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スプーンとフォークは、家にあるうちは買い足さないものです。欠けても曲がっても、そのまま何年も使われます。そろったものが箱で届いて、はじめて食卓が一度に新しくなります。結婚や引っ越しの祝いに選ばれてきたのは、そのためです。
最初に決めるのは、大きさです。商品名に付いている「ディナー」と「デザート」は、形の名前ではなく寸法の呼び名です。ここを取り違えると、届いてから手に余ります。
ディナーと呼ばれるものは、フォークとスプーンが20センチ前後、ナイフが22センチから24センチ。デザートと呼ばれるものは、フォークが16センチから18センチ、スプーンが14センチから16センチです。
ディナーは全体に長く、デザートは短く作られています。口に入るさじの部分や、フォークの先の形はあまり変わりません。並べて置くと、ディナーのほうが明らかに長く見えます。同じ商品の名前に両方が並んでいるのは、どちらの大きさでも作っているからです。
もともと欧米で食事に使う大きさが「テーブル」、つまりディナーと呼ばれるもので、日本やアジアで食事に使う大きさが「デザート」と呼ばれてきました。デザートと呼ばれる大きさが、日本の日常の食事に使う大きさです。
家の茶碗や小鉢に対しては、ディナーの大きさは大ぶりになります。カレーやパスタを大皿で食べる家なら合いますが、和食が中心の家では持て余します。相手の食卓が浮かばないうちは、短いほうの大きさに寄せると外れません。
ややこしいのは、日本のメーカーが、デザートの大きさのものを「ディナー」という名前で売っていることがある点です。同じ「ディナー」でも、店によって指している大きさが違うということです。
商品の説明には、たいてい長さがセンチで書かれています。フォークが19センチを超えていれば大きいほう、18センチより短ければ日常の大きさです。名前ではなく数字を見比べれば、どちらの大きさかが決まります。
「5本セット」と書かれていても、それが一人分なのか、二人で分けるのかは書き方によります。スプーンとフォークとナイフで三本、そこにデザート用の小さいものを足して五本、という数え方もあれば、二人分をまとめて五本と呼ぶものもあります。
合計の数字だけを見て買うと、思っていた人数に足りないことも、余ることもあります。効いてくるのは内訳です。スプーンが何本、フォークが何本と書いてあれば、そこから人数が読めます。
夫婦や二人暮らしの相手なら、二人分でも食事はできます。ただし洗って乾くまでのあいだも使いたい家では、二人分では回りません。三人分あると、一組を洗っているあいだにもう一組が使えます。
人が集まる家に渡すなら、六人分ほどまとまったものもあります。本数が増えるぶん一本あたりの値段は下がりますが、箱も大きくなります。渡す場面が手渡しなら、持ち歩ける大きさかどうかも効きます。
スプーンとフォークだけの組と、ナイフの入った組があります。ナイフを日常で使う家は、肉を切る料理をよくする家です。使わない家では、そこだけ引き出しに残ります。
相手の食事が読めないなら、スプーンとフォークが中心の組が無難です。ナイフは、あとから買い足せます。逆に、洋食をよく作ると分かっている相手なら、ナイフの入った組のほうが箱を開けた日から使ってもらえます。
ステンレスそのものは銀色です。金色や黒のものは、表面にごく薄い膜を付けて色を出しています。時計や装身具にも使われている方法です。膜の厚みは1ミリの千分の一より薄いものになります。
膜なので、擦れば減ります。いちばんよく使う一本から色が薄くなり、数年経つと下の銀色が覗きます。買ったときの色のまま何十年もというわけにはいきません。
膜を付けたものとは別に、塗料で色を付けたものもあります。こちらは食洗機や食器乾燥機の熱と洗剤で塗膜が傷むので、商品の説明にも食洗機は避けるようにと書かれています。毎日食洗機を回す家に渡すなら、そこが分かれ目になります。
色の付いたものを選ぶときは、「食洗機対応」と書いてあるかどうかが手がかりです。書かれていなければ、手で洗う前提になります。相手が食洗機を使う家かどうかは、聞ければ聞いておきたいところです。
銀色のままのものには、表面に何も載っていません。擦れても減る膜がないので、色が変わりません。食洗機にも入れられますし、傷が付いても磨けば戻ります。
長く使ってほしいなら、こちらが確実です。色の有無とは別に、ステンレスには「18-8」「18-10」といった数字が付いていて、後ろの数字が大きいほど錆びにくくなります。見た目の華やかさを取るか、何年も同じ顔でいることを取るか。相手がどちらを喜ぶかで決まります。
金や黒のものを渡すなら、そのつもりで渡します。色が減っていくことを一言伝えておけば、薄くなったときにがっかりさせません。数年で買い替えるつもりの相手や、来客のときだけ出す相手なら、色付きでも困りません。
数が増えて困ることはありません。スプーンとフォークは、洗っているあいだにもう一組が要る道具です。来客のときに数が足りない家も多いので、そろったものが届けば場所は空きます。
ただし、同じ顔のものが増えると引き出しの中で混ざります。今使っているものと形の違うものが向きます。柄の細いもの、色の付いたもの、持ち手に木を使ったもの。並べて置いたときに区別が付けば、来客用と普段用に分けて使ってもらえます。
さじの部分の厚みです。薄く仕上げてあるものほど、口から抜けるときに引っかかりません。写真では分かりにくいので、説明に厚みの数字や「薄い」という言葉が書かれているかどうかが手がかりになります。
さじと柄の角度も効きます。まっすぐに近いと、深い器の底をすくいにくくなります。汁物をよく食べる家に渡すなら、そこも効いてきます。値段の差は、さじの薄さと角度の仕上げに出ていることが多くあります。
決めるのは、大きさと、本数の内訳と、表面に色を載せてあるかの三つです。大きさで日常に使えるかが、内訳で何人分かが、色の有無で何年同じ顔でいるかが決まります。
和食が中心の家に贈るなら、短いほうの大きさを。フォークで17センチ前後が目安です。洋食をよく作る家なら、ディナーの大きさとナイフの入った組が、その日から使われます。
二人暮らしの相手には、洗い替えまで見て三人分ほど。人が集まる家なら六人分の箱もありますが、手渡しするなら持ち歩ける大きさかどうかが効きます。
見た目で選ぶなら金や黒を、長く同じ顔でいてほしいなら銀色のままのものを。色は薄い膜なので、いちばん使う一本から減っていきます。
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