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正月や年末に家族がそろう家へ贈るものとして選ばれるのが、ふぐです。自分で買うにはためらう値段のものが多く、もらってはじめて食べるという人も少なくありません。刺身と鍋が一箱に入ったものを選べば、その晩のおかずが買い足しなしでそろいます。
商品名は「とらふぐ刺身4人前」のように、ふぐの種類、料理の名前、人数の三つが並んで書かれています。どれが違っても値段が動くので、この三つを順に決めていくことになります。
届くのはほとんどが冷凍です。ふぐの刺身は冷蔵庫で十時間ほどかけて戻すため、食べる日の前日には相手の手元に着いている必要があります。
ふぐには何種類もあり、料理屋も市場もとらふぐを最も高い値で扱います。同じとらふぐの中でも天然と養殖で値が分かれるので、この二段構えを知っていると商品名の見え方が変わります。
とらふぐは身に弾力があり、ふぐの中でいちばん高く売られています。商品名の頭に「とらふぐ」と入っているものは、それを使っているという意味です。
種類を書かずに「ふぐ」とだけ名乗るものには、まふぐなど身のやわらかい種類が使われていることがあります。まふぐを前に出す店は「真ふぐ」と書くので、そう書いてあれば中身が分かります。困るのは種類名がどこにも無いもので、そのときは値段の安さが種類の違いから来ていると考えたほうが近くなります。
天然のとらふぐは獲れる量が少なく、養殖の五倍から六倍の相場になることも珍しくありません。贈り物として並んでいるものの大半は養殖です。
養殖のとらふぐでも、ほかの種類の天然ふぐより高く扱われます。天然でなければ見劣りする、という関係ではありません。予算を上げるときは、天然を探すより、人前の表記を大きくするか料理の入っているものを選ぶほうが、届いた食卓の見た目に出ます。
薄く引いた刺身にすると、養殖は身が真っ白になり、天然はうっすら赤みを帯びます。噛んだときも、天然は締まってコリコリと歯に当たり、養殖はそれよりやわらかく感じられます。
この差が分かるのは、何度も食べている相手です。はじめて食べる相手には、色や歯ざわりより、皿に並ぶ量と品数のほうが目に入ります。
商品名の「てっさ」は薄く引いた刺身を指す関西の呼び方です。「ふぐちり」「てっちり」は、身と、骨のまわりの肉が付いたアラを、ぶつ切りにして煮る鍋を指します。
並んでいるのは、刺身だけのもの、鍋だけのもの、両方が一箱に入ったものです。そこに、皮を湯に通して締めた湯引きや、干して味を寄せた一夜干しが加わることもあります。同じ人前の表記でも、刺身だけと両方入りでは、その晩に食卓へ並ぶ皿の数が変わります。
ふぐの刺身は薄く引いてあるぶん、戻し方で口当たりが変わります。戻すのに半日近くかかるので、相手が食べる日から届ける日を決めることになります。
袋に入れたまま冷蔵庫へ移し、十時間ほどかけてゆっくり戻します。急に温度を上げると水分が抜けて旨味が流れ、歯ざわりも落ちます。常温に出したり、水に浸けたりする戻し方は向きません。
当日の朝に届く指定にすると、その晩の食事には間に合いません。半日前には冷蔵庫へ入っている必要がある、と考えて日付を決めます。
一度戻したものは、その日のうちに食べる前提です。何日かに分けて食べられるものではないので、その晩に食べきれる人数がいる家かどうかを先に考えます。
一人か二人で暮らす相手に大きい人前を送ると、余ったぶんが無駄になります。人数が読めないときは、小さい人前にしておくほうが相手を困らせません。
数は多くありませんが、冷蔵のまま送るものもあります。戻す時間が要らないので、届いた日にそのまま食卓へ出せます。そのかわり日持ちはごく短く、届いた日と食べる日をそろえてもらうことになります。
生ものなので、冷凍も冷蔵も玄関前に置いていくことができません。どちらを選んでも、相手が家にいる日を先に聞いておくのは同じです。そのうえで、日をずらせるぶん冷凍のほうが年末年始には扱いやすくなります。
