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花を贈りたいけれど、相手に世話をさせたくない。水を替える手間も、日に当てる場所も要らないのがハーバリウムです。置いておくだけで、花は液体の中で形を保ったままになります。
ただ、見た目が似ていても、瓶の中の液体は二種類に分かれます。この差が、寒い部屋での見え方と、花の色の持ちに出てきます。商品名には書かれていないことが多く、商品ページの説明のほうに書かれています。
そして、いつまでも同じ姿ではありません。きれいに見えるのは一年ほどで、そのあとは花の色が抜け、液体の色も変わっていきます。「枯れない花」とは書かれていますが、ずっとそのままではありません。
ミネラルオイルは流動パラフィンとも呼ばれ、化粧品にも使われている油です。原料が安く手に入るので、こちらを使った商品のほうが売り値も下がります。
シリコンオイルは、そのぶん値が張ります。同じ大きさ、同じ花材でも値段の違う商品が並んでいたら、この差であることがあります。オイルの名前は商品名にまず出てこないので、商品ページの説明のほうに書かれています。
二つの違いがいちばん出るのは、色の持ちです。ミネラルオイルに浸した花のほうが、シリコンオイルのものより早く色が抜けていきます。長く同じ色で見てもらいたいなら、値段が上がってもシリコンオイルのものを選ぶ理由があります。
もう一つ、ミネラルオイルはマイナス10度を下回ると濁り始めます。日本の住まいの中でそこまで冷えることはまずないので、こちらが問題になる場面はほとんどありません。値段の差を判断するなら、色の持ちのほうで考えます。
生花をそのまま入れると、水分が残っているのでオイルの中で傷みます。使われているのは、水分を抜いて加工したこの二つのどちらかです。
プリザーブドフラワーは、色が鮮やかに出ます。生花では珍しい青や水色も並ぶので、瓶の中で色をそろえたいならこちらです。ドライフラワーは乾かしただけなので、茶色や緑がかった色になります。花びらが取れやすく、瓶の底に小さな欠片が沈んでいることがありますが、それも含めて自然な見え方を好む人がいます。
同じ瓶に入れても、花が上に集まるものと、下へ落ち着くものに分かれます。スターチスのような小さな花は底のほうに沈みます。軽い花材は、注いだオイルの中で上へ寄ります。
かすみ草は染めたものが多く出回っているので、色を選べます。細かい枝が広がるので、ほかの花のあいだに余白ができます。あじさいは薄い花びらが光を通すので、量のわりに重たく見えません。バラを一輪だけ入れて周りを小さな花で囲んだものは、見る角度が変わっても中心がぶれません。瓶の写真でどの高さに何があるかを追っておくと、届いたときの見え方が読めます。
まっすぐな筒の形をしたものが基本で、100ミリリットル、150ミリリットル、200ミリリットルと大きさが分かれます。数字は中に入る液体の量なので、同じ200ミリリットルでも、細くて背の高いものと、太くて低いものがあります。置き場所を思い浮かべるときに要るのは、量ではなく寸法のほうです。
円柱が多いのは、曲面がオイルの向こうの光を曲げるからです。同じ花を入れても、平らな面越しに見るより大きく、厚みがあるように見えます。花を大きく見せたいなら、この形です。
四角い柱の形をした瓶は、平らな面が四つあるので、面ごとに違う景色が見えます。曲面のゆがみがないぶん、花の輪郭がそのまま見えます。六角のものも同じで、面の数だけ見る角度が増えます。大きく見せるより、形をそのまま見せたいときはこちらです。
香水瓶のように下へすぼまったテーパー型は、背が低めに作られています。花材の浮き沈みに悩まされにくい形だと言われていて、瓶の中ほどに花が収まります。ハート型のものもありますが、渡す相手は恋人や、若い人への誕生日あたりに絞られます。
