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寸法を外しても着けてもらえます。首に巻いても、肩に羽織っても、膝に掛けても使える。相手の体つきを聞かずに渡せるのが、この一枚の強みです。
分かれ目は、素材の名前が本物かどうか。商品名には「リネン100%」「シルク」のように中身を名乗るものと、「カシミヤタッチ」「シルク調」のように肌触りだけを似せたものが、同じ言葉づかいで並びます。
そしてこのジャンルは、冬の防寒具ではありません。日ざしと冷房から身を守る薄い一枚として選ばれています。首まわりを暖める厚みは、ここには求められていません。
商品名に並ぶのは「リネン100%」「麻」「コットン」「綿」「ガーゼ」「シルク」。そしてもう一方に「カシミヤタッチ」「シルクタッチ」「ウールたっち」「シルク調」。同じ場所に、同じ調子で書かれています。
カシミヤタッチはカシミヤではありません。カシミヤのような肌触りを指す言い方で、中身はポリエステルなどの化学繊維です。シルクタッチ、シルク調も同じ読み方になります。
値段が離れているのは、本物か、似せたものかの違いです。触った感じを再現する技術は進んでいるので、手に取ったときの差は小さい。ただし「カシミヤをもらった」と思ってもらえるかは別です。
改まった相手へ渡すなら、素材の名前が中身を名乗っているもの。普段使いの一枚として渡すなら、「〜タッチ」でも困りません。
商品名だけでは決められません。「シルクタッチ」と書かれていても、素材の欄には何が何パーセント入っているかが並びます。
「シルク100%」なのか、「ポリエステル100%」なのか。ここを一度見れば、「〜タッチ」かどうかで迷う必要はなくなります。商品名の「上質」「高級」といった語は、素材の中身とは関係なく付けられます。
リネンは亜麻から作る糸です。シャリっとした手触りと、乾きの早さが持ち味。シワになりやすいのですが、そのシワを味として出す作りもあります。商品名では「リネン100%」と混紡が書き分けられます。
コットンは綿。汗をよく吸って、肌当たりがやわらかい。ガーゼは、そのコットンを目の粗い織りにしたもので、通気がよく、吸った汗を早く逃がします。タオルの産地として知られる今治の名前が付いたものもあり、産地の名前がそのまま説明になります。
シルクは改まった場に向きます。光の返し方がほかの糸と違うので、カジュアルな一枚とは顔つきが変わります。そのかわり家庭で洗えるものは限られます。「手洗いできる」「洗える」と書き添えられるのは、綿やガーゼのものが中心です。
接触冷感は、触れたときにひんやり感じることを指します。糸そのものの性質による場合と、仕上げによる場合があります。夏に使う綿やガーゼのものに付きやすい語です。
ワッシャー加工は、生地をあらかじめくしゃっとさせて、細かいシワをつけた仕上げです。畳みジワが目立たなくなるので、カバンに入れて持ち歩く相手には向きます。
商品名に並ぶのは「UVカット」「紫外線対策」「日焼け防止」「冷房対策」「接触冷感」「ひんやり」。冬の防寒具として探すと、並んでいるものとかみ合いません。
一つは後加工。生地の表面に紫外線を防ぐ薬品を塗ったもので、安く作れます。そのかわり洗ううちに成分が落ちて、効き目が薄れていきます。
もう一つは繊維加工。糸そのものに紫外線を防ぐ働きがあるので、洗っても効き目が続きます。
商品名からは、どちらなのか読めません。「洗える」「手洗いできる」と書かれていても、それは洗濯機や手洗いに耐えるという話です。毎年の夏に使ってほしいなら、商品ページで加工の説明まで見にいくことになります。
黒や暗い色は紫外線を通しにくく、白や明るい色は通しやすい。加工が無くても、色だけでこの差が出ます。もちろん生地の厚みや織りの詰まり方でも変わるので、色だけで決まるわけではありません。
そのかわり、暗い色は光を吸って熱がこもります。明るい色は反射するので、熱がこもりにくい。同じ形で明るい色と暗い色の両方を用意する売り方が多いので、そこは選べます。
日焼けを気にしている相手なら濃いほう、暑がりの相手なら明るいほう。どちらも当てはまる相手なら、濃い色で、織りの薄いものを探すことになります。
「冷房対策」と書かれたものは、肩から羽織れる大きさで作られています。首に巻くだけの細いものでは、腕が出たままになるからです。
職場の冷房が強い相手、電車で移動の長い相手。この使い方なら、鞄に入れて持ち歩いてもらうことになります。羽織れる大きさがあって、なおかつ薄い。この二つを両方満たすのが、ガーゼや麻の薄手のものです。
商品名に「年中使える」「オールシーズン」と書き添えられたものがあります。ガーゼや綿の薄手のものに付く語です。
夏は日よけと冷房よけ、春秋は肌寒いときの一枚。季節を限らずに渡したいなら、この書き方のあるものが向きます。
ストール、マフラー、ショール、スカーフ。この四つの語が、同じ商品名の中に一緒に出てくることがあります。呼び分けの決まりは、実際の商品名ではそこまで厳密ではありません。