商品名の人前は「4〜5人前」のように幅を持たせて書かれています。この幅のどちらを読むかで足りる人数が変わり、刺身だけか鍋も入るかで並ぶ皿の数が変わります。
二〜三人前、四〜五人前、五〜六人前と、どれも二つの数字で書かれています。ふぐだけで一食を済ませるつもりなら、少ないほうの数字を人数と考えます。四〜五人前なら四人分です。刺身は薄く引いてあるので、皿の面積のわりに量が軽いためです。
ほかにも料理が出る家なら、多いほうの数字で足ります。年末の食卓のように、ほかの品と並べて一皿として出すなら、四〜五人前で五人に回せます。
刺身のほかに、ふぐ皮の湯引き、鍋用のアラ、一夜干しが付くものがあります。湯引きは皮を湯に通して締めたもので、こりこりとした歯ざわりが刺身とは別の一品になります。アラが入っていれば、刺身を食べ終えたあとに鍋へ移れます。
これらは商品名に書かれているものだけが入っています。同じ人前でも、刺身だけのものと一式そろったものでは、食卓に出せる皿の数が二つ三つ違います。
刺身を薄く広げて並べるには、大きく平たい皿が要ります。家庭には無いことも多いので、盛り付けた状態の皿ごと届くものがあります。
受け取った家は箱を開けて食卓に置くだけで済み、並べ直す手間がかかりません。ふだん来客のない家や、台所に立つ人が高齢の家へ送るなら、この形にしておくと当日の負担が減ります。
高い食材ですが、選ぶときに迷うのは値段ではありません。相手の家に何人が座るか、その日に台所へ立つ人がいるか。この二つで、選ぶ人前と料理の組み合わせが変わります。
刺身と鍋が一箱に入ったものを、集まる人数に当てはめます。刺身を食べ終えたあと、残ったアラで鍋に移り、最後に雑炊まで進めるので、その晩の食事がひと通りまかなえます。届く日は、集まる日の前日までに指定します。年末は配送が混み合うため、日付を指定できるかどうかを注文のときに見ておくことになります。
刺身だけのものか、皿ごと届くものが向きます。鍋の一式は下ごしらえと後片づけが増えるので、二人で暮らす家では負担のほうが大きくなります。人前は、二人なら二〜三人前で足ります。自分では買わない値段のものなので、量を増やすより、商品名に「とらふぐ」と入っているものを選ぶほうが、食べたときの違いに出ます。
熨斗を掛けて表書きを入れてもらえるかは、注文のときに指定する欄があるかどうかで分かります。ふぐは山口県の下関で長く扱われてきた魚なので、箱や熨斗に産地の名前があれば、受け取った相手も封を切る前にどこの魚か見当が付きます。
ただし生ものなので、相手の在宅が分からないところへは送りにくくなります。受け取れる日が読めない相手なら、常温で置ける別のものにするほうが確かです。
最初に見るのは、商品名の頭に「とらふぐ」と書いてあるかどうかです。種類名がどこにも無いものには、身のやわらかい別の種類が使われていることがあります。天然と養殖では五倍から六倍の差が付きますが、贈り物に並ぶのはほとんどが養殖で、それでもほかの種類の天然より高く扱われます。
次が届き方です。冷凍のものは冷蔵庫で十時間ほどかけて戻し、戻したら当日中に食べきります。集まる日の前日には相手の手元に着くよう、日付を指定します。
人前は幅で書かれています。ふぐだけで一食を済ませるなら少ないほうの数字を人数と考え、ほかにも料理が出るなら多いほうで足ります。皮の湯引きやアラが付くかどうかも商品名に出ているので、皿の数を増やしたいならそこで選べます。
年末年始に家族がそろう家なら、刺身と鍋が一箱に入ったものを、集まる人数を少ないほうの数字に当てはめて選びます。二人で暮らす両親へなら、皿ごと届く刺身だけのものが、当日の台所を増やしません。ふぐを何度も食べている相手には、天然と書かれたものを。皿に並べたときの赤みで、いつものものと違うと気づいてもらえます。
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