台と組んで売られているものがあります。下から光を通すので、暗い部屋で花の輪郭が浮かびます。同じ瓶を二本、積み重ねて飾れる作りのものもあり、後から買い足して並べられます。
ただし台が付くぶん、置く場所は広めに要ります。渡す相手の家に、そこまでの空きがあるかどうかが先に来ます。置きたい場所に収まるかどうかは、台を含めた寸法のほうで見ます。
生花なら水を替える日が来ますし、鉢植えなら日に当てる場所を相手に空けてもらうことになります。ハーバリウムはどちらも要りません。花を飾る習慣のない相手にも、手間を渡さずに済みます。
洗面所や玄関のような、植物を置きにくい場所にも置けます。職場の机に置く人もいます。土がないので、虫がわくこともありません。
色が抜けるのも、オイルの色が変わるのも、直射日光がいちばん早めます。見た目からいえば、光の入る窓辺こそ映える置き場所です。ところが、そこに置くと一年もたずに色が抜けていきます。
相手の家のどのあたりに置かれるか見当がつくなら、そこに合わせて選べます。窓辺しか空いていなさそうなら、小さめのものにして値段も抑えておくほうが、色が変わってきたときに引きずりません。日の入らない玄関や廊下に置いてもらえそうなら、大きいものでも長く見てもらえます。
瓶はガラスで、中身は液体です。高いところから落ちれば割れて、オイルが広がります。小さな子どもや猫のいる家では、置ける場所がかなり限られます。
手の届かないところへ飾ってもらえば落とされずに済みますが、そのぶん見上げることになって、上から覗き込む形に作られたものは見えなくなります。相手の家の様子が分からないときは、背の低いもの、底の広いものを選んでおくと安定します。
一年ほどで花の色が抜けてくると、いつかは片づける日が来ます。中のオイルは排水口に流せないので、瓶をゆすいで捨てるだけでは終わりません。片づけにひと手間かかります。
値の張るものほど、手を付けにくくなります。飾る期間と、そのあとの始末までを込みで渡す形になるので、物の入れ替えを苦にしない相手なら大きいものを、そうでなければ場所を取らない小さいものを選ぶことになります。
液体の入ったガラス瓶なので、荷物の中では気を遣う部類に入ります。段ボールに詰めるとき、割れ物として別扱いになりますし、横に倒したまま長く運ぶのも避けたいところです。
数年ごとに家が変わると分かっている相手なら、100ミリリットルくらいの小さいものを。手のひらに載る大きさなら、かばんに入れて自分で運べます。台の付いた大きなものは、置き場所が決まっている家に向きます。
オイルや花材、瓶を別々に買える売り方があるので、材料をそろえて渡すことはできます。ただし、相手が自分で手を動かす人かどうかで結果が変わります。
作らないまま置かれる心配があるなら、出来上がったものを渡すほうが確かです。逆に、相手がすでに何かを作る趣味を持っていて、花材を選ぶところから楽しんでもらえそうなら、材料のほうが長く遊べます。オイルは1リットル単位でも売られているので、瓶を何本か作れる量になります。
相手の家のどこに置かれるか。瓶の中身。瓶の形と大きさ。この順に決めていくと、選ぶ範囲が狭まります。
置き場所がいちばん先です。日の当たる窓辺しか空いていなさそうなら、色が抜けるのは早くなるので、小さめのものへ。日の光の入らない場所に置いてもらえるなら、大きいものを選んでも一年は持ちます。小さな子どもや猫がいる家なら、背の低い100ミリリットルのものが落ち着きます。
中身は、オイルと花の二つです。シリコンオイルのほうが色の抜けが遅く、そのぶん値段は上がります。花がプリザーブドフラワーなら鮮やかな色に、ドライフラワーなら茶色や緑がかった色になります。
形は、花を大きく見せたいなら円柱、輪郭をそのまま見せたいなら角のあるもの。台と組んだものは、下から光を通せるかわりに置く場所を取ります。
どれを選んでも、きれいに見えるのは一年ほどです。
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