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腕時計は、身につけているあいだ何度も目に入ります。渡した相手が一日に何度も見るものを贈れるジャンルは、そう多くありません。
先に決まるのは中身のしくみで、そのあとが腕に乗る大きさ、最後にベルトの素材です。とくに最初のしくみで、渡したあとに相手の手がどれだけかかるかが変わります。
腕時計の中身をムーブメントと呼びます。ゼンマイで動く機械式と、電気で動くクオーツ式に分かれ、クオーツ式のほうはさらに電池・光・電波で枝分かれします。
機械式はゼンマイをほどく力で歯車を回します。電池が要らないかわりに、一日に5秒から10秒ほど進んだり遅れたりします。
手で竜頭を回して巻く手巻きと、腕を動かすとローターが回って自動でゼンマイが巻かれる自動巻きがあります。自動巻きは使わない日が続くと止まって、また時刻合わせから始まります。毎日つける相手なら気になりませんが、月に何回かという相手には向きません。
クオーツ式は水晶に電圧をかけたときの振動を使って針を進めます。ずれはひと月で20秒ほど。機械式が二日から四日でためるぶんを、ひと月かけてためる計算です。
作りが単純で量産できるぶん、値段も抑えられます。かわりに数年ごとに電池交換があり、切れた時計が引き出しに入ったままになることがあります。
ソーラーは文字盤に当たった光で発電するので、電池交換に持ち込まずに済みます。蛍光灯の光でも充電されるため、日ごろ身につけているぶんには止まりにくくなります。
電波式は、時刻を知らせる電波を受け取って自分で針を合わせます。ただし電波は鉄筋の建物の中などでは届かないことがあり、どこにいても必ず合うわけではありません。光と電波の両方を備えたものなら、渡したあとに相手がすることはほとんど残りません。腕時計に手をかけたくない相手には、この組み合わせが合います。
文字盤を覆うガラスを風防と呼びます。ミネラルガラスと呼ばれる一般的なガラスは軽く安く作れますが、鍵やドアの縁に当てると傷が残ります。
サファイアガラスは酸化アルミニウムから作られたもので、硬く傷に強い代わりに、削り出すのに手間がかかって値段が上がります。似た見た目の二本が違う値段で並んでいるときは、ここが分かれ目になっていることがあります。
時計の丸い本体をケースと呼び、その直径をケース径といいます。男性向けはおおむね36ミリから45ミリの幅に収まります。ここを外すと、気に入ってもらえても腕の上で落ち着いて見えません。
成人男性の腕周りは16センチから18センチほど。腕周り15センチから16センチならケース径36ミリから39ミリ、16センチから17センチなら38ミリから41ミリ、17センチから18センチなら40ミリから43ミリが目安とされています。
贈る相手の腕周りは、たいてい分かりません。分からないときは38ミリから40ミリのあたり。細い腕の目安と太めの腕の目安が、ちょうどこの幅で重なります。
腕周り16センチ前後の人が両方をつけ比べると、38ミリは落ち着いて上品に、40ミリは適度な存在感が出るという分かれ方をします。数字の差は2ミリですが、腕の上では見た目がはっきり変わります。
スーツで人と会う仕事の相手なら38ミリ、休みの日に使ってもらうことを考えるなら40ミリ。どちらの場面もあるなら、その真ん中の39ミリ前後が落としどころです。
直径だけでなく、厚みも見ておく必要があります。厚い時計はワイシャツの袖口に引っかかり、袖を通すたびに手で引き上げる一手間が増えます。
機械式や、たくさんの機能を積んだものは厚くなりがちです。スーツで毎日使ってもらうつもりなら、薄いほうが結果的に出番が増えます。
文字盤で時刻の位置を示す印をインデックスと呼びます。数字を置いたものと、棒や点だけを置いたものに分かれます。
数字が並んでいるほうが、ぱっと見て何時か分かります。運動用に作られたものに数字が多いのは、そのためです。棒や点だけのものはすっきりして見えますが、読むのに一拍かかります。
手元が見えにくくなってきた年代の相手には、白い文字盤に黒い数字のように、地と印の色の差が大きいものを。夜に外で働く相手なら、印そのものに夜光塗料が乗っているかどうかが効いてきます。
ベルトは金属のメタル、革、ナイロン、ゴムのラバーに分かれます。見た目の好みだけでなく、長さの合わせ方が素材ごとに違うので、贈り物ではそこが効いてきます。
金属のベルトは、駒と呼ばれる部品を抜いて長さを合わせます。工具が要るので、買った店か近所の時計店へ持ち込んで詰めてもらうことになります。
水や汗に強く、傷がついても店で磨いてもらえば目立たなくなります。スーツの袖にも収まります。ただ、渡した日は腕の上で泳ぐので、その場でつけて出かけてもらうような場面には向きません。
革のベルトは穴の位置を変えるだけで長さが合います。金属より軽く、腕に沿うのでつけ疲れも出にくくなります。色や質感の幅が広いので、相手の持ち物の雰囲気に寄せられます。
ナイロンとラバーも、同じく穴で合います。どちらも水に強く、ナイロンは洗えます。ただしこの二つはカジュアルに寄るので、仕事で身につけてもらうつもりなら合いません。休みの日や運動のときに使ってもらう一本としてなら合います。
数字の無い「W.R.」だけの表記は日常生活用防水です。手を洗うときや雨に降られる程度は持ちますが、水に浸けることは想定されていません。
数字が付いて「10気圧防水」となると、水深100メートル相当の圧力に、静止した状態で耐えます。プールや海で軽く泳ぐ相手なら、この数字が付いたものへ。仕事で水を使う相手にも、同じ表記が目印になります。
腕時計は使っても減りません。服のように傷んで入れ替わるものではないので、二本目、三本目にも居場所が残ります。掛け替えて使えるのが、他の身につけるものとの違いです。
分けるなら場面です。仕事で使っているものが金属のベルトなら、休みの日用に革やナイロンのものを。逆に、休みの日用の一本しか持っていない相手なら、スーツに合う細身のものが空いています。相手が今つけているものを思い出せるなら、そこから離れた一本を選べば重なりません。
相手が今つけているものが手がかりになります。針のある時計をつけている相手にスマートウォッチを渡すと、毎日の充電と通知の設定から始めることになり、そこで止まる人がいます。
体を動かす習慣があって、走った距離や眠った時間を数えることに興味のある相手なら、スマートウォッチが生きます。そうでないなら、電池や光で動く針のあるもののほうが、渡した日からそのまま使えます。
動くしくみ、腕に乗る大きさ、ベルトの素材。この順に決めると、渡す一本が絞れます。
しくみは、ゼンマイの機械式と、電気で動くクオーツ式。電気のほうは電池・光・電波に分かれます。機械式は使わない日が続くと止まり、電池のものは数年ごとに交換が要ります。光で充電して電波を受けるものだけが、そのどちらもありません。
大きさは、腕周りが分からないなら38ミリから40ミリのあたり。厚みも合わせて見ておくと、ワイシャツの袖口で困らせません。文字盤は、数字が並んだもののほうが読みやすくなります。
ベルトは、メタルなら駒を抜く調整が要り、革やナイロン、ラバーは穴の位置で合います。手渡ししてその場でつけて出かけてもらうつもりなら、後者を選んでおけば待たせません。水に触れる相手には、10気圧防水の表記があるものを。
決められないときは、相手が今つけている一本を思い出してみてください。金属のベルトで毎日仕事に使っているなら、休みの日に合う革のものが空いています。もともと時計をつけない相手なら、光で充電して電波を受けるものが、いちばん引き出しにしまわれずに済みます。
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