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和牛の薄切りは、ふだんの買い物では手が伸びません。特別な日のために誰かが用意するものなので、届いた日がそのまま特別な日になります。
先に決まるのは、鍋を囲む人数です。一人あたりの量が決まっているので、そこから要る重さが出ます。
そのうえで、厚さ。すき焼き用としゃぶしゃぶ用では、同じ肩ロースでも切り方が違います。
背中の肉のうち、首に近い側が肩ロースです。関西では「クラシタ」とも呼ばれます。鞍の下、という意味の呼び名です。
よく動く場所なので、赤身のしっかりした部分と、細かく入った脂が混ざります。やわらかさと歯ごたえが同居していて、かんだときに味が濃く出ます。
脂だけで食べさせる部位ではありません。割下の甘さにも、ぽん酢の酸味にも、肉の味のほうが立ちます。煮返しても身が縮みにくいので、翌日に回しても食べられます。
同じ背中の肉でも、サーロインやリブロースのほうが霜降りが強く、値も上がります。肩ロースはその一つ手前の部位なので、同じ重さでも手が届きやすくなります。
そのぶん、同じ予算なら量を多くできます。一枚の大きさで見せる肉ではなく、鍋を囲んで減っていく肉だということです。人数の多い日ほど、この差が出ます。
商品名に付く「A5」「A4」は、脂がどれだけ細かく入っているかを表した記号です。上に行くほど霜降りが強くなります。
味の好みとは別のものです。脂の強い肉が重いと感じる相手には、等級の高いほうが食べにくくなります。若い人が集まる日なら上へ、年配の相手なら一つ下へ。同じ肉でも、等級が変われば食べ切れる量が変わります。
商品名には「肩ロース」「かたロース」「カタロース」「クラシタ」が混ざります。どれも同じ部位を指しています。
呼び名が違うだけで、中身が変わるわけではありません。この呼び名を知っていれば、探せる範囲がそのまま広がります。
同じ肩ロースでも、切る厚さで用途が分かれます。届いてから切り直せないので、注文する時点で決まります。
割下で煮ながら食べるので、薄すぎると鍋に貼り付いて、こま切れのようになります。濃い味を付けるぶん、肉に厚みがないと味が負けます。
2.5ミリ前後あれば、熱が入っても硬くならず、割下を抱えたまま口に入ります。すき焼きの日に合わせて送るなら、この厚さのものになります。
湯にくぐらせるだけなので、厚いと中まで火が通りきりません。すき焼き用の半分ほどの薄さに切ってあります。
湯を通すあいだに、脂の一部が落ちます。脂の重さが気になる相手には、こちらのほうが軽く食べられます。
すき焼き用の厚さでも、湯にくぐらせて食べられます。少し長めに泳がせれば火は通ります。
逆はできません。しゃぶしゃぶ用の薄いものですき焼きをすると、鍋に貼り付いて形が残らないからです。相手の家がどちらの鍋をするか読めないときは、厚いほうへ寄せておくと、どちらでも使えます。
冷凍で届くものは、重ねて凍らせてあると、一枚ずつ剥がせません。食べる分だけ使いたい家では、そこが効きます。
小分けにしてあるものや、間に紙を挟んであるものなら、残りを凍らせたまま置いておけます。一度に食べ切る量でないときほど、この違いが出ます。
すき焼きの肉は、大人一人あたり120グラムから150グラムが目安です。ただし霜降りの和牛は脂が多いので、100グラムから120グラムで足ります。このジャンルに並ぶのは霜降りのものなので、少ないほうの数で計算します。
一人120グラムで数えると、二人で250グラム、四人で500グラム、六人で700グラムほどになります。肉以外の具と割下が入るので、焼肉のときより一人分は少なくて済みます。
鍋いっぱいの野菜や豆腐と一緒に食べるものだと考えると、この量で足ります。よく食べる人が集まるなら、一人分を足した重さにします。
同じ500グラムでも、「四、五人前」と書かれているものと、「二、三人前」と書かれているものが並びます。一人あたり100グラムで数えている店と、200グラムで数えている店があるということです。
人数の表記だけを見て決めると、倍ほど外すことがあります。当てになるのはグラム数のほうです。相手の家の人数に100グラムから150グラムを掛けた数が、実際に要る重さになります。
一度に食べ切れないぶんは、冷凍庫に入ります。1キロの箱は、二人で暮らす家の冷凍庫には重すぎることがあります。
家族が集まる日に合わせて送るなら、多いほうが役に立ちます。そうでないなら、届いたその日に食べ切れる量にしておくと、置き場所を取りません。
化粧箱に入れて、風呂敷で包んであるものがあります。改まった相手や、手渡しする場面では、そのままの形で渡せます。
家庭用と同じ包みで届くものは、身内へ送るならそれで足ります。同じ肉でも、包み方で渡せる場面が分かれます。
冷凍で届くものなら、不在でも持ち帰られて再配達になります。その日のうちに溶けてしまうことはありません。ただし受け取りが延びるほど、冷凍庫に入るのが遅くなります。
確かなのは、日にちを指定して送ることです。それができないなら、冷蔵ではなく冷凍のものへ。冷蔵で届くものは、その日から数日のうちに食べてもらう前提になるので、留守が続くと間に合いません。
等級の高いものほど霜降りが強くなるので、そこは一つ下げます。年配の相手なら、脂の細かく入ったものより、赤身の残るもののほうが食べ切れます。
このジャンルには、牧草で育てた輸入の赤身のものも混ざっています。和牛の霜降りとは脂の入り方がまるごと違うので、脂を控えている相手にはそちらが向きます。同じ「肩ロース」でも、届くものが別のものになります。
人数、厚さ、脂の強さ。順に当てていくと、選ぶものが決まってきます。
量は人数から出ます。霜降りの和牛なら、大人一人に100グラムから120グラム。商品名の「何人前」は店ごとに数え方が違い、同じ重さが二人前とも五人前とも書かれます。相手の家の人数にこの数を掛けたほうが、届いてから足りなくなりません。
厚さは、相手の家の鍋で決まります。すき焼きなら2.5ミリほど、しゃぶしゃぶならその半分。どちらか読めないなら、厚いほうへ寄せておけば、湯にくぐらせる食べ方にも回せます。
脂の強さは、相手の年齢と食べる量に当てます。等級が高いほど霜降りが強くなるので、脂が重いと感じる相手には向きません。牧草で育てた赤身のものなら、そこが軽くなります。
**鍋にする薄切りとは、渡したあとの食べ方から変わります。
家族の集まる日に送るなら、すき焼き用の厚さで、化粧箱に入った700グラムを。二人で暮らす家には、一枚ずつ剥がせる250グラムほどのものが、冷凍庫を占めずに食べ切ってもらえます。
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