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スーツに合わせる小物のなかで、本人は後回しにしがちなのがネクタイピンです。無くても困らないけれど、あると胸元が締まる。贈り物として渡す意味があるのは、そこです。
先に決まるのは、どの留め方を渡すかです。「ネクタイピン」という一つの名前でくくられていますが、挟むものと、針を通すものでは扱いがまるで違います。針を通すものはネクタイに穴が残るので、そこを知らずに選ぶと、相手のネクタイを傷めることになります。
もう一つ、使う場面で色と光り方が変わります。就活、日々のビジネス、結婚式、そして弔事。同じ一本ですべてをまかなえるわけではありません。
「ネクタイピン」は一つの名前ですが、留め方はいくつかに分かれます。商品名にもタイバー、タイクリップ、タイタックという語が出ます。
ただし呼び名と留め方は、きれいに一対一で対応していません。タイバーとタイクリップはどちらも「挟むもの」を指して使われることが多く、同じ商品に両方の語が並んでいることもあります。見分けるのは名前ではなく、商品ページの写真のほう。バネの付いた口があるか、板を折り返しただけか、裏に留め具の付いた針があるか。そこで決まります。
ワニ口のように開いて、ネクタイとシャツを一緒に挟む形です。バネが働くので、厚みの違うネクタイにも合い、落ちにくい。
着け外しがいちばん早く、扱いに迷いません。ネクタイピンを初めて使う相手や、毎日締める相手に向きます。ネクタイに何も残らないのも、贈り物として気楽なところです。
バネの無い、まっすぐな板を折った形です。装飾を抑えたものが多く、見た目がすっきりするのが持ち味になります。
挟む力はバネのものより弱いので、厚みのあるネクタイでは緩むことがあります。そのかわり、強く食い込まないぶん、生地への負担も軽い。
ピンバッジのように、針をネクタイに通して、裏で留め具を留める形です。位置がずれにくいのが利点で、飾りの付いたものもここに入ります。
ただし針を通すぶん、ネクタイのほうに穴が空きます。同じところに付け続けると、その穴が広がっていく。気に入って毎日使うほど、ネクタイが傷んでいきます。
贈り物として渡すなら、そこを承知している相手かが分かれ目になります。読めないなら、挟む形のほうが無難です。
ネクタイの幅より長いネクタイピンは、そもそも付けられません。横にはみ出して見えるからです。ここは好みではなく、寸法の話になります。
ネクタイのいちばん広いところは、7.5から8センチが標準です。その四分の三にあたる6センチ前後が、収まりのよい長さになります。市販のネクタイピンで5から6センチのものが多いのは、この幅に合わせているからです。
ネクタイの幅を超えると、横にはみ出して目に付きます。逆に短すぎると、胸元で頼りなく見えます。四分の三という目安は、その両方を避けるところにあります。
幅4から6センチほどのネクタイは、ナロータイと呼ばれます。商品名にもこの語が出ます。
幅5センチのネクタイに6センチのピンを合わせれば、はみ出します。この場合は4センチ前後を探すことになります。細いネクタイを締める相手かどうかが、そのまま長さの分かれ目です。
相手のネクタイの幅は、写真を見返せば見当が付きます。分からないなら、標準の幅に合う5から6センチから選んでおけば、大きくは外しません。幅の広いネクタイに短いものを合わせても、はみ出すよりは目立ちません。
ネクタイピンの本来の役目は、ネクタイをシャツに留めて、前へ垂れるのを防ぐことです。ただし扱いやすい生地のネクタイが増えたぶん、実用の道具というより装飾品としての意味合いが強くなったと言われます。
つまり選ぶときに効くのは、留める力より見え方のほう。色、光り方、長さ。相手の胸元に合わせるほうが、実際に使ってもらえます。
商品名には就活、面接、ビジネス、結婚式、冠婚葬祭と、場面が並びます。それぞれで求められる見え方が違います。
葬儀の場では、華やかにならないよう、ネクタイピンは付けないのがしきたりとされています。ここが分かっていないと、贈った一本が使われずに終わります。
