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小分けの袋になっているので、来客にも、職場にも、あとで帰ってくる家族にも回せます。家で食べるぶんは袋入りで足りてしまうぶん、缶に詰まったものが届くと食卓の真ん中に置かれます。
米菓と呼ばれるこの分野には、せんべい、おかき、あられという三つの名前が出てきます。同じ商品名の中に三つとも書かれていることもありますが、この名前は適当に付いているわけではありません。
もう一つ、入れ物でも分かれます。缶で来るもの、化粧箱に納まるもの、風呂敷に包まれたもの。同じ袋数でも、開けたときの見え方が変わります。
米から作る菓子を分けているのは、まず原料です。せんべいはうるち米、つまり普段の食事で炊いている米から作ります。おかきとあられのほうはもち米です。
うるち米は粘りの成分が少ないので、火を通しても膨らみにくい。もち米は加熱すると膨らむので、同じように焼いても口の中でほどけます。名前が三つに分かれているのは、まずこの原料の違いから来ています。
もち米から作るもののうち、一般に5センチ以上のものをおかき、それより小さいものをあられと呼びます。原料も作り方も同じで、分かれ目は大きさだけ。せんべいとおかきの違いが原料なのに対して、おかきとあられの違いは寸法です。
ややこしいのは、この呼び方が地域で揺れるところ。あられは関東を中心に、おかきは関西を中心に広まった言い方なので、関西では小さいものまでおかきと呼ぶことがあります。商品名に三つとも並んでいても、必ず三種類が入っているとは限りません。
うるち米のせんべいには、焼いたものと揚げたものがあります。焼きのほうも幅が広く、硬く焼き締めたもの、やわらかい口当たりのもの、たれをしみ込ませたぬれせんべいまであります。同じうるち米でも、焼き方でここまで変わります。
揚げたものは、油を通すぶん口当たりが軽くなります。商品名に「手焼き」と書かれていれば一枚ずつ焼いたもの。何も書かれていない詰め合わせは、焼いたものと揚げたものが混ざっていることもあります。
濃い醤油だれは、厚く焼いたものに合わせることが多いところ。生地が薄くて軽いものには、塩や、サラダ油を塗って塩をまぶしたサラダ味が付きます。甘い側では、ざらめや砂糖をまぶしたものがあります。
そこから外れる味の名前も出てきます。味噌を使ったもの、豆を混ぜ込んだもの、マヨネーズで味を付けたもの。詰め合わせは、こうした味違いを何種類か組んだ形が多く、一つの箱に甘い側と塩気の側が同居していることもあります。
商品名に「国産米100%」「新潟米100%」と入ったものがあります。小麦の焼き菓子で粉の産地まで書かれることは多くないのに、米菓では表に出てきます。原料が米だからこそ、そこを掲げる店があるということです。
ただし、産地の表記は味の方向を教えてくれるものではありません。硬いのか軽いのか、甘いのか塩気なのかは、そこからは読めない。選ぶときに見るのは、名前と味付けと袋の数のほうになります。
硬く焼き締めたせんべいは、噛みごたえがあるぶん歯にも顎にも力が要ります。年配の相手や、歯の治療をしている相手だと、手の伸びない袋が残ることがあります。
やわらかい側に入るのは、もち米から作るおかき・あられ、油を通した揚げせんべい、それにぬれせんべい。原料は違っても、口当たりでは同じ側に来ます。もち米のものだけを探すのではなく、この三つを合わせて見ておくと候補が増えます。
商品名には、飲み物と合わせた書き方が出てきます。「お茶うけ」「お茶菓子」とあるものは、甘い側やあっさりした塩味が中心。「ビールに合う」「おつまみ」とあるものは、味の濃いものや油を使ったものが入ります。
どちらの表記もない詰め合わせのほうが多いので、そのときは味の名前から見当を付けます。日中にお茶を淹れる家に置かれるのか、夜に一杯やる横に置かれるのか。そこを思い浮かべてから選ぶと、残る袋が減ります。
