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ポット型浄水器は、贈った相手が水を飲むたびに使います。水筒に移す朝、料理に使う夕方、寝る前の一杯。一日のうちに何度も手が伸びるので、台所に置かれたまま出番が続きます。蛇口に付ける工事も、電源の場所を空ける手間も要りません。
選ぶときにまず決まるのは大きさです。ただし、商品名に並ぶ数字は二つあって、そのうち一つだけが飲める量を表しています。ここを取り違えると、届いてから飲める量が足りません。
大きさが決まったら、次は中に入れるカートリッジです。本体を渡すと、そのあと交換を買い続けてもらうことになるという点も、渡す前に考えておくところです。
商品名に「ろ過水容量1.15L(全容量2.2L)」のように、二つの数字が並びます。この二つは同じものを別の言い方にしたのではなく、測っている場所が違います。
ポットは上下に分かれていて、上に水道水を入れると、フィルターを通って下にたまるという作りです。全容量は、ポット全体の大きさ。ろ過水容量は、上の部分に一度に入れられる量です。入れた水はそのまま下へ落ちるので、この数字が一度にろ過して飲める量になります。
目安は、ろ過水容量0.8リットルから1.2リットルで一人か二人、1.5リットル以上で三人以上の家。ここを全容量のほうで読むと、飲める量を倍近く多く見積もります。2.4リットルと書いてあるから家族四人ぶん足りる、と思って渡しても、実際に出るのは1.2リットルほどです。
浄水器の性能をどう測るかは、日本の工業規格で決められています。そこに13項目が並んでいて、水道水に残った塩素、濁り、鉛といったものが入っています。
表示には、物質ごとに三つのことが添えられます。何リットルろ過できるか。除去率が80パーセントを下回るのはどこか。その規格の方法で測ったかどうか。二つ目が指しているのは、その物質の8割を取り除ける状態をどこまで保てるか。そこへ届くまでに通せる量が、一つ目の数字です。カートリッジの寿命は、いちばん先に落ちる物質に合わせて決まります。
商品名に「24項目除去」と出ているものがあります。これは、13項目に独自の試験で足した数字です。数が多いほど広く見えますが、足された分が何なのかは商品ごとに違うので、数の大小だけを比べても中身は分かりません。
PFASは、フッ素と有機物が結びついた物質をまとめた呼び方です。1万種類以上あるとされ、そのうちPFOSとPFOAの名前がよく挙がります。
日本では近年、この二つが水質管理目標設定項目という枠に置かれました。水道水の中で目標値を決めて見ていく項目、という位置づけです。先ほどの13項目には入っていません。
「PFAS除去」と書かれているものは、規格の外で独自に試験した結果を出しているということです。見分けたいなら、13項目のうちどれを試験した数字なのか、それとは別に書かれた項目があるのかを、表示の並びで確かめることになります。同じ「除去」という言葉でも、拠って立つところが違います。
中に入れるカートリッジは消耗品です。交換の目安は、早ければふた月ほど、長い製品でもその三倍あたり。一年のうちに二度から六度、買い足す機会が来ます。
期間だけでなく、使った水の量でも決まります。100リットルを通したところ、150リットルごと、という基準が置かれています。家族の人数が多い家では、同じ期間でも早く来ます。断水や水道の工事があったあとも、目安より早まります。
替えが手に入りやすい規格かどうかが、ここで効いてきます。近所の店に並んでいるもの、通信販売で切らさず買えるもの。珍しい規格の本体を渡すと、替えを探すところから始まります。本体の値段より、替えの手に入りやすさのほうを先に見ておくと外しません。
商品名に「カートリッジ2個付」と書かれているものがあります。買ってすぐの分と、次の分が入っている形です。
これは親切な作りですが、先送りであって、無くなるわけではありません。付いてきた分が切れた日から、相手の買い物になります。付属の数が多いほど、その日が先に延びるというだけです。
贈り物としては、ここが最初の関門になります。渡した瞬間から相手の出費が確定する道具は、ほかの台所用品には多くありません。付属の数と替えの値段は、渡す前に見ておく側の材料になります。
消耗品が要る道具は、相手の性分によって向き不向きが出ます。期限が来たら替える、無くなる前に注文しておく。それを苦にしない人と、後回しにする人がいます。
