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茶の道具は、自分のために買うと途中で止まります。一つ買うと次が要ることに気づいて、そこで手が止まるからです。人からもらうと、そこを越えたところから始められます。
選ぶときに最初に決まるのは、湯を沸かす道具を渡すのか、抹茶を点てる道具を渡すのかです。この二つが並んでいます。
「茶道具・湯呑・急須」という名前で並んでいるものを見ると、湯呑も急須も出てきません。長く選ばれ続けているのは、南部鉄器の鉄瓶と、抹茶を点てるための道具の組です。
陶器の湯呑や急須そのものを探しているなら、この名前では見つかりません。それぞれの名前で別に並んでいます。この名前で残っているのは、贈りものとして選ばれる側の道具です。
南部鉄器の鉄瓶は、直火に掛けて湯を沸かすものです。岩手で作られたもので、商品名にも産地が入ります。やかんより小ぶりなので、コンロの上に置いたままにできます。
見た目は急須に似ていますが、役目が違います。鉄瓶で沸かした湯を、別の急須に注いで茶を淹れます。鉄瓶そのもので茶葉を蒸らすものではありません。
抹茶のほうは、茶碗と茶筅と茶杓が一つの箱に入った形で並びます。六点の組が多く、抹茶そのものが付いているものもあります。「初心者」「入門」「お稽古」と書かれているとおり、これから始める人のためのものです。
一つずつ買いそろえることもできますが、何が要るのかが分からないうちは組のほうが早くなります。贈るなら、なおさら組の形が合います。
鉄瓶は鋳物なので、抹茶の組より一つあたりの値段が上がります。同じ形でも大きいものほど重く、値も上がります。長く使うものなので、贈りものとして据わりのいい値段です。
抹茶の組のほうは、入っている点数で値が動きます。三点や四点のものから、八点まであります。点数が多いほど上がりますが、鉄瓶ほどの幅にはなりません。渡す相手との間柄で、鉄瓶にするか抹茶の組にするかが変わります。
南部鉄器には、鉄瓶と、鉄で作った急須の二つがあります。見た目はよく似ていて、写真だけでは見分けがつきません。分かれるのは内側です。
鉄瓶の内側には、ホーローの加工がありません。そのため、湯と鉄が直に触れます。商品名にわざわざ「ホーロー加工なし」「ホーロー無し」と書かれているのは、そこが鉄瓶かどうかの目印になるからです。
鉄の急須のほうは、内側にホーローが掛けてあります。錆びにくくなるので、茶葉を入れて湯を注ぐ使い方に耐えます。外側に色を付けたものが多いのも、こちらです。同じ南部鉄器ですが、急須のほうは別の名前のところに並んでいます。
そのかわり、内側が覆われているので、湯が鉄に触れません。鉄瓶のつもりで急須を選ぶと、そこが変わります。相手が何を使いたいのかで、選ぶものが分かれます。
鉄瓶は直火に掛けられます。IHに対応したものもあり、そのことは商品名に書かれています。相手の台所が直火かIHかで、使えるものが決まります。
鉄の急須は、火に掛けるためのものではありません。沸かした湯を注いで使います。急須を火に掛けると内側の加工が傷むので、二つは分けて考える必要があります。渡すときに一言添えておくと、相手が取り違えずに済みます。
並んでいるのは0.65リットルや0.8リットルで、やかんより小ぶりです。0.65リットルなら、湯呑にして四杯か五杯ぶんになります。一人か二人で飲むぶんには足ります。
鉄の器は、それ自体に重さがあります。満たすと、水の重さに本体の重さが乗ります。大きいものほど注ぐときの負担が増えるので、贈るなら小さいほうが無難です。
抹茶を始めるのに要るのは、茶碗と、泡を立てる茶筅と、粉をすくう茶杓の三つです。三点や四点の組は、この最低限をまとめたものです。ここに抹茶そのもの、茶筅を置く台、粉をふるうもの、抹茶を入れる缶などが加わって、六点や八点になります。
点数が多いほど良いとは限りません。使わない道具が増えるだけのこともあります。これから始める相手なら、抹茶が付いた組にしておくと、届いたその日に一杯点てられます。
茶筅には「80本立」「100本立」といった数字が付きます。竹を割って作る穂の数のことです。数が多いほど穂が細かくなり、泡がきめ細かく立ちます。
ただし、細い穂ほど早く傷みます。80本立は穂が太めで扱いやすく、そのぶん長持ちします。100本立は泡が細かくなるかわりに、傷むのも早くなります。始めたばかりの相手には、80本立のほうが続けやすくなります。
組の中でいちばん目に入るのは茶碗です。美濃焼や瀬戸焼といった産地の名前が書かれていて、その中から茶碗の柄を選べる組もあります。同じ点数でも、茶碗が変わると箱の印象が変わります。
毎日使ううちに、茶の色が内側に付いていきます。色のあるものなら、その変わり方が目立ちません。相手の好みが分からないときは、落ち着いた色にしておくと外しません。
「裏千家」といった流派の名前が、商品名に入っていることがあります。これから習いに行く先が決まっている相手なら、その流派に合わせた組にします。袱紗のような、稽古で使うものが入った組もあります。
家で気軽に一杯点てるだけなら、流派は関わりません。相手が習うつもりなのか、家で飲むだけなのかで、選ぶ組が変わります。習うつもりの相手に家庭向けの組を渡すと、稽古では使えません。
家で一杯点てるだけなら、作法は要りません。組に入っている説明のとおりに湯を注いで、茶筅を振れば飲めます。英語の説明が付いたものもあり、外国から来た相手にも渡せます。
かえって、すでに習っている相手のほうが難しくなります。道具はもう持っていますし、流派で使うものが決まっています。習っている相手に渡すなら、稽古で減っていく抹茶や、袱紗のような小物のほうが重なりません。
いちばん小さいものでも、湯を入れれば重さが出ます。鉄そのものの重さに、水の重さが乗るためです。手首に力の入りにくい相手には、注ぐときの負担が残ります。贈るなら、小さいほうから選ぶと持て余しません。
重さのわりに、置き場所では困りません。台所のコンロに載せておくものなので、しまう場所は要らないからです。相手の台所が直火かIHかだけは、先に確かめておくところです。
湯を沸かす道具か、抹茶を点てる道具か。そこが決まってから、鉄瓶なら内側の加工と大きさ、抹茶なら点数と茶筅が決まります。
毎日湯を沸かす相手には、鉄瓶を。コンロに載せたままにできて、しまう場所も要りません。ただし、相手の台所が直火かIHかは先に確かめる必要があります。手首に力の入りにくい相手なら、0.65リットルほどの小さいほうを。
見た目が似ている鉄の急須は、内側にホーローが掛かっていて、火に掛けられません。「ホーロー加工なし」と書かれているかどうかが、鉄瓶かどうかの目印です。
抹茶をこれから始める相手には、抹茶の付いた組を。届いたその日に一杯点てられます。茶筅は80本立のほうが扱いやすく、傷むのも遅くなります。茶碗の柄を選べる組なら、落ち着いた色にしておくと茶の色が目立ちません。
すでに習っている相手には、道具の組は重なります。稽古で減っていく抹茶や小物のほうが、そのまま使ってもらえます。
鉄瓶で沸かした湯は、そちらへ注いで使うものです。
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