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日本茶は、飲めばなくなります。棚に増えていくものではないので、家に同じものがあっても困りません。毎日湯を沸かす人なら、いくらあっても切らさずに済みます。
自分で買うときは、いつもの一袋に手が伸びます。値段も味も分かっているものを選ぶので、産地の違うものや、その年の最初に摘んだ茶までは回ってきません。もらってはじめて、いつもと違う一杯になります。
選ぶときに最初に決まるのは、急須で淹れるか、湯に入れるだけかです。茶葉、ティーバッグ、湯に溶かす粉。相手の台所に急須があるかどうかで、そこが分かれます。
商品名には「深蒸し」「一番茶」「くき茶」といった言葉が並びます。どれも作り方か摘み方の違いを指していて、そこが味と値段に出ます。
煎茶は、摘んだ葉を蒸してから乾かして作ります。この最初の蒸す時間を、普通の煎茶の二倍から三倍にしたものが深蒸し茶です。静岡の牧之原で生まれた作り方で、その土地の茶に残る渋みをやわらげるために始まりました。
長く蒸すと茶葉がもろくなり、細かく砕けます。その粉が湯に混ざるので、濁った濃い緑色になります。急須の網目から粉が抜けるため、目の細かい急須のほうが合います。
短い時間でも濃く出るのも、この作り方の特徴です。湯を注いですぐに色が出るので、朝の忙しい時間に淹れる相手や、渋みの苦手な相手に渡せます。
一番茶は、四月の下旬から五月の上旬に摘む、その年の最初の茶です。新茶と呼ばれるのも同じものを指します。冬のあいだ養分をためた葉なので、苦みと渋みが少なく、旨みの元になる成分が多く含まれます。
二番茶は六月の下旬から七月の上旬に摘みます。日差しを浴びて育つぶん渋みが強く、さっぱりした味になります。値段も一番茶より下がるので、たくさん飲む家にはこちらが合います。
商品名に「一番茶使用」「新茶」と書かれていれば、その年の最初に摘んだ茶です。同じ産地の同じ茶葉でも、この一言があるものは値段が上がります。渡す相手が茶をよく飲む人なら、この違いは飲んで分かります。
くき茶は、煎茶や玉露を仕上げるときに選り分けた茎を集めたものです。葉ではなく茎なので、渋みが出にくく、さわやかな香りと甘みがあります。くせが少ないので、濃い茶が苦手な相手にも渡せます。
ぐり茶は、茶葉の形を整える工程を通さずに作ったものです。葉が丸まったままの形をしていて、伊豆ではこの名前で呼ばれています。
抹茶は、茶葉を石臼などで挽いて粉にしたものです。湯に溶かして飲むほか、菓子や料理にも使えます。
番茶と呼ばれるものの中には、茶葉を発酵させて作る地方の茶もあります。緑茶とは味の系統が変わるので、いつもの茶に飽きている相手や、珍しいものを面白がる相手に当てられます。
同じ茶でも、袋入りの茶葉、ティーバッグ、湯に溶かす粉と、三つの形で売られています。どれを渡せるかは、相手が普段どう飲んでいるかによります。
袋に入った茶葉は、急須で淹れる前提のものです。湯の温度や蒸らす時間で味を変えられるので、淹れること自体を楽しむ相手に合います。
急須を持っていない家に渡すと、封を切らないまま置かれます。若い世代の家や、一人暮らしの相手だと、湯を沸かす道具はあっても急須はないことがあります。相手の台所を思い出せないなら、茶葉以外のほうが安全です。
飲んだあとに茶殻が出ることも、渡す前に考えられます。毎日淹れる人には何でもない手間ですが、たまにしか淹れない人には、これが遠のく理由になります。
湯呑みに入れて湯を注ぐだけなので、急須がなくても飲めます。職場に持って行く人や、一杯だけ淹れたい人にも合います。
袋ごとに量が決まっているので、濃さも一定になります。淹れ方の知識が要らないぶん、茶に詳しくない相手にも渡せます。水に入れて冷たい茶にできるものもあり、夏に渡すならそちらを選べます。
一つずつ包まれたものなら、職場の引き出しに置いておけます。まとめて袋に入っているものは、一袋あたりが安くなるかわりに、開けたら早く飲みきることになります。家で毎日飲む人ならこちらです。
湯にも水にも溶ける粉末の茶は、茶殻が出ません。急須も茶こしも要らず、湯呑みに入れて注ぐだけで終わります。捨てるものが出ないので、洗い物を増やしたくない相手に合います。
