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炊飯器のある家で、土鍋を買い足す人はあまりいません。無くても米は炊けるからです。もらわないと台所に入ってこない道具で、名前を入れられるものもあり、結婚や新築の祝いに並んでいます。
選ぶときに最初に決まるのは、合数です。何合炊けるかで大きさが決まり、ここを外すと毎回の水加減が合わなくなります。
そのうえで効いてくるのが、相手の台所の火と、焼き物の種類です。同じ土鍋の名前で、使い始めに手のかかるものと、箱から出してすぐ使えるものが並んでいます。
商品名には「3合炊き」のような合数と、「8号」のような号数が並んで書かれています。合数は米を何合炊けるか、号数は鍋そのものの差し渡しです。号数は一号がおよそ3センチなので、8号なら24センチほどになります。
炊飯のために渡すなら、先に見るのは合数です。号数のほうは、相手の台所に置き場所があるかを当たるときに効いてきます。
炊飯器と違うのは、この数字の意味です。炊飯器は五合炊きでも一合が炊けますが、土鍋の合数はちょうどその量を炊くために作られています。三合炊きと書かれていれば、三合を炊く鍋という意味です。
米と水の量に対して、鍋の内側の形と深さが合わせてあります。そのため合数を外すと、毎回どこかが噛み合わなくなります。
三合炊きで一合を炊こうとすると、水の位置が下がりすぎて、底のほうだけで湯が動きます。多く炊こうとすれば吹きこぼれます。
外れ方が大きいのは、決められた量の半分を割ったときです。三合炊きで二合を炊くくらいなら、そこまで崩れません。渡す相手が二人暮らしなら二合、家族で毎日炊くなら三合。相手がふだん一度に何合炊いているかを知っているなら、その数字がそのまま答えになります。
同じ三合炊きでも、値段には大きな幅があります。窯元の名前が前に出ているもの、土の産地を名乗るもの、名前を入れられるものが、高いほうに来ます。
窯元の名前は、焼いた場所を書き添えているだけのものではありません。土鍋は産地ごとに土そのものが違うので、次の章で書く使い始めの手間にもつながっています。炊ける量は同じでも、届いてからの付き合い方が変わるということです。
伊賀焼は火に強い土で、直火にかける鍋に向いています。そのかわり土の目が荒いので、そのまま使うと水が染みたり、匂いが移ったりします。
これを防ぐために、使い始めと、その後もときどき目止めをすることになります。米を入れた水を弱火で一時間ほど煮て、一晩置くという作業です。使い込みながら育てていく土鍋、という言い方をされるのはこのためです。
萬古焼は、熱に弱い土に石の一種を混ぜて、火に強くしたものです。石が入っているぶん、土だけのものより目が詰まります。
そのぶん水も匂いも入りにくく、手入れが軽くなります。家庭向けとして作られてきたのはこちらです。前の日に炊いた米の匂いが翌日に残るのが気になる、という相手には、萬古焼のほうが向きます。
産地の名前で見当は付きますが、最後は商品ごとの表記が決めます。土に混ぜるものや焼き方で目止めまで済ませてあるものがあり、そういう商品には「目止め不要」と書かれています。伊賀焼か萬古焼かより、この一行のほうが確かです。
相手が料理の道具に手をかける人だと分かっているなら、育てる前提の鍋も渡せます。そうでないなら、目止め不要のものにしておくほうが、使い始めるまでに間が空きません。ここは値段や見た目ではなく、相手の側から決まるところです。
土鍋は、ガスの火に直接かけて使うのが元の形です。商品名に「直火」「直火専用」とあれば、ガス以外では使えません。相手の家がガスなら問題になりませんが、電気の熱源しかない台所では、届いた日から出番がありません。
住まいの熱源は外からは見えないので、聞ける間柄でなければ確かめようがありません。ここが、土鍋を贈るときにいちばん外しやすいところです。
IHの熱源で使えるものは、鍋の底に金属の板を仕込んであります。磁力を受けるものが入っていないと、IHの上では熱が起きないためです。商品名に「IH対応」「ガス・IH両用」と書かれているのがこちらです。
板が入っているぶん底が厚くなり、同じ合数でも重くなります。持ち上げるのが負担になりそうな相手には、そこも見ておくところです。ただし熱源を聞けていないなら、重さより先に、どちらでも使えることを取ります。
商品によっては、電子レンジに入れられると書かれています。炊いた米をそのまま温め直せるので、二人暮らしのように一度に食べきらない家では、鍋のまま置いておけます。
直火とIHの両方に対応したものは並んでいますが、そこに電子レンジまで加わるものは限られます。朝に炊いて夜に温め直す家なら電子レンジの表記を取り、一度で食べきる家なら要りません。相手の一日のうちで、その鍋が何回台所に出るかで決まります。
合数はちょうどの量を指す数字なので、本当は聞いて決めるのがいちばん確かです。それができないときは、三合炊きが無難です。三合の鍋で二合を炊くくらいなら大きく崩れませんが、五合の鍋で二合を炊くと、決められた量の半分を割って外れ方が大きくなります。
人数だけでも分かっているなら、そこから決めます。二人暮らしなら二合、三人以上なら三合です。
目止めが要るものなら、手順は箱や説明の紙に入っています。何も言わなくても伝わるので、必ず添えなければならないというものではありません。
そもそも手をかけずに使ってもらいたいなら、「目止め不要」と書かれたものが向きます。そのほうが、伝える手間も、相手が読む手間も要りません。
このジャンルに並んでいるのは、米を炊くためのものです。炊飯用の鍋は深さと形が米の量に合わせてあるので、人数分の具を入れるには小さくなります。
鍋料理のためのものは合数ではなく号数で選ぶことになり、囲む人数に対して少し大きめを取ります。炊飯用のなかからは見つからないので、鍋のジャンル全体まで広げて探すことになります。
土鍋の商品名には、合数と号数の二つが並びます。渡す目的が炊飯なら、合数から入ります。炊飯器と違って、合数はちょうどその量を炊くための数字なので、決められた量の半分を割るような使い方では噛み合わなくなります。
次に見るのが相手の台所の火です。直火専用のものは、電気の熱源しかない家では使えません。ここがいちばん外しやすいので、聞ける間柄なら聞くのが早道です。聞けないなら、IH対応と書かれたものならどちらの熱源でも使えます。
最後が焼き物の種類です。伊賀焼は目が荒いので、使い始めとその後もときどき目止めが要ります。萬古焼は石を混ぜてあるぶん目が詰まっていて、手入れが軽くなります。ただし産地の名前より、「目止め不要」という一行のほうが確かです。
相手の合数と熱源を聞けるなら、そこに合わせるのが確かです。聞けないなら、三合炊きでIH対応、目止め不要と書かれたもの。ここまで絞れば大きくは外れません。窯元の名前や名入れを足すかどうかは、そのあとで、渡す場面のほうから決まります。
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