わっていることもあります。上下に分かれた寝間着では起きないことです。
巻き付きを抑えるのは、身幅のゆとりと、生地のすべりやすさです。細身のものほど巻き付きやすく、つるりとした生地ほど体の上をすべって戻ります。ゆったりした綿のものは、回りにくいかわりに、いちど絡むとそのままになります。
丈は膝のあたりで止まるものと、足首まであるものに分かれます。長いほうが冷えませんが、寝ているあいだに裾が上がると、下に何も無い状態で足が出ます。
寒い時期に贈るなら、足首まである丈に、下へ何か穿ける余地のあるものを。夏なら膝丈のほうが、足に巻き付く布が少なくて済みます。
袖にも刻みがあります。袖なし、半袖、五分、七分、長袖。五分と七分は肘のまわりが隠れるので、冷房の効いた部屋で寝る相手に向きます。袖なしのものは涼しいかわりに、肩が出たまま眠ることになります。羽織るものと組み合わせて渡すと、そこが埋まります。
前にボタンが並んでいるものは、袖を通して前を留めるだけで着られます。頭からかぶるものは、腕を上げて肩まで持ち上げる動きが要ります。この差が効くのは、腕が上がらない相手です。
肩を痛めている人、点滴の管が付いている人、力の落ちてきた高齢の相手。かぶる形だと、着替えのたびに誰かの手を借りることになります。前開きなら、座ったままでも自分で着られます。
袖口も見ておくところです。ゴムが強く入っていると、腕を抜くときに手が引っかかります。ゆるいゴムか、ゴムの入っていないものなら、抜き差しに力が要りません。
病院では、寝たまま体を診てもらう場面があります。前が開けば、めくり上げずに胸や腹を出せます。入院の支度をする人が前開きを探すのは、そのためです。
授乳する時期の相手も同じです。抱いたまま前を開けられます。腹が大きい時期から産後まで、寸法を変えずに同じ一枚で通せるのも、ワンピースの形だからです。
同じ前開きでも、留め具がどこまで並んでいるかは商品によって違います。首元から腰まで並んでいるものと、胸の下で終わっているもの。胸の下で終わっているものは、そこから上が開きません。診察や授乳のために選ぶなら、写真で留め具の並びまで見ます。
体を起こすのが難しい相手には、浴衣のように前を重ねる形のものがあります。片腕ずつ袖を通して前を重ねるので、体を横に向けるだけで着せ替えられます。
ただし前を重ねているだけなので、動くとはだけます。合わせにボタンや面ファスナーが付いているかを見ておくと、着せる側も着る側も落ち着きます。紐だけで留めるものは、結び直しが要ります。
丈は、相手の過ごし方で決まります。起きて動く時間が長いなら、足首まであるものは立ち上がるときに裾を踏むので、膝から下の空く丈に。寝ている時間が長いなら、足首まである丈のほうが冷えません。
ネグリジェとして売られているものには、レースで透けるものから、綿で肩まで隠れるものまであります。透けるものは下着として作られているので、贈る相手との間柄がそのまま効きます。
親や義理の家族、職場の相手に渡すなら、透けないもの、肩と胸元の隠れるものにします。商品名に「ランジェリー」と付いていたら、その一枚は別の用途のものだと考えます。
上下に分かれた寝間着なら、上着だけ羽織り直して人に会えます。一枚で完結する形では、それができません。着替えるか、上に何か重ねるかの二択になります。
宅配便を受け取る、朝に家族と食卓を囲む、実家に泊まる。そういう場面が想像できる相手には、そのまま玄関に出られる見た目のものが安心です。花柄や、襟の付いたものなら、寝間着に見えすぎません。
上に重ねるものを一緒に渡す手もあります。羽織るものが一枚あれば、寒い朝の廊下でも困りません。ネグリジェだけを渡すと、相手は手持ちの上着と合うかどうかを気にします。色を合わせて選んでおくと、その手間が減ります。
同じ光沢のあるものでも、絹で織ったものと化学繊維で織ったものでは値段が大きく違います。絹は肌に張り付かず、体温をこもらせませんが、洗うのに気を遣います。化学繊維のものは色が鮮やかに出て、洗いにも強く、値段が抑えられます。
はじめて贈るなら、洗える化学繊維のものか、綿のものが無難です。絹は好き嫌いが分かれるうえ、扱いの手間まで一緒に渡すことになります。相手が寝間着にこだわる人だと分かっているときだけ、そちらへ寄せます。
大丈夫です。サイズはMやLといった大まかな刻みです。ゆとりを持たせて着る形なので、普段の服が何号かまで聞き出さなくても選べます。
迷ったときは一つ大きいほうにします。身幅にゆとりがあるほど寝返りで巻き付きにくく、大きいほうへ外れても着られます。小さいほうへ外れると窮屈になるので、そちらには振りません。腹が大きくなる時期の相手なら、なおさら大きめが効きます。
選ぶものによります。レースの透けるものや、胸元の開いたものは、下着として受け取られます。それを意図していないなら、綿やガーゼの、肩の隠れるものにします。
前開きで袖のあるものなら、実用の寝間着として渡せます。出産を控えている、入院が決まっているなど、使う場面がはっきりしているときは、それを言い添えて渡せば、受け取る側も戸惑いません。
決めるのは、前が開くかどうかと、丈と、間柄の三つです。腹を締めないという性質はどれにも共通するので、そこから先は相手の体と場面で絞っていきます。
出産を控えている相手、入院が決まっている相手には、前開きで袖のあるもの。留め具が首元から並んでいれば、抱いたまま前を開けられます。綿やガーゼなら、病室の乾いた空気でも肌に障りません。
年配の親へ贈るなら、合わせがボタンか面ファスナーで留まるものを。日中も起きて動く相手には膝から下の空く丈、床にいる時間が長い相手には足首までの丈が合います。透けるものや胸元の開いたものは間柄を選ぶので、迷ったら肩の隠れるほうへ寄せます。
寝るあいだ着ているのか、着替えるまでのあいだ羽織るのかで、選ぶものが変わります。
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