スティックに小分けされたものなら、持ち歩いて職場でも飲めます。大袋のものは、料理や菓子に使う人向けです。
抹茶も湯に溶かす形ですが、そのまま飲むだけでなく、牛乳に混ぜたり菓子に使ったりできます。お菓子を作る相手なら、飲むためではなく材料として渡す道もあります。相手がどちらで使うかで、量の選び方も変わります。
茶は封を切ってからが早いものです。たくさん渡すほど、後半は香りの落ちたものを飲ませることになります。
封を切らないままなら、六か月から一年ほど持ちます。ところが開けたあとは、湿気を吸って香りから落ちていきます。目安は夏で二週間、冬で一か月ほどです。
毎日一度は茶の時間を持つ人なら、50から100グラム入りが飲みきりやすい量になります。100グラムの袋が三つ束ねてあるものが並ぶのは、一袋ずつ開けていけば最後まで香りが残るからです。
大袋を一つ渡すより、小分けになっているもののほうが、最後の一杯まで味が変わりません。渡す相手が一人暮らしなら、なおさら小分けのほうが収まります。
新茶が出るのは五月の連休のころです。その年の最初の茶なので、この時期だけは新茶を渡せます。母の日と重なるので、そこに合わせる人もいます。
夏には、水に入れて出せるものが生きます。冷たい茶を作り置きする家なら、水出しと書かれたものやティーバッグから選べます。
寒くなってからは、濃く出る深蒸しや、香ばしい茶が合います。年末や年始の挨拶に渡すなら、この時期に飲みたくなるものを選べます。
静岡、鹿児島、伊豆、宇治。日本茶には産地の名前が付いていることが多く、その土地で作られてきた作り方が名前と一緒に付いてきます。
静岡の牧之原なら深蒸し、伊豆ならぐり茶、というように、地名から作り方の見当が付きます。相手がいつも飲んでいる茶の産地が分かるなら、そこと違う土地のものを選ぶと、飲み比べになります。
土地に縁のある相手なら、それだけで渡す理由が付きます。生まれた土地、住んだことのある土地、旅行で行った土地。産地の名前が相手のどこかに引っかかるなら、味の説明より先にその話ができます。
コーヒーや紅茶が中心の家でも、緑茶が一度も出ない家は多くありません。来客のとき、食事のあと、和菓子をもらったとき。飲む機会そのものはあるので、問題は淹れる手間のほうです。
その場合はティーバッグか粉末が向きます。急須を出さずに一杯だけ作れるので、月に何度かしか飲まない家でも、そのたびに使えます。茶葉を渡すと、急須を出すところから始まるので、封を切らないまま置かれることがあります。
もう一つの手は、飲む以外にも使えるものを選ぶことです。抹茶なら牛乳に混ぜても菓子に入れても使えますし、粉末の緑茶は料理にも回せます。緑茶を毎日飲む人でなくても、台所で減っていきます。
急須で淹れるか湯に入れるだけか、どの作り方の茶か、飲みきれる量か。この三つで、渡す一つに絞れます。
深蒸し茶は蒸す時間が普通の煎茶の二倍から三倍で、渋みがやわらぎ、短い時間でも濃く出ます。茶葉が細かく砕けるので、湯の色は濁った濃い緑になります。朝の忙しい相手や、渋みの苦手な相手に向きます。
摘む時期でも分かれます。一番茶は四月下旬から五月上旬に摘むその年の最初の茶で、苦みが少なく旨みが強いぶん、値段も上がります。二番茶は六月下旬から七月上旬で、渋みが立つかわりに安くなります。茎を集めたくき茶は渋みが出にくく、濃い茶が苦手な相手にも渡せます。
形は、茶葉が急須のある家、ティーバッグが道具の要らない家、粉末が茶殻を出したくない家。相手の台所に急須があるかどうかが、いちばん大きい分かれ目です。
量は、封を切ってから夏で二週間、冬で一か月が目安。毎日飲む人で50から100グラムが飲みきれる量なので、大袋を一つより、小分けの袋が束ねてあるもののほうが最後まで香りが残ります。
毎日急須で淹れる相手には、五月に出る新茶を。急須のない一人暮らしの相手には、一つずつ包まれたティーバッグを。お菓子を作る相手には、飲むぶんも含めて抹茶の袋を。飲めばなくなるものなので、いつもの一袋と違う産地を選んでも、置き場所には困りません。
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