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# 花・観葉植物
飾っているあいだ、贈った日のことが部屋に残ります。誕生日にも、母の日にも、開店の祝いにも、供養の場にも使える。場面の幅がこれほど広い贈り物は多くありません。
分かれ目は、枯れるものか、枯れないものか、育てるものかです。数日で終わる生花と、二、三年飾れる加工した花と、世話をしながら育てる鉢もの。どれを選ぶかで、渡したあとに相手が使う手が変わります。
そのうえで、祝いの花かお供えの花かで、色も花の種類も別になります。この二つが決まれば、選ぶ範囲はぐっと狭くなります。
花と植物は、渡したあとの時間の流れで分かれます。どれを選ぶかで、相手にかかる手も、飾ってもらえる長さも変わります。
切った花は、数日で枯れ始めます。いちばん美しいのは届いた日で、そこから短い時間だけ続きます。
短いことが弱みとは限りません。誕生日や記念日のように、その日を祝う贈り物なら、終わりがあるほうがきれいに収まります。水を替える手間はかかりますが、飾って、散って、片づける。そこまでがひとつの贈り物になります。
生花に加工をして、水をやらずに飾れるようにしたものです。日本の気候ではおよそ二、三年もつとされます。花びらはしっとりした手触りが残り、染めて作るので色の幅も広く取れます。
花粉や香りが控えめなのも、この形の強みです。水やりの手間もないので、忙しい相手や、花の世話に慣れていない相手にも渡せます。
弱点は置き場所です。高温多湿の場所に置くと、色が流れ出したり、花びらが透けたりします。風呂場に近い棚や、湿気のこもる部屋しか置き場所のない家には向きません。
同じ「枯れない花」でも、こちらは生花を乾かしたものです。手触りはかさかさで、色は落ち着いた方向へ変わります。しっとりした質感が残るプリザーブドとは、見た目も手触りも別のものになります。
生花の色をそのまま残したいならプリザーブド、乾いた風合いを好む相手ならドライ。同じ枠の中で、好みがはっきり分かれます。
土に植わったまま届くものは、世話をしながら長く付き合う形です。花の咲く鉢ものなら、うまく育てば次の年も咲きます。観葉植物は花ではなく葉を見るもので、部屋に置いたまま何年も育ちます。
そのかわり、水やりを続けられる相手でなければ枯れます。留守がちな家や、植物を扱ったことのない相手には、この形が重荷になることもあります。
観葉植物には、土の代わりに人工の粒と水で育てるものがあります。ハイドロカルチャーと呼ばれる形です。
土に含まれる有機物はコバエの発生源になりますが、粒のほうは無機質なので、土から出る虫がほとんど出ません。室内の卓上や玄関に置いてもらうなら、この形が渡しやすくなります。
ただし気温の影響を受けやすく、真夏は水がぬるみ、真冬は冷えて、根が弱ります。年に一度か二度、容器の中を洗う手入れも要ります。手間が消えるわけではなく、手間の種類が変わると考えておくところです。
同じ花でも、渡す場面で色も種類も変わります。ここを取り違えると、受け取った側が困ります。
四十九日が過ぎるまでは、白を中心に、淡い色でまとめた花が選ばれます。赤や濃い色の花は、この時期のお供えには向きません。
定番は白菊です。近年は胡蝶蘭のような洋花を選ぶ人も増えています。仏壇の前に置く前提なら、花瓶が要らないアレンジメントの形が扱いやすくなります。
とげのある花、毒のある花、香りの強い花、つるのある花。この四つは避けるものとされています。
とげや毒は傷や死を思わせるから、強い香りは人によって不快になるから、というのが理由として挙げられます。ただし、故人が好きだった花を選ぶこと自体は差し支えありません。決まりごとと、その家の気持ちのどちらを取るかは、渡す相手との間柄で決まります。
誕生日や母の日なら、家の卓や玄関に置ける大きさへ。開店や就任のような場面では、店や事務所に並ぶ大きさになります。
同じ「祝い」でも、個人の家に届くものと、人目に触れる場所に置かれるものでは、選ぶものが変わります。前者は相手の家の広さ、後者は並んだときの見え方が効きます。
