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ナッツの並びの中で、マカダミアナッツだけは手が止まります。ほかの木の実と比べて値段が上に付いているので、自分のおやつのために買うには踏ん切りが要ります。気になってはいるのに、いつも隣の袋を取っている、という人が多い木の実です。
自分で買わない食べ物だからこそ、もらうと出番があります。一粒が大きいので、器に少し盛るだけで卓の上が変わりますし、家に別のナッツがあっても、出す場面が違うので重なりません。アーモンドを毎日つまんでいる人でも、来客の日に出すものは別に要ります。
選ぶときに最初に決まるのは、相手がそのまま食べるのか、菓子や料理に使うのかです。ここで粒の形が決まります。丸いまま残った粒にお金を払う意味があるかどうかが、用途で分かれるからです。
まず粒の形を押さえ、次に火の入れ方を選び、最後に量と混ぜ方を決める。この順で進めば、渡す一袋が決まります。
マカダミアナッツがナッツの中で高い部類に入るのには、木の育ち方と加工の手間という理由があります。そしてもう一段、同じ実の中でも粒の形で値段が分かれます。
マカダミアの木は、商業的な量のナッツが採れるようになるまで、7年から10年を要します。苗を植えてから最初の収穫まで、それだけ待つことになる木です。
殻も厄介です。世界一とも言われるほど硬く、しかもその外側が繊維質で覆われています。この殻をむく加工に手間がかかります。
実が採れるまでの年数、硬い殻をむく手間、そして主な産地であるオーストラリアの人件費。この三つが重なって、ナッツの中でも高い部類として取り引きされています。同じ重さのアーモンドやカシューナッツと並べたときに値段が違うのは、そこから来ています。
丸いまま残った粒をホール、半分に割れた粒をハーフ、それより小さく欠けたものを割れと呼び分けています。商品名にそのまま「ホールサイズ」「ハーフサイズ」「割れ」と書かれているので、相手に渡すものを決める前に見分けが付きます。
味も香りも、この三つで変わりません。姿だけが値段に乗っています。割れタイプは、半分より小さく欠けた粒が中心で、クッキーへの練り込みや、チョコレートのトッピングに使われます。
つまり、器に出す予定がないなら、姿にお金を払う理由がありません。砕いて生地に混ぜる相手に丸い粒を渡すと、姿のぶんの値段だけが乗ったことになります。
日本に入ってくるマカダミアナッツは、オーストラリアからのものがおよそ7割を占めます。商品名に産地が書かれていれば、たいていここです。
ケニアや南アフリカといったアフリカ産も入ってきますが、こちらは主に製菓材料として出回っていて、ナッツ単体でそのまま並ぶことは多くありません。商品名にケニア産と書かれていたら、菓子に使う前提の品だと読めます。
ハワイの印象が強い木の実ですが、いまの生産量ではハワイは上位ではありません。産地の表記は、品質の順位というより、どういう売られ方をしている品かの手がかりになります。
粒の形が決まったら、次は火の入れ方です。素焼き、塩を振ったロースト、油で揚げたもの、そして生。同じ実でも、開けたときの状態がまるきり違います。
素焼きは、油も塩も加えずに焙煎した、いちばん基本の形です。焙煎で水分が飛ぶので、カリッとした歯ざわりになり、実そのものの甘さと香りが立ちます。
商品名には「素焼き」「素煎」「無塩」「無添加」「植物油不使用」といった言葉が並びます。何も足していないので、そのままつまむことも、菓子や料理に使うこともできます。
相手が何をする人か分からないときに選べるのが、この形です。塩が付いていると料理側の味付けが決まってしまいますが、素焼きならどちらにも回せます。
薄く塩を振ってローストしたものと、油で揚げて塩を効かせたものがあります。油の含みが多い実なので、塩が乗ると味の輪郭がはっきