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いくらを丼に広げれば、それだけで一食が特別になります。値の張る食材で、ふだんの買い物では手が伸びにくいぶん、届くと歓迎されます。冷凍のものなら長く置けるので、相手が食べたい日まで取っておけます。
まず分かれるのは、いくらか筋子かです。同じ鮭の卵ですが、粒が離れているか、膜でつながったままかで、食べ方も味の出方も変わります。
もう一つの分かれ目が、粒の大きさです。同じ「いくら」でも、鮭の卵と鱒の卵では大きさと値段が違います。
いくらの多くは、秋に川へ戻ってくる鮭の卵です。卵が成熟して一粒ずつ離れるようになってから、膜を取ってばらし、醤油や塩の調味液に漬けます。透明感のあるオレンジ色で、粒が大きく、口に入れるとぷちっと弾けます。
一粒ずつ離れているので、飯の上に散らせば全体に行き渡ります。丼にしたときに絵になるのは、粒が離れているからです。皮が薄く、味も穏やかなので、魚卵を食べ慣れていない相手にも渡しやすくなります。
同じ卵でも、成熟する前に取り出したものは、粒が膜でつながったままです。これを卵巣の膜ごと塩漬けにしたのが筋子です。赤みが強く、粒はいくらより小さく、皮もしっかりしています。
塩で漬けてあるぶん味が濃く、噛むと塩気と旨みが後から出てきます。一度に食べる量はいくらより少なくて済むので、飯の供や酒の肴として少しずつ出す形に向きます。
筋子は一腹のまま届くものと、あらかじめ切り分けてあるものに分かれます。一腹のものは自分で切ることになるので、包丁を入れる手間と、切り口から粒がこぼれる面倒が付いてきます。ひと口の大きさに切ってあるものなら、皿に並べるだけで出せます。台所に立つ時間の短い相手には、切ってあるほうを。
丼にして家族で囲むなら、粒の離れているいくらです。散らして混ぜるだけで一食になります。人数分の量が要るので、まとまった重さのものを選ぶことになります。
一方、飯の脇に少しずつ出す食べ方や、晩酌の相手なら筋子が合います。味が濃いので、ひと切れでも卓が締まります。どちらも同じ鮭の卵ですが、渡したあとの食卓は別のものになります。
商品名に「鮭いくら」「鱒いくら」と別々に書かれているのは、卵を産んだ魚が違うからです。鮭の卵は粒が大きく、色も濃く出ます。鱒の卵は小ぶりで、国産のものなら鮭卵より手ごろな値段に収まります。
粒の大きさは魚の種類で決まるもので、育ち方や質の差ではありません。「粒は小さいけれど味は抜群」と書かれた商品が並ぶのは、大きさと味が別のものだからです。見た目で驚かせたいなら大粒の鮭卵を、量を渡したいなら鱒卵を、と分けられます。
鱒の卵にも産地の違いがあります。北欧から来るものは値が張りますが、色がきれいに出て、味は甘口に寄ります。国産の鮭卵より高い値が付くこともあるので、鱒だから安いとは限りません。
値段の見方としては、粒の大きさだけを見ないことです。魚の種類、産地、漬け方まで含めて値が付きます。同じ重さで値段が違うときは、そのどれかが違っています。
漬け方は大きく二つです。醤油漬けは甘みとこくが乗るので、飯と合わせたときにまとまります。贈り物として並ぶいくらは、醤油漬けが定番です。
塩漬けのほうは、卵そのものの旨みが立ちます。粒の弾ける感じも強く出るので、素材の味で食べたい相手に向きます。筋子は塩漬けが基本ですが、醤油に漬けた筋子もあり、そちらは塩気が穏やかになります。
飯を150グラムよそって、その上にいくらを50グラム散らすと、ちょうど飯が隠れます。これが一杯の目安です。軍艦巻きなら一貫に10グラムほど。
ここから数えると、250グラムで五人分。惜しまず盛るなら三人分です。四人の家に丼を一度出してもらうなら200グラムで足りますが、余裕を持たせるなら250グラム。二度出してもらうつもりなら500グラムです。相手の人数と、何回分を渡したいかを掛け合わせて決めます。
冷凍で届くものは、解かしたら一日か二日で食べきる食材です。一袋に500グラム入っていると、その二日で500グラムを片づけることになります。
解かすのは冷蔵庫に移して半日ほど。前の晩に移しておけば翌日の昼には食べられるので、食べる日の前の日に段取りが要ります。急に思い立って出せるものではありません。
250グラムずつ二つに分かれていれば、半分だけ解かして残りは凍らせたままにできます。70グラムほどの小さな袋がいくつも入るものなら、一人暮らしの相手でも無理がありません。重さの合計だけでなく、中が何袋に分かれているかも確かめておくと、渡したあとの困りごとが減ります。
冷蔵で届くものもあります。こちらは解かす手間が要らず、届いたその日に食べられる代わりに、日持ちは数日です。相手が家にいる日が分かっているなら冷蔵、日を選べないなら冷凍、という分け方になります。
家族が集まる日に丼で出してもらうなら、まとまった重さのものを一袋で。人数分を一度に盛るので、一袋のままで困りません。
反対に、二人暮らしの家や、少しずつ食べる相手なら、小分けのものへ。筋子ならもともと味が濃いので、ひと切れずつでも食卓が持ちます。渡す相手がどちらの食べ方をするかで、同じ重さでも選ぶものが変わります。
原料が獲れるのは秋です。いくらの旬は九月から十一月の初めまでで、秋鮭が上がる時期と重なります。この三か月ほどのあいだに一年分が作られて、冷凍で保管されます。旬の中でも九月の下旬から十月の中ごろのものは、味と食感のつり合いが取れているとされます。
ただし、贈る時期のほうは選ばなくて構いません。秋に作られたものが冷凍で回っているので、一年中どの月でも同じものが買えます。秋に贈るときだけ「新物」と書かれたものが出るので、そこを選べば旬の言葉を添えられます。
決めるところは、いくらか筋子か、粒の大きさと漬け方、そして量です。
いくらと筋子は、同じ卵の別の段階です。成熟してから一粒ずつほぐしたのがいくらで、粒が大きく皮が薄く、丼に散らすと絵になります。成熟する前に卵巣の膜ごと漬けたのが筋子で、粒は小さく皮がしっかりして、噛むほど塩気と旨みが出ます。家族で丼を囲むならいくら、飯の供や酒の肴として少しずつなら筋子へ。
大粒か小粒かは、鮭の卵か鱒の卵かで決まっています。鮭の卵は粒が大きく色も濃く、国産の鱒卵は小ぶりで手が届きやすい。ただし北欧から来る鱒卵は高値が付くので、鱒だから安いとは限りません。漬け方では、醤油漬けが飯に寄り、塩漬けが卵そのものの味に寄ります。
量は一人前50グラムから割り出します。丼一杯で50グラム、250グラムで五人分、惜しまず盛るなら三人分。そのうえで効いてくるのが、中が何袋に分かれているかです。解かしたら一日か二日で食べきるので、小分けかどうかがそのまま渡しやすさを決めます。
家族の集まる家へなら、鮭卵の大粒を500グラム一袋で。丼にして囲めば、それだけで食卓の中心になります。二人暮らしの家には、合計500グラムが250グラムずつ二袋に分かれたものを。半分ずつ解かせば、二度の楽しみになります。晩酌をする相手には切り分けてある筋子を。ひと切れで卓が締まるので、何日かに分けて出してもらえます。
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