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練り物の詰め合わせは、切って皿に載せるだけで一品になります。受け取った家の手間が増えず、酒の肴にも、朝の味噌汁の実にも回るので、余らせずに使い切ってもらえます。自分では箱で買うことのないものでもあります。
選ぶときに最初に決まるのは、箱に何が入っているかです。蒸したものだけの箱と、揚げたものだけの箱と、両方が混ざった箱があって、届いてからの手数が変わります。
かまぼこのように蒸して固めたものは、包みを開けて切れば、それで食卓に出せます。皿が一枚あれば足ります。届いた日に何も用意しなくてよいので、忙しい家でも箱が開きます。
冷たいまま食べるものなので、温めると身が縮んで固くなります。せっかくのやわらかさが落ちるので、蒸したものは手をかけないほうがおいしく食べられます。
さつま揚げのように油で揚げたものは、そのままでも食べられますが、オーブントースターや魚焼きの網で温めると、表面が立って揚げたてに近い食感に戻ります。温めたものは、冷たいまま食べるのとは別のものになります。
つまり、同じ箱の中に、手をかけないほうがよいものと、手をかけたほうがよいものが同居します。種類の多い箱ほど、この二つが混ざります。相手が台所に立つ人かどうかで、向く箱が変わります。
日持ちの長さも、この二つで分かれます。揚げたものは冷凍しても食感が大きく崩れません。蒸したものは冷凍すると水が抜けてすかすかになるので、冷蔵のまま置くしかありません。
一人暮らしの相手に大きな箱を渡すと、蒸したもののほうから食べきれなくなります。人数の少ない家には、小さい箱にするか、揚げたものが多く入ったものにすると、傷ませずに済みます。
種類が増えるほど値段は上がります。作る手間が種類の数だけかかるからです。七種、八種と書かれた箱は、そのぶん一つあたりが小さくなっていることもあります。
冷蔵で届くものは、送料のほうも上がります。常温で送れるものと箱の値段が同じに見えても、届くまでにかかっている手間が違います。値段だけを並べて比べると、送料の差が見えません。
さつま揚げの本場は鹿児島で、串木野や枕崎に古くからの店が集まっています。鹿児島の名前が付いた箱は、中身が揚げたものだけになります。魚のすり身に、地の焼酎や砂糖を混ぜて甘みを付けたものが多く、関東で売られているものより味が濃く感じられます。
七種、八種と入っていても、ごぼう、いか、きくらげ、じゃこと具は違うだけで、作り方はどれも同じです。鹿児島の箱には切って出すものが入っていないので、届いたら温めるという一手で通せます。
富山のかまぼこは板に載っていません。すり身を昆布で巻いて渦を巻いた形のものや、鯛や鶴の形に作った細工のものがあります。祝いの席で配る習わしが残っている土地なので、めでたい形のものがそのまま箱に入ります。
チーズやくるみを入れて棒の形にしたものも、この土地から出ています。切らずにそのまま食べられるので、酒の肴として渡す相手にはこちらが合います。
「かまぼこ」と聞いて思い浮かべる形は、人によって違います。板に載った半月の形を思っている相手に、渦を巻いたものや揚げたものだけの箱が届くと、想像と離れます。悪いものが届いたわけではないのに、開けた瞬間の印象がそこで落ちます。
商品名には土地の名前が入っていることがほとんどなので、そこを見れば、どの形が入るかは先に読めます。相手がその土地のものを食べ慣れているか、初めてかで、選ぶ箱が変わります。好みが分からない相手には、蒸したものと揚げたものが両方入った箱のほうが、どこかは当たります。ただし、扱いの違うものが同じ箱に入ります。
練り物には、冷やして届くものと、常温で置けるものがあります。冷やして届くものは、受け取る人が家にいなければ玄関の前に置いておけません。留守の多い相手に何も言わずに送ると、再配達の手間をかけてしまいます。
日付を指定できるものなら、相手に一言聞いてから決めます。年末や連休の前は、届く日が動くこともあります。渡す日が決まっている贈りものなら、届く日が動くことまで見て注文する必要があります。
棒の形に固めたものや、包みを密封したものには、常温で置けるものがあります。冷蔵庫の空きを気にせず渡せるので、訪ねる家への手土産なら、常温のものが安心です。
相手の冷蔵庫がどれだけ空いているかは、こちらからは見えません。年末に大きな箱を送ると、正月の食材で埋まったところへ入れてもらう形になります。持って行く場合も送る場合も、常温のものなら相手の家の都合を選びません。
一つずつ包まれているものは、食べるぶんだけ開けられます。残りは包まれたままなので、何日かに分けて出せます。一人か二人の家には、この形のほうが食べきれます。
裸で並んだものは、開けたらまとめて使う形になります。人数の集まる家や、正月のように一度に出す場面なら、そちらのほうが向きます。相手の家に何人いるかで、包み方から決めることもできます。
練り物は、すり身にしてから固めてあるので、魚の形も骨も残っていません。においも焼き魚ほど立ちません。魚をそのまま食べるのは苦手でも、これは食べるという人は珍しくありません。
それでも心配なら、チーズを入れたものや、ごぼうといった具の入った揚げたものを。魚の味が前に出ないぶん、口に入れやすくなります。逆に、魚の味をはっきり出した高級なものは、慣れている相手のほうが喜びます。
正月に出すつもりなら、暮れのうちに届くようにします。ただし、年末は届く日が動きやすく、相手の冷蔵庫も詰まっています。二十七日から二十九日あたりを目安に、相手に都合を聞いてから決めます。聞かずに大きな箱を送ると、置き場所で困らせます。
紅白の色の付いたものや、めでたい形に作ったものは、正月に合わせて出てきます。年が明けてから渡すなら、そうした形にこだわらず、日持ちのする揚げたものの箱にしておくほうが、慌てずに食べてもらえます。
決めるのは、箱の中身と、届き方です。中身で相手の手数が変わり、届き方で渡せる日が決まります。
家族の集まる家には、蒸したものが多く入った箱を。切って出すだけで一品になります。日持ちは短いので、何人かで食べる家のほうが合います。火を使うのを厭わない相手なら、揚げたものの入った箱が、温めたぶんだけおいしくなります。
一人か二人の家には、一つずつ包まれたものを。開けるぶんだけ出せるので、残りが傷みません。日持ちのする揚げたものが多い箱なら、なおさら余りません。
訪ねる家へ手で持って行くなら、常温で置けるものを。送るなら、相手が受け取れる日を先に聞いてから注文します。年末は届く日が動きやすく、冷蔵庫も詰まるので、そこだけは早めに決めておくほうが安全です。
相手の好きな形がはっきりしているなら、詰め合わせより一つの形に絞ったほうが外れません。
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