開店や就任の祝いでよく使われるのが胡蝶蘭です。株が何本立っているかで大きさが変わり、三本立ち、五本立ちと増えるほど花の数も増えます。複数の贈り主から花が届く場面では、この差が並べたときに見えます。
立札は、鉢のところに立てるか、花の高さに立てるかを選べます。控えめにしたいなら鉢のところ、贈り主の名前を見せたいなら花の高さです。開店祝いの花は周りの人に開店を知らせる役目も持つので、立札には贈り主だけでなく、届け先の店名も入れます。
同じ花でも、相手の家の様子で当たるものが変わります。生花を選ぶなら届く日まで、鉢ものを選ぶなら世話の続くかどうかまで見ることになります。
生花は届いたその日が見ごろです。留守で持ち帰られ、翌日以降に受け取ることになれば、そのぶん短くなります。
日付を指定できるかどうか、届く日を相手に伝えられるかどうか。ここが読めない相手なら、生花より枯れない花のほうが確実です。手渡しできる相手なら、いちばん咲いた状態で渡せます。
花束は、受け取った人が花瓶に生けて初めて飾れます。花瓶を持っていない家では、届いた日にそこで手が止まります。
そのまま置けるアレンジメントなら、器ごと届くので花瓶を出さずに済みます。相手の家に花を飾る習慣があるかどうかが分からないときは、こちらが無難です。
鉢ものや観葉植物は、水やりが続く前提の贈り物です。旅行や出張の多い相手、家を空けがちな相手には向きません。
その場合に残るのが、プリザーブドフラワーです。水をやらずに飾れて、二、三年もちます。世話をする時間はないけれど、花のある部屋にはしたい相手に合います。
香りの強い花は、部屋の狭い家や、においに敏感な相手には合わないことがあります。花粉の落ちる花も、白い家具のある部屋では嫌がられます。
プリザーブドフラワーなら、香りも花粉も控えめです。ただし湿気には弱いので、そこだけは相手の家の置き場所を思い浮かべてから決めます。
器ごと届くアレンジメントへ。花束は受け取った人が生ける前提なので、花瓶が無い家では手が止まりますが、アレンジメントなら箱を開けてそのまま置けます。
お供えの花でも同じことが言えます。仏壇の前に置くなら、花瓶を用意させずに済む形のほうが、受け取る側の手が減ります。近い間柄なら「花瓶ある?」と一言聞いてしまうのがいちばん早い、という場合もあります。
そうは受け取られにくい形です。プリザーブドフラワーは生花に手を加えて作るもので、水やりが要らず、花粉や香りも控えめだからです。仕事が忙しい相手や、家を空けがちな相手ほど、この形のほうが実際に飾ってもらえます。
気をつけるのは置き場所だけです。湿気と熱に弱いので、風呂場の近くや、風の通らない部屋では色が流れ出すことがあります。そういう置き場所しかない家なら、生花のほうが向きます。
まず、渡したあとの時間で分かれます。生花は数日で終わり、その日を祝う贈り物として収まります。プリザーブドフラワーは水やりが要らず、二、三年飾れます。鉢ものや観葉植物は世話を続ける前提で、部屋に何年も残ります。
次に、祝いかお供えかです。四十九日が過ぎるまでのお供えは、白を基調に淡い色でまとめます。赤や濃い色の花は向きません。とげや毒のあるもの、香りの強いもの、つるの伸びるものも外します。祝いの花は、家に置くのか、人目に触れる場所に置かれるのかで大きさが変わります。
開店や就任の祝いで胡蝶蘭を選ぶなら、立札まで含めて考えます。鉢のところに立てれば控えめに、花の高さに立てれば贈り主の名前がはっきり見えます。開店祝いの花は開店を知らせる役目も持つので、届け先の店名まで入った立札が要ります。
相手の暮らしも効きます。花瓶が無い家には器ごと届くアレンジメントを、家を空けがちな相手にはプリザーブドフラワーを、土から出る虫を避けたい相手には土を使わない観葉植物を。香りや花粉が気になる相手にも、加工した花が逃げ道になります。
誕生日や母の日にその日を祝うなら、器ごと置ける生花のアレンジメントを。四十九日までの供養なら、白を基調にしたアレンジメントを。開店の祝いなら、立札を付けた胡蝶蘭を。世話をする時間のない相手には、二、三年飾れるプリザーブドフラワーを。相手が花をどこに置くことになるかを思い浮かべてから、選んでみてください。
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