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牛タンは、外で食べるものという感じが強い肉です。家で焼くために自分で買う人は、そう多くありません。だから届いた日が、そのまま焼肉の日になります。
最初の分かれ目は、舌のどこを使っているかです。舌は筋肉なので、よく動く先のほうほど硬くなります。タン元、タン中、タン先。名前が、そのまま硬さの順になっています。
もう一つ、切り方です。同じ1キロでも、厚切りなら六人か七人、薄切りなら十人前後。重さだけでは、何人分かが決まりません。
牛タンは一本の中で、場所によって硬さが変わります。舌は筋肉で、よく動く部位ほど食感が硬くなるからです。舌の先はいつも動いているので硬く、根もとはあまり動かないので柔らかい。
根もとから先へ向かって、タン元、タン中、タン先。この三つが硬さの順です。
タン下だけは、少し違います。タン元とタン中の下に付いている部分を指す名前で、上下の位置を言っています。
タン元は、牛タンのなかで最高級とされる部位です。柔らかく、脂の入った霜降りになっているものもあります。「芯たん」「タン芯」と書かれているのも、ここのことです。
一本から取れるのは、4枚から5枚ほど。部位そのものが小さいからです。
厚切りで出されるのは、たいていこのタン元になります。厚切りをうたう商品の値段が上がるのは、取れる量がここで決まっているからです。
タン中は、脂肪が少なく赤身が多い部位です。赤身と脂のつり合いがよく、適度な歯ごたえがあります。タン元ほど柔らかくはないので、薄めに切って焼くのが定番です。
タン先は、脂肪が少なく筋肉が多い。焼くと硬いので、煮込み料理に向きます。
タン下は、硬めで筋が多い赤身です。カレーやシチューのような煮込みにすると柔らかくなります。
同じ一本から取れているのに、焼くところと煮込むところに分かれるということです。
牛一頭から取れるタンは、約1キロ。これが一本の重さです。
「1本まるごと」「ブロック」と書かれた商品は、この一本のことです。四つの部位が全部入っています。
部位を指定した商品は、この一本を切り分けたものです。タン元だけを集めた商品は、何本ぶんかを集めていることになります。タン元は一本から4〜5枚なので、そこに値段が乗ります。
薄切りは2〜3ミリ。焼肉や炒めものに使う厚さです。標準的な焼肉用は5〜8ミリ。厚切りやステーキは10ミリ以上になります。「極厚15mm」のように、ミリの数字が商品名に出ているものもあります。
厚切りに回されるのはタン元なので、厚さの表記は、部位の見当を付ける手がかりにもなります。
同じ100グラムでも、切り方で枚数がまるで違います。
薄切りなら12枚から15枚。焼肉用なら6枚から7枚。厚切りなら2枚から3枚。
厚切りは、皿に乗る枚数が少ない。そのかわり一枚が大きく、噛みごたえがあります。薄切りは枚数が出るので、人数のいる席で行き渡ります。
一人前の目安は、100グラムから200グラムのあいだです。仙台の牛タン焼き定食では、150グラムに置いている店が多い。軽めに出すなら100グラム、たっぷり出すなら200グラムというのが幅になります。
厚切りで一人150グラムなら、1キロで六人か七人。薄切りで一人100グラムなら、十人前後。同じ1キロでも、そこまで動きます。
「500g(3〜4人分)」のように、重さと人数が並んで書かれています。
この人数は、その商品の切り方を前提にした数字です。厚切りの商品と薄切りの商品では、同じ重さでも書かれている人数が違います。
自分の人数に合わせたいなら、割り直します。厚切りなら一人150グラム、薄切りなら一人100グラム。この二つで割れば、書かれている人数に引きずられずに済みます。
「仙台」「宮城」「杜の都」。商品名には、こうした地名が並びます。
ただし、これは牛の産地ではありません。日本で出回っている牛タンの97パーセントは輸入です。仙台の専門店で出しているものも、多くがアメリカ、オーストラリア、ニュージーランド産になります。
理由は二つ重なっています。一つは、一頭あたりの量が少ないこと。もう一つは、国産牛の頭数そのものが多くないこと。この二つで、専門店が毎日使う量には届きません。
では、その地名は何を指しているのか。味付けと切り方の流儀です。
塩をすり込んで寝かせ、厚く切って焼く。この形が仙台で名物になり、その流儀を指す言葉として「仙台」が使われています。
牛の産地は、別に書かれます。「US産」のように、商品名や説明に出ていることがあります。ただし書いていない商品も多いので、地名の表記とは分けて探すことになります。
「仙台名物」と書いてある二つの商品が、別の国の牛を使っているということが起きます。
地名だけを見て同じものだと思うと、届いたときに食い違います。流儀の名前としての地名と、牛がどこで育ったかの産地は、別々に書かれているからです。
国産のタンを探しているなら、「国産」と書かれているかどうかが目印になります。書いていなければ、輸入と考えたほうが外れません。
台所に立つ相手なら切れます。そうでなければ、冷凍庫で持て余します。
一本まるごとは、約1キロの塊で届きます。部位ごとに分けて、厚さを決めて切る。そこまでが受け取った側の手です。大きめの包丁と、まな板を広げられる場所が要ります。
そのかわり、部位ごとに使い分けられます。タン元は厚く切って焼き、タン下は煮込みへ。一本を扱える相手なら、切り分けたものより使い道が広がります。
そこまでしない相手には、すでに切ってある商品にします。小分けの包になっているものなら、その日に食べるぶんだけ出せます。
渡せますが、どの部位が入るかまでは決まっていません。
「タン元」「芯たん」と書いてあるものは、そこだけを集めた商品です。書いていないものは、タン中が混ざっていることがあります。
混ざっていること自体は、悪いことではありません。タン中は赤身と脂のつり合いがよく、薄めに切れば十分焼けます。ただし厚切りの歯ごたえを目当てにしている相手には、期待していたものと違います。
厚さの表記も手がかりになります。「厚切り」「極厚15mm」と書いてあれば、厚く切れる部位を使っているということになります。
タン元、タン中、タン先。この三つは、根もとから先へ向かう順の名前で、そのまま硬さの順でもあります。タン下だけは別で、タン元とタン中の下に付いている部分を指します。
タン元は柔らかく、一本から4〜5枚しか取れません。タン中は赤身が多く、薄めに切って焼きます。タン先とタン下は硬いので、煮込みに向きます。一本まるごとは約1キロで、そこに全部入っています。
切り方は、ミリで書かれています。薄切りは2〜3ミリ、焼肉用は5〜8ミリ、厚切りは10ミリ以上。100グラムあたりの枚数は、薄切りで12〜15枚、厚切りで2〜3枚と、五倍近く変わります。
一人前は100グラムから200グラム。この幅があるので、同じ1キロでも六人にも十人にもなります。自分の人数に合わせたいなら、厚切りは150グラム、薄切りは100グラムで割り直します。商品名に並んでいる人数の数字は、そのあとで見ます。
「仙台」は牛の産地ではありません。日本で出回る牛タンの多くは輸入で、仙台という言葉は、塩をすり込んで厚く切るという流儀を指しています。国産を探すなら、そう書かれているかどうかが目印です。
厚切りの歯ごたえを渡したいなら、タン元と書かれたものを。人の集まる席に出してもらうなら、薄切りで枚数の出るものを。台所に立つ相手には、一本まるごとを。国産にこだわる相手には、そう書かれたものだけを。
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