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台所の包丁には、買い替えの理由が立ちません。切れ味が落ちても、押し切れば切れてしまうからです。外から新しい一本が入ったときに、はじめて古いほうが下がります。
選ぶときにまず決まるのは、柄と刃が一体になっているかどうかです。その作りで、食洗機に入れられるかが変わります。
そして、刃の材質です。金属のものとセラミックのものでは、切ってよいものの範囲が違います。
この分野に並ぶものの多くが「三徳」と名乗っています。肉・魚・野菜の三つに使えるから、という説と、牛刀・菜切り・舟行の三本を一本でまかなえるから、という説があります。どちらにしても、一本で何役もこなすという話です。
一九四〇年代ごろ、日本の菜切包丁や出刃包丁と、西洋の牛刀の特性を合わせて作られました。家庭で野菜用と肉用を使い分けるのが大変だったからです。
その形が今も残っているので、この一本があれば台所の仕事はひととおり回ります。相手がすでに何本か持っていても、いちばん手に取る一本はこれになります。渡すなら、まず三徳から当たります。
商品名には165mm、18cmといった数字が並びます。15センチから20センチに収まっているものが、家庭用の三徳包丁です。
長いほうが一度に大きく切れますが、まな板からはみ出せば使いにくくなります。相手の使っているまな板の大きさが読めないなら、真ん中あたりの165mm前後にしておくと外れません。小さいまな板の家では、長いものが持て余されます。
組で売られているものには、13センチほどの小さい包丁が入っています。果物の皮をむく、小さいものを切る、飾り切りをする。このペティナイフが、三徳では大きすぎる仕事を受け持ちます。
一本だけ渡すなら三徳ですが、二本の組なら、台所での役割が分かれます。すでに大きい一本を持っている相手には、ペティナイフを足すという渡し方もあります。
刃先が丸く、刃がぎざぎざになったものがあります。パンを切る、果物を切る。バターを塗るためのものも、同じ並びに入っています。どれも食卓の上で使うもので、まな板の上で使う包丁とは別です。
商品名に「テーブル」「バター」「ブレッド」と入っていれば、そちら側です。台所の道具を渡すつもりなら、その語があるかどうかを読み分けることになります。
商品名に「オールステンレス」「一体構造」と書かれたものがあります。刃から柄まで、金属がひと続きになっているという意味です。木やプラスチックの柄が付いたものとは、そこが違います。
柄と刃が別々の部品なら、その境目に隙間ができます。そこへ水が入り、切ったものの汁やかすが残ります。雑菌が増えやすいのは、この隙間です。
一体になっているものには、その隙間がありません。流水で洗い流すだけで、大部分の汚れが落ちます。毎日使うものなので、洗う手間の差が積み上がります。
長く使ううちに、水を吸って腐る、ゆるむ、割れる。木の柄は、刃より先に寿命が来ることがあります。手に当たる感じは木のほうがやわらかいので、そこは引き換えになります。
一体のものには、この傷み方がありません。柄が傷まないぶん、食洗機に対応したものが多くなります。商品名に「食洗機対応」と並んでいるのは、たいていこちら側です。
機械に入れられない包丁を渡すと、その一本だけ手で洗うことになります。毎日のことなので、受け取った人はそこを面倒に感じます。
相手の台所に食洗機があるなら、対応と書かれたものへ寄せます。分からないなら、対応しているほうを選んでおくと、相手の使い方を縛りません。手で洗う家でも、対応品は普通に使えます。
金属がひと続きなので、木の柄より重く、握ったときに冷たく感じます。軽いものを探している相手には、この重さが引っかかることがあります。
商品名に重さが書かれているものは、そこで比べられます。握力の落ちてきた相手、長く台所に立つ相手なら、渡す前に重さの数字まで見ておくと外れません。
同じ分野に、セラミックで作られたものが並びます。錆びず、軽く、切れ味が長く続きます。そのかわり、切ってよいものの範囲が金属の刃より狭くなります。
金属の刃は、水気を残すと錆びます。セラミックの刃にはそれがありません。濡れたまま流しに置いても、赤い点が浮いてきません。商品ページに、除菌や漂白ができると書かれたものもあります。
軽さも際立ちます。100グラムを下回るものがあるので、手首に負担がかかりません。台所に立つ時間の長い相手、力の要らない一本を探している相手には、この軽さが効きます。
セラミックは硬いぶん、しなりません。冷凍したもの、大きい骨、かぼちゃの硬い皮。そういうものに当たると、刃こぼれしたり割れたりします。
金属の刃なら少し曲がって逃げるところが、セラミックでは逃げられません。何を切る家かが分からないなら、金属のほうが安全です。冷凍食品をよく使う家には向きません。
切れ味が落ちるのはどちらの刃も同じですが、家庭の研ぎ器で戻せるのは金属のほうです。セラミックは専用のもので研ぐか、店に頼むことになります。
だから、切れ味が落ちたときに、受け取った人が自分で戻せません。渡すなら、研ぎ直しを受け付けているかどうかまで商品ページで見ておくと、そこで止まりません。無料の券を付けているものもあります。
シャープナーだけが商品として並んでいます。包丁は、使えば切れ味が落ちるものとして売られているからです。
包丁と研ぎ器が組になったものが多いのも、同じ理由です。すでにいい包丁を持っている相手なら、研ぎ器だけを渡すという手もあります。切れなくなった一本が、それで戻ります。
そう言われることがあります。気になる相手なら、選ばないほうが早いというだけの話です。ためらいながら渡すと、その気持ちのほうが伝わります。
一方で、新しい台所に立つ人へ道具を贈るのは、昔から続いている渡し方でもあります。相手がその言い伝えを気にする人かどうかが全部です。分からないなら、包丁そのものではなく、研ぎ器や台所の道具の組に寄せておくと角が立ちません。
包丁は、切れ味が落ちても使えてしまいます。だから、持っていることと、よく切れることは別です。何年も同じ一本を使い続けている家は珍しくありません。
見るのは、本数ではなく役割です。大きい一本しか無い家には小回りの利くペティナイフを、重い一本しか無い家には軽い一本を。すでに役割がそろっている家なら、切れ味を戻す研ぎ器のほうがよく使われます。
柄と刃が一体か、刃が何でできているか。この二つが決まれば、あとは刃渡りと本数の話になります。
先に決まるのは、柄の作りです。一体になっているものは継ぎ目が無いので、流水で洗い流せます。柄が水を吸って傷むこともないので、食洗機に対応したものが多くなります。そのかわり金属がひと続きになるぶん重いので、握力の落ちてきた相手には、重さの数字が効いてきます。
次に、刃の材質です。セラミックは錆びず軽く、切れ味が長く続きます。そのかわり、冷凍したものや骨に当たると欠けます。研ぎ直しも専用になるので、何を切る家かが読めないなら金属の刃のほうが安全です。
刃渡りは15センチから20センチ。まな板からはみ出さない長さで選びます。読めないなら165mm前後が収まります。組で渡すなら、三徳とペティナイフで台所の役割が分かれます。
刃物を渡してよい相手だと分かっているなら、新しく台所に立つ人には一体構造の三徳を一本。すでに何本かある家には、小回りの利くペティナイフを。切るものが決まっていて、手首に力の入らない相手には、100グラムを下回るセラミックの一本が、いちばん毎日握られます。
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