どうしても付ける場面があるなら、光沢のない、喪服と同じ暗い色。黒のものがそれにあたります。ただし基本は「付けない」ほうなので、弔事のために一本贈る、という選び方はしません。
「冠婚葬祭に」と書かれた商品を見ても、葬のほうは付けない前提だと考えておくと、渡した相手を困らせません。
弔事とは逆で、こちらは光ってよい場です。銀や金で、程よくつやのあるもの。
日々の仕事と結婚式を一本でまかないたいなら、落ち着いた銀。つや消しでも派手な鏡面でもない、中間のところ。弔事は付けない前提なので、一本でまかなう範囲もそこまでです。
商品名に「就活」「面接」と書かれたものがあります。ただし面接をする側はほとんど気にしていないので、わざわざ付ける必要はないというのが通っている見方です。
それでも付けるなら、飾りのないシルバー。石が付いたものや金色は、この場面には向きません。就活を控えた相手へ贈るなら、面接のためではなく、入社してからの毎日のために選ぶほうが長く使われます。
名入れに応じるものがあります。節目の贈り物として渡すなら、そこが効きます。
ただし刻んだあとは戻せません。交換も、人に譲ることもできない。ネクタイを締めない仕事の相手なら、名前入りの一本が引き出しに残ります。節目に合わせて渡すものなので、その先も締め続ける人かを見てから決めることになります。
色を変えるのが素直です。銀を持っている相手なら金。日々の仕事では銀、人の集まる席では金というように、場面で使い分けられます。
長さを変えるという手もあります。標準の長さのものを持っている相手に、細いネクタイ用の短いものを。ネクタイの幅が変われば使う一本も変わるので、二本目が引き出しで眠りません。
針で留めるものは、二本目でも勧めにくい。ネクタイに穴が残る形なので、その人がそれを承知して選んでいるかどうかが分からないうちは、避けておくほうが安全です。
裏側に刻む形なら、着けているときには見えません。人前で使う場面を選ばずに済みます。表に刻むものもあるので、どちらの面に入るかは商品ページで確かめておくところ。
困るのは、その人がネクタイピンを使わなかったときです。刻んだあとは交換も譲渡もできないので、名前の入った一本が引き出しに残ります。ネクタイを締めない職場もあります。普段の胸元が思い浮かばないなら、刻まないものから入るほうが安全です。
先に決まるのは留め方です。バネで挟むものは扱いが楽で、ネクタイに何も残りません。板を折り返しただけのものは見た目がすっきりする代わりに、厚いネクタイでは緩むことがあります。針を通すものは、ネクタイに穴が残ります。位置がずれにくい利点と引き換えなので、相手がそこを承知しているか読めないなら、挟む形へ。
名前で見分けようとしないこと。タイバーとタイクリップは同じものを指して使われることがあり、商品名だけでは留め方が決まりません。見るのは商品ページの写真です。
長さは、相手のネクタイの幅で決まります。標準の幅は7.5から8センチ。その四分の三の6センチ前後が収まります。細いナロータイを締める相手なら、4センチ前後まで短く。幅を超えると、横にはみ出します。
場面で色が変わります。結婚式には程よくつやのある銀や金。弔事では、そもそも付けないのがしきたりなので、弔事のために一本贈るという選び方はしません。就活の場でも要らないとされています。日々の仕事と祝いの席を一本でまかなうなら、落ち着いた銀です。
名前を刻めるものがあります。節目の贈り物として効きますが、刻んだあとは戻せません。相手がネクタイピンを使う人かどうかが読めないなら、刻まないものから入るほうが安全です。
これから毎日スーツを着る相手へなら、飾りのない銀の、挟む形を。扱いに迷わず、仕事の日にも祝いの席にも通ります。昇進や退職の節目へ渡すなら、名前を刻んだ一本を。裏に入れれば人目には触れず、渡した日のことだけが残ります。
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