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尾頭付きの一尾があると、その日の膳が決まります。祝いの席に置く魚として、鯛は長く使われてきました。
最初に分かれるのは、飾るために選ぶのか、食べるために選ぶのかです。膳に載せて写真に残す一尾と、切り分けて食べる一尾では、大きさも届く形も変わります。
祝いの席に出す鯛は、切り身ではなく頭も尾も付いたまま焼いたものを使います。祝い鯛と呼ばれ、一尾を丸ごと膳に載せる形が続いてきました。
赤ちゃんが生まれて百日ほど経ったころ、一生食べ物に困らないようにと願って膳を用意します。実際に食べさせるのではなく、口へ運ぶまねをする行事です。丈夫な歯が生えるようにという願いも重ねられています。
百日ちょうどでなくてはならないものではありません。地域によっては百十日、百二十日と数えますし、家族の集まれる日に前後させるのが普通です。贈るなら、先方に日取りを聞いてから手配するほうが確かです。
献立は、尾頭付きの鯛、赤飯、吸い物、煮物、香の物。吸い物にははまぐりを使うのが習わしです。もう一つ、歯固めの石も膳に添えます。
鯛だけを注文すると、これらは別に用意することになります。石は神社で借りてくる家もありますし、赤飯や煮物を自分で作る家もあります。一式そろったものを選ぶか、鯛だけにして残りは先方に任せるか。そこを先に決めておくと、当日になって足りないものが出ません。
尾頭付きの鯛には、焼き上げてから送られてくるものと、生のまま送られてくるものがあります。焼いてあるものは温め直して膳に載せられます。冷凍で届くものもあり、その場合は前の晩から冷蔵庫に移して解かします。
生のものが届くと、当日の朝に一尾を焼くところから始まります。長さのある魚なので、家庭の魚焼きに入りきらないこともあります。赤ちゃんの支度と重なる日なので、贈るなら焼いてあるもののほうが、受け取った側の手が空きます。
鯛と呼ばれている魚は一種類ではありません。祝いの席で使われてきたのは真鯛ですが、名前に鯛の字が入る魚はほかにもたくさんあります。
金目鯛はキンメダイ科、甘鯛はアマダイ科で、真鯛の属するタイ科とは別の系統です。姿や色が似ていたり、めでたい名前にあやかったりして、鯛の字が付きました。こうした魚をあやかり鯛と呼びます。
真鯛より値の張るものもあるので、格が下がるという話ではありません。ただ、膳に置く一尾として探しているなら、商品名に真鯛と書かれているかどうかを見ることになります。
真鯛は体が赤みを帯びていて、頭から尾にかけての形が整っています。祝いの席の写真で見慣れているのは、この姿です。
金目鯛は赤が濃く、目が大きく張り出しています。甘鯛は細長い体で、頭の形も違います。真鯛のつもりで注文して別の魚が届くと、膳の見え方が変わります。
刺身や煮付けで食べるなら、真鯛でなければならない理由はありません。金目鯛は煮付けにすると身がほろりとほどけますし、甘鯛は干物や蒸し物にすると名前のとおりの甘みが出ます。
祝いの膳に載せるのか、食卓に出すのか。そこで名前の重みが変わります。膳に載せる一尾は真鯛の姿が要り、食卓に出す一尾は相手の好みで選べます。
真鯛には天然のものと養殖のものがあります。いま出回っているうち天然は二割に届かないので、店に並んでいるものの大半は養殖です。商品ページには、どちらかが書かれています。
春に獲れるものを桜鯛、秋に獲れるものを紅葉鯛と呼びます。春は産卵を控えた時期で、身の色や姿が美しくなります。秋は餌をよく食べたあとなので、脂が乗ります。
産卵を終えたあとは身が落ちるとされ、この時期の鯛を別の名前で呼ぶ土地もあります。天然のものは、いつ獲れたかで中身が動きます。
養殖のものは餌が管理されているので、季節による当たり外れが小さくなります。日取りの決まった祝いに合わせるなら、こちらのほうが読めます。
値段も天然より抑えられます。膳に載せる一尾に何を求めるかで、どちらを選ぶかが決まります。姿と味を追うなら天然、日と予算を先に決めるなら養殖、という分かれ方です。
養殖のものは浅いところで育つので、日を浴びて背が黒ずむことがあります。網で囲われた中を泳ぐため、尾びれや胸びれの先が丸くなることもあります。天然のものは色に赤みが残り、ひれが張っているとされます。
ただし、商品ページの写真は明るさや色を調えて撮られています。色だけで天然か養殖かを言い当てるのは難しいので、表記を読むほうが確かです。姿を重く見るなら、ひれまで写っている写真が載っている商品を探します。
祝い用の鯛は、200グラムほどのものから700グラムほどのものまで売られています。300グラム前後で一人前から二人前という見当になります。
ただし、祝い鯛は膳の主役であって、その日の食事の量をまかなうものではありません。集まる人数が四人でも六人でも、鯛の大きさをそこに合わせる必要はなく、食事は別に用意されるのが普通です。大きくすると膳や皿に載らないこともあるので、置く場所から決めるほうが収まります。写真を撮る予定があるなら、その皿に頭から尾まで入るかどうかが効いてきます。
飾ったあとにほぐして食べます。300グラムほどのものなら大人二人ぶんの身が取れます。
その場で食べきれなければ、ほぐした身を炊き込みご飯や吸い物に回せます。焼いた魚なので、置いておける日数は長くありません。翌日までに使いきるものだと分かっていれば、届ける日を外さずに済みます。
冷凍で届いたものなら、解かす日をこちらで決められます。前もって送っておいて、祝いの日の前の晩に冷蔵庫へ移してもらう形です。日取りが動きそうな相手には、この形のほうが融通が利きます。
飾るのか食べるのか、真鯛かどうか、天然か養殖か。この三つで、選ぶ一尾が決まります。
祝いの膳には尾頭付き。お食い初めは生後百日ごろの行事で、はまぐりの吸い物と歯固めの石も膳に並びます。鯛だけを注文するなら残りは別に用意することになるので、一式そろったものにするかどうかが先に来ます。届く形も、焼いてあるものと生のもの、冷凍のものに分かれます。
名前に鯛と付いていても、金目鯛も甘鯛も真鯛とは別の魚です。膳に載せる一尾なら商品名に真鯛と書かれているかを確かめ、食卓に出す一尾なら相手の好みで選べます。
天然の旬は年に二度。春の桜鯛は姿が美しく、秋の紅葉鯛は脂が乗ります。養殖は季節による差が小さく、値段も抑えられます。いま出回っているうち天然は二割に届きません。
日取りの決まった祝いに送るなら、その日に届く焼き上がりのものか、前もって送って冷凍で置いておけるものを。旬の味を届けたいなら、日を動かせるときに天然のものを。食卓で食べてもらうつもりなら、切り身や刺身用に分けてあるもののほうが、受け取った側が扱いやすくなります。
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