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丸ごと一台のチーズケーキが届くと、その場にいる人が全員そちらを向きます。切り分けて配るまでのあいだが、そのまま集まりの時間になります。持って行った側も、渡して終わりではなく、同じ席に着くことになります。
自分のために一台買うことは、あまりありません。一人では食べ切れない量ですし、切って冷やして、翌日も翌々日も同じものを食べる形になるからです。誰かに渡すため、あるいは人が来る日のために注文します。
選ぶときに最初に決まるのは、焼き方です。ベイクド、ニューヨーク、バスク。同じ「焼いたチーズケーキ」として並んでいますが、この三つでは口に入れたときの味の出方が違います。甘さの強さではなく、酸味が乗るか、焦げの苦みが出るかという分かれ方をします。
この名前で並んでいるものは、どれも焼いて作ります。ただし焼き方が三通りあって、そこで仕上がりが分かれます。商品名の頭に付いている言葉が、焼き方の名前を表しています。
いちばん素直な焼き方です。生地を型に入れて、表面がきつね色になるまで焼きます。焼き色の付いたところに香ばしさが出て、中はしっとりと固まります。
チーズの味がまっすぐ出るので、酸味も甘さも中くらいに収まります。誰に渡しても大きく外れないのはこちらで、相手の好みが読めないときの選び方になります。
同じ焼くにしても、天板に湯を張った状態で焼きます。蒸気が回るので表面が乾かず、しっとりした状態のまま火が通ります。
もう一つの違いが中身です。サワークリームを加えるのが一般的で、そのぶん酸味が乗ります。クリームチーズの割合もベイクドより多くなるので、味が濃くなります。
つまり、濃くて、少し酸っぱいというのがニューヨークの側です。チーズらしさをはっきり出したい相手、洋菓子をよく食べる相手に合います。逆に、甘いものを少しだけ食べる相手には重く感じられます。
高温で一気に焼いて、表面をわざと焦がします。真っ黒と書かれているのは、その焦げのことです。
焦げたところからは、カラメルのような香ばしさが出ます。同時に、焦げの苦みも出ます。この苦みが甘さを引き締めるので、酒を飲む相手や、甘いものが得意でない相手に選ばれます。
中身のほうは酸味が少なく、口の中で溶けるようなやわらかさに仕上がります。焦げの苦みは好みが割れるところなので、甘いものを甘いまま楽しみたい相手には向きません。
チーズの生地の下に、別の生地が敷いてあるものがあります。フォークを入れたときに、そこで手ごたえが変わります。
ベイクドには、砕いたビスケットを固めた土台を敷いたものがあります。タルト生地を先に焼いて、その上に流したものもあります。
こうすると、下から順に食感が変わります。さくっとした土台と、しっとりした生地。一口の中に二つの手ごたえが入るので、食べていて飽きが来ません。
バスクには土台がありません。型に紙を敷いて生地を流し、そのまま焼くからです。上から下まで同じやわらかさで、フォークがすっと通ります。チーズだけを食べている感じが強く出るのはこちらです。
土台に何を使うかは、商品ごとに書かれています。小麦粉のビスケットが多いなかで、米粉と書かれたものもあります。
土台の材料が変われば、口当たりも変わります。米粉のものは、小麦粉のビスケットより歯当たりが軽くなります。グルテンフリーと書かれたものは、土台そのものを置いていないか、小麦粉以外で作っています。
土台のあるものは、切ったときに形が残ります。皿に移しても崩れないので、人数分を並べる場面で扱いやすくなります。
土台の無いやわらかいものは、切ったところから少し垂れます。その場で切り分けて配る予定なら、土台のあるほうが楽です。渡してから相手が自分で切るなら、どちらでも差し支えありません。
4号と書かれたものが並んでいても、手に持ったときの重さは同じではありません。チーズの生地は詰まっているので、背の高さが少し違うだけで、量が大きく変わります。
商品名に重さを入れているものがあります。500グラムを超えるものもあれば、300グラムほどのものもあります。同じ直径でこれだけ開きが出るのは、背の高さと、生地の詰まり方が違うからです。
大きさの表し方が二通りあるので、比べるときは同じほうで見ます。重さが書いてあるものどうしなら、そのまま並べられます。書いていないものと比べたいときは、写真で背の高さを見比べます。
同じ4号でも、案内される人数はケーキの中身によって変わります。チーズケーキだと一人から二人分と書いている解説があり、果物を乗せたタルトなら二人から四人分と案内されます。
中身が詰まっているぶん、同じ直径でも取り分けが小さくなるということです。四人で囲む集まりに持って行くなら、一人分は細めに切ることになります。甘いものをたくさん食べる集まりでなければ、そのほうが最後まで気持ちよく終わります。
逆に、しっかり食べてもらいたい相手や、人数の多い集まりでは、一つ上の号数を見ておきたいところです。
一台の形ではなく、一人分ずつ焼いたものも並んでいます。手のひらに乗るほどの大きさで、いくつか入った箱になっているものです。
一台を切り分ける形と違って、受け取った側が食べる時間を選べます。その場で囲むのではなく、置いておいてもらう渡し方をしたいときは、こちらが合います。
そう焼いたものです。バスクは高温で表面を焦がすので、真っ黒と書いて売られているものもあります。
ただ、そういうケーキがあると聞いたことのない相手だと、失敗した品だと思われることがあります。その場で一緒に開ける渡し方なら、焦げているのが持ち味だと一言添えられます。置いて帰る渡し方をするなら、焼き色の穏やかなほうが安心です。
フロマージュはチーズのことなので、名前だけでは焼いたものかどうかが分かりません。焼いた生地と、焼かずに冷やし固めた生地を重ねたものにも、この名前が付きます。
二層になっているものは、下が焼いた生地、上が冷やし固めた生地という作りです。焼いたものの香ばしさと、冷たいままのなめらかさが一度に入ります。ベイクドやバスクという名前が付いているものが、焼いたものだけの側です。
バスクとベイクドを組にしたものが並んでいます。焦げの苦みが合うかどうかを相手に決めてもらえるので、迷ったときには使えます。
そのかわり、一台あたりは小さくなります。人数の多い集まりに持って行くなら、一種類を大きく取ったほうが行き渡ります。
正午までの注文で翌日に届くと書いたものがあります。焼いた当日に冷蔵で送るという売り方をしているところもあります。
ただし、この書き方をしているものは限られます。日にちに余裕がないと分かった時点で、発送の条件が書かれているものだけに絞って探すほうが早く見つかります。
相手の好みが分かっているかどうかから、三つのうちの一つに絞れます。
甘いものを普通に食べる相手、好みまでは聞いていない相手なら、ベイクドを。焼き色の香ばしさが出るだけで、酸味も甘さも中くらいに収まります。ビスケットの土台があるものを選べば、切っても形が残るので、その場で人数分に分ける集まりにも持って行けます。
洋菓子をよく食べる相手、チーズの味そのものを喜ぶ相手には、ニューヨークを。湯を張って焼いてあるのでしっとりして、サワークリームのぶん酸味が乗ります。濃さがはっきり出るので、少しずつ食べてもらう渡し方に合います。
お酒を飲む相手、甘いものが得意でない相手には、バスクを。表面の焦げから出る苦みが甘さを引き締めます。ただし、真っ黒な見た目に驚かれることがあるので、その場で一緒に開ける相手に向きます。土台が無くてやわらかいぶん、人数分に切り分けるのにも手が要ります。
あちらは焼かずに冷やし固めるので、香ばしさや焦げの代わりに、口当たりの軽さが前に出ます。
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