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手形は、その日の手の大きさでしか押せません。赤ちゃん筆も、そのとき切った髪でしか作れません。贈り物としてこれを渡すのは、作れなくなる前に道具を先に届けておくということです。
最初の分かれ目は、いつ使うものかです。生まれてすぐのものから、五歳を過ぎてから出番の来るものまでが、同じ「記念品」として並んでいます。渡す日と、使う日が何年も離れているものが混ざっています。
命名書は、生後七日のお七夜に合わせて使われます。名前をお披露目する日なので、その日までに手元にあることが前提の紙です。
手形と足形は、押した日の手の大きさがそのまま残ります。新生児の手は握ったままのことが多いので、開いてくれる日を家が選ぶことになります。だから道具は、生まれてすぐ手元にあったほうが動きやすくなります。
初めて切った髪で作る筆があります。切った髪の長さが5センチ前後は要るので、そこまで伸びるのを待つことになります。いちばん小さい筆なら3センチ以上、束ねたときの太さは直径5ミリ以上が目安です。
作れるようになるのは、生後六か月から一歳ごろが多いところ。ただし髪の伸び方の差が大きいので、三歳ごろまで待つ家もあります。
注文するのは、髪を切る前になります。作る店は余裕を見て長めに切るので、切ったあとの髪型は、思っていたより短くなります。そこを知らずに美容室で切ってしまうと、筆にする髪が残りません。
一升のもち米で作った餅を、1歳の誕生日に背負わせる行事があります。一升は約1.8キロ。餅にすると2キロほどになります。「一升」に「一生」を掛けて、一生食べ物に困らないようにという意味が込められています。
餅の代わりに、一升分の米を小分けにした「一升米」も並んでいます。餅は2キロを食べきるのが大変ですが、米なら袋のまま置いておけます。
同じ日に「選び取り」をする家もあります。そろばんや電卓、楽器、ボール、お金、筆を並べて、赤ちゃんがどれを取るかで将来を占う行事です。品物の代わりに絵を描いたカードが、一升餅と組になって売られています。
乳歯が抜け始めるのは五歳前後です。十二歳ごろまでかけて、全部が永久歯に入れ替わります。つまり出産の祝いに乳歯ケースを渡すと、家がその箱を開けるのは何年も先になります。
桐で作られたものが多いのは、桐が湿気を調整する木だからです。高温多湿の日本で、何年も置くものを入れるのに向いています。
抜けた歯は、そのまま入れるとカビます。消毒して、風通しのよいところでよく乾かしてから入れるものです。そこまで込みの道具だと分かっていれば、渡すときにその一言を添えられます。
赤ちゃんの手も足も、日ごとに大きくなります。初めて切った髪も、切ってしまえば二度目はありません。あとから思い立っても、同じものは作れません。
乳歯ケースや、写真を収めるものは違います。中身があとから出てくるので、入れ物は必要になってから選んでも遅くありません。
贈り物として効くのは、体から取るもののほうです。作れなくなる前に道具を届けておくことになるからです。入れ物のほうは、必要になった家が自分で選べます。
一升餅も、お七夜の命名書も、その日一日のためのものです。日が決まっているので、その日までに届くかどうかがすべてになります。
月ごとに撮るためのカードや、数字を並べる木の飾りは、一年かけて少しずつ使います。渡してから使い終わるまでが長いので、その日に間に合わなくても無駄になりません。
一年続けるものは、月ごとに写真を撮る習慣のある家でだけ、最後まで使われます。相手の家が記録をこまめに残す家かどうかで、どちらが向くかが分かれます。
名入れができるものが多く並んでいます。その子のものとして残るかわりに、下の子には回せません。
きょうだいのいる家では、上の子に名入れのものを渡したなら、下の子にも同じように用意することになります。上の子と同じ形式でそろえたいのか、下の子には違うものにしたいのか。そこは家の考え方なので、聞ける相手なら聞いてしまうのがいちばん確かです。
写真に写り込む道具があります。月齢のカード、数字を並べる木の飾り、背景に置く布。渡すということは、その撮り方を勧めるということになります。
すでに自分の撮り方を持っている家では、使われないまま残ることがあります。これから撮り始める家、一人目の家なら、道具があることで撮る回数が増えます。相手がどちらに近いかで、渡すかどうかが決まります。
出産の祝いは、生まれてすぐに渡します。そのとき手元にあると動きやすいのは、生後七日で使う命名書と、押せる日が来たら使える手形足形の道具です。
一升餅や乳歯ケースは、渡しても出番が一年先、数年先になります。それでも渡すなら、いつ使うものかを一言添えると、しまっておく理由が伝わります。
一歳の祝いに呼ばれる立場なら、一升餅か一升米が場面に合います。その日に使うものなので、渡してすぐ役に立ちます。
選び取りのカードが付いたものなら、行事が一つ増えます。家が知らない行事かもしれないので、やるかどうかは家に任せる渡し方にしておくと、押し付けになりません。
乳歯を入れる箱は、歯が入ったあとも何年か棚に残ります。小さいほど場所を取りませんが、小さすぎると、あとで何の箱なのか分からなくなります。
名前と日付を書ける面があるものなら、そこは解けます。桐の箱は、書いた文字がそのまま残ります。開ける機会が少ないものほど、外側に書けるかどうかが効いてきます。
記念品は、渡す場面が改まっていることが多いものです。出産の祝い、一歳の祝い、内祝いのお返し。箱に入った状態で送られてくるものなら、そのまま手渡せます。
紙のもの、カードのものは、それだけだと見劣りします。ほかの品に添える一枚として渡すか、枠や台紙と組になったものを選ぶと、渡したときの体裁が整います。
なりません。乳歯ケースのように、要ると分かってから買うと出遅れるものがあります。歯がぐらぐらしてから探し始めると、抜けた日に入れる場所がありません。
そのうえで、渡すときに何年か先のものだと添えると、しまう理由がはっきりします。箱の外に名前と日付を書ける面があるものなら、しまい込んでも中身を思い出せます。
道具は重なりますが、残るものは別になります。手形も足形も、押した日の手の大きさがそのまま残るものです。生後ひと月の手と、一歳の手は違う大きさなので、二度目に押す価値があります。
そのうえで道具まで重ねたくないなら、残す形のほうを変えるという手があります。紙に押すものを持っているなら、枠に入れて飾れるものや、立体に起こすものへ。家に何が並んでいるかが分かっていれば、そこから選べます。
メモリアルの品は、いつ使うものか・今しか作れないものか・渡す場面の三つで決まり、最後に置き場所で絞ります。命名書は生後七日のお七夜、手形足形の道具は押せる日が来たとき、赤ちゃん筆は髪が5センチ前後に伸びてから、一升餅は1歳の誕生日、乳歯ケースは四、五歳から。同じ「記念品」でも、出番の来る日が何年も離れています。
体から取るものは、その時期を過ぎると作れません。手形も、初めて切った髪も、あとから思い立っても同じものにはなりません。入れ物のほうは、中身が出てきてから選んでも遅くありません。
出産の祝いで渡すなら、生後七日に使う命名書か、押せる日を待てる手形の道具を。一歳の祝いに呼ばれているなら、その日に背負わせる一升餅か一升米を。何年も先に効くものを渡すなら、名前と日付を書ける桐の箱が、しまい込んでも中身を思い出させてくれます。
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