後回しにする相手のところでは、替えないまま使い続ける形になります。そうなると、浄水器としての役目は落ちていきます。せっかく渡したものが、ただの水差しとして台所に残ります。
同じ台所のものでも、電気ケトルや水筒は買い足しが要りません。買い足しが続く道具を渡すかどうかは、相手がそういう手間を引き受ける人かどうかで分かれます。ここは値段でも大きさでもなく、相手の暮らし方の側から決まるところです。
冷やして飲みたい相手は、ポットを冷蔵庫に入れます。ここで効いてくるのがドアポケットの幅です。細身に作られたもの、取っ手が張り出さない形のものが並ぶのは、そこへ収めるためです。
ただし、細さを取ると容量が犠牲になります。ドアポケットに入る細さのものは、ろ過水容量が1.1リットル前後で頭打ちです。一人か二人なら足りますが、来客のある日や、まとめて水筒に移す日には足りません。
細くて大容量、というものが無いのがこのジャンルです。冷蔵庫に入れて冷やす前提なら細いほう、台所に出したまま使う前提なら大きいほう。どちらの置き方をする相手かが分かれば、候補の半分が先に落ちます。
毎日使うものなので、洗う手間がそのまま出番の数になります。見るところは三つ。ふたの口が広いか、分解できるか、部品が少ないか。
口が狭いと、中に手が入りません。分解できないと、水のたまる部分まで洗えません。部品が多いと、洗って乾かして組み直す工程が毎回増えます。洗いにくいと感じた道具は、そのうち使われなくなります。
商品ページでは、ふたのまわりの作りと、洗い方の説明を見ておくと確かです。中身の性能ばかり比べていると、ここが抜けます。渡した相手が毎日触る部分は、除去の項目数ではなく、ふたの開け方のほうです。
本体には、プラスチックのものとガラスのものがあります。
プラスチックは軽く、落としても割れません。冷蔵庫から出し入れする回数が多い家、子どもが自分で注ぐ家には、こちらが向きます。ガラスは重く、割れる心配も付いてきます。
そのかわり、ガラスは贈り物としての形になります。台所の隅に置くものではなく、食卓に出すものとして渡せるからです。相手の台所を思い浮かべて、しまわれる場所に置かれるのか、人の目に触れる場所に置かれるのかで決まります。
水を通すという役目は重なります。そのうえで、ポット型にしかできないことが二つあります。
一つは、冷やしておけること。蛇口に付いたものは、出てくる水がその時の水道の温度です。ポットなら冷蔵庫に入れておけるので、注いだ瞬間に冷たい水が出ます。夏に麦茶を作らない家、氷を入れずに飲みたい人には、この差が毎日出ます。
もう一つは、動かせること。卓上に持っていける、来客のときに食卓へ出せる、別の部屋にも運べる。蛇口に付いたものは、その蛇口の前でしか使えません。
この二つが要らない相手なら、渡しても置き場所が増えるだけになります。気になるなら、渡す前に「浄水器を使っているか」と聞くのがいちばん早道です。聞けない間柄なら、水そのものではなく、沸かす道具や持ち歩く道具のほうへ寄せるという手もあります。
一度に飲める量はどれだけか、相手が買い足しを続ける人か、冷蔵庫に入れるか台所に出すか。そこに、表示の読み方と洗いやすさが乗ってきます。
商品名に並ぶ二つの数字のうち、飲める量を表しているのは「ろ過水容量」のほうです。上に入れた水がそのまま下へ落ちる作りなので、全容量にはまだろ過していない水も含まれています。全容量で読むと、量を倍近く多く見積もります。
除去の項目は、日本の工業規格で13項目と決まったものが土台にあります。「24項目」のような数字は、そこへ独自の試験で足したもの。PFASも規格の外にある項目です。同じ「除去」という言葉でも、規格の中を測ったのか外を測ったのかで意味が違います。
カートリッジは年に二度から六度の買い足しになります。付属の数が多くても、その日が先に延びるだけです。替えを切らさず買える規格かどうかが、渡したあとの続き方を決めます。
冷蔵庫のドアポケットに入る細さと、たっぷり飲める容量は両立しません。冷やす前提なら細いほう、出したまま使う前提なら大きいほうで、置き方が決まれば候補の半分が落ちます。洗いやすさは、ふたの口の広さと分解できるかと部品の数で決まります。
一人暮らしを始めた相手には、ドアポケットに入る細身のものを。家族の多い家には、台所に出したまま使う大きめのものを。買い足しを面倒がる相手には、替えが近所でも手に入る規格のものを。食卓に出す一台として渡すなら、ガラスのものが、置いたときにいちばん収まります。
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