ストールは幅60センチから70センチ、長さ180センチ以上というのが一つの目安です。マフラーはそれより細くて短く、幅30センチから50センチ、長さは180センチまで。ストールのほうが幅広く、生地が薄いとされます。
ただし、幅35センチほどの細いものもストールとして売られます。目安どおりの呼び分けにはなっていません。名前で絞り込むのは、はじめから諦めておくほうが早く進みます。
ショールは大判の正方形か三角形が基本で、肩を覆うための形です。縦横100センチ以上というのが目安とされます。改まった場で使われるのもこちらです。
商品名に「正方形」「大判スカーフ」と書かれたものがあります。首に巻く形ではなく、肩に掛ける形として渡すなら、正方形と書いてあるものを探します。
「大判」はほとんどの商品名に付いています。幅の狭いものにも付きます。この語では、大きさの見当が付きません。
縦横のセンチが商品名に書かれているものは、ごくわずかです。ただし商品ページの寸法の欄には出ています。肩から羽織ってほしいのか、首に巻くだけでいいのか。そこが決まっているなら、商品名ではなく寸法の欄のほうを見にいきます。
商品名に「着物用」と書かれたものがあります。正方形の大判で、和装のときに肩へ掛ける使い方です。
着物を着る機会のある相手なら、この一枚は使い道がはっきりします。洋装にも回せる柄を選んでおくと、出番がさらに増えます。
商品名に「結婚式」「成人式」「フォーマル」「お呼ばれ」と書かれたものがあります。「二の腕カバー」と添えられているのは、袖の無いドレスの腕を隠す使い方のこと。改まった場で使ってもらうつもりなら、選ぶ物差しが変わります。
毛皮や、動物の柄は、殺生を連想させるとして結婚式では外されます。馬や鳥を描いた柄はこの一枚でもよく見かけますが、改まった場に着けていくものからは外しておくほうが確かです。
フェイクファーは、二次会や夜の式なら認められることもあるとされます。ただし渡す時点で、相手がどの席に出るかまでは分かりません。式に着けてもらう前提なら、はじめから選ばないほうが迷いません。
改まった場では、オーガンジーやシフォンのような、透けて華やかな素材が合うとされます。コットンや太い毛糸で織られたものは、カジュアルに寄りすぎます。
「結婚式」をうたうものは、無地で作られるのが基本です。柄で主張しないのが、この場面の作法になっています。
全身が白く見える組み合わせは避けます。羽織りものだけなら白でも構わないとする考え方もありますが、渡す側からは、相手が当日どんなドレスを着るか読めません。
黒も同じで、ドレスが黒なら黒を重ねない。全身が黒に寄ると、おめでたい席には向きません。同じ形で色を選べるものが多いので、その中からベージュやグレーのような、どちらにも寄らない色を取ります。
式のためだけの一枚を渡すと、出番はその日だけになります。無地で、色の穏やかなものを選んでおけば、改まった場にも、普段の冷房よけにも回せます。
無地のショールは、そこを狙って作られています。式に出る予定が決まっている相手でも、普段も使える形を選ぶほうが、結局は長く使われます。
ベージュ、グレー、生成りのあたりなら、相手の服を選びません。
柄は好みがはっきり出ます。ペイズリー、バンダナ、花、チェックとよく見かけますが、相手が柄物を身につけているのを見たことがないなら、無地にしておくほうが外しません。同じ形で色を選べるものが多いので、色は最後に決められます。
渡せますが、選ぶものが変わります。女性向けとして売られるものは幅の広い大判が多く、羽織る前提の作りです。男性が首に巻くには、幅が余ります。
細身と書かれたものか、正方形ではない長いもの。そこから無地で色の落ち着いたものを選ぶと、男女を分けずに使えます。
寸法で外さない贈り物です。相手が首に使うか肩に使うかを自分で決められるので、体つきを知らなくても渡せます。身につけるものの中では珍しいところです。
そのかわり、商品名の言葉づかいが紛らわしい。カシミヤタッチはカシミヤではなく、「大判」は幅の狭いものにも付き、「洗える」と書いてあっても日よけの効き目まで続くとは限りません。どれも商品ページの素材の欄と寸法の欄を見れば分かることです。
季節の見当も、思っているのと逆かもしれません。厚い防寒具ではなく、薄い日よけが中心です。「年中使える」と書かれたものなら、渡す時期を選びません。
すでに何枚か持っている相手でも、使い道をずらせば重なりません。手持ちが冬のものばかりなら、夏に使う一枚が空いています。巻いて形を作るのに慣れていない相手なら、掛けるだけで済む大判へ。
結婚式に着けてもらうなら、ファーとアニマル柄を外し、白にも黒にも寄らない無地を。母の日に渡すなら、そこから夏へ続く薄手の一枚を。着物を着る相手なら、正方形の大判を。相手が来年の夏に何をしているかを思い浮かべてから、見くらべてみてください。
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