「大判」と書かれたものは一枚が大きく、一枚で間が持ちます。来客に一枚ずつ出す場面や、家で腰を据えて食べるときに向く形です。そのぶん、袋の数は少なくなります。
あられのように小さいものは、つまむ単位が細かくなります。人数の多い職場へ回すなら、一袋が軽くて袋数の多いもののほうが手に渡ります。同じ大きさの缶でも、中の一袋が大きいか小さいかで配れる人数が変わってきます。
この分野には、缶に詰めた詰め合わせが並びます。缶の利点は蓋が閉まることで、袋を破いてしまう外袋と違って、残りを入れたまま閉め直せます。開けたときに中身が見渡せるのも缶のほうです。
食べ終わったあとも、入れ物として手元に残ります。そこを喜ぶ相手もいれば、置き場所に困る相手もいる。人数の多い家や、来客のある家なら、大きい缶でも最後まで働きます。
化粧箱に納めたものは、開けるまで中身が見えないぶん、渡すときの体裁が整います。改まった相手や、季節の挨拶として送る場面に向く形です。風呂敷に包んだものもあり、こちらは手で提げていく場面を想定した作りになっています。
同じ袋数でも、缶か箱か包みかで受け取ったときの印象が変わります。宅配で送るのか、相手の家に上がって手渡すのか。渡し方のほうが先に決まっているなら、そこに合う入れ物から絞れます。
米菓は湿気を吸うと、噛んだときの音も歯応えも変わります。一枚ずつ包んであるのは、そこを遅らせるためです。
ただし、個包装のものでも外袋を開けた時点から品質は変わりはじめ、七日から十日ほどで湿気を含んでいきます。缶なら蓋を閉められるぶん時間は延びますが、開け閉めのたびに空気は入るので、止まるわけではありません。
一人暮らしの相手に大きい缶を渡すと、後半の袋は最初と同じ歯応えでは食べられません。相手の家で何日のうちに開け切りそうかを思い浮かべて、袋の数を決めることになります。
香典返しをはじめとする弔事には、熨斗の付いていない掛け紙を使います。熨斗はもともとお祝いの飾りなので、そこが分かれるところ。注文するときに掛け紙を選べるなら、弔事用があるかを見ておきたいものです。
品そのものは、祝いの場面と同じものが使えます。同じ商品の説明に、内祝いと香典返しが並んで書かれているのはそのためです。分かれるのは中身ではなく、掛け紙と表書きのほうになります。
届け日を指定できるのがその日までだ、という意味の表記です。季節に合わせて組まれた詰め合わせに付くもので、夏の挨拶として作られたものなら、夏のうちに届く範囲で日を選べます。
渡す日が先に決まっているなら、この日付を先に見ます。相手の受け取りが遅れそうなときは、余裕のあるものにしておくと日をずらせます。時季と関わりのない詰め合わせにはこの表記が付かないので、渡す日がまだ動くなら、そちらのほうが扱いやすいところです。
せんべいはうるち米、おかきとあられはもち米です。うるち米は膨らみにくく、もち米は膨らんでほどけます。もち米のものは5センチ以上がおかき、それ未満があられ。関東ではあられ、関西ではおかきと呼ぶことが多く、そこは揺れます。
噛む力が落ちている相手には、やわらかい側。おかき・あられだけでなく、揚げたせんべいとぬれせんべいも同じ側に入ります。原料で探すと、この二つが候補から落ちてしまうところです。
個包装でも、外袋を開ければ湿気は入ります。七日から十日で歯応えが変わり、缶で閉め直しても遅くなるだけ。袋の数は、相手の家で何日のうちに開け切りそうかから決めます。
相手の顔が浮かばないなら、缶入りで大きすぎないものを。缶なら残りを閉め直せて、開けたときに中身が見渡せます。配る先の人数が多いときだけ、中の一袋が小さいものへ振り替えます。弔事で渡すなら、熨斗の付いていない掛け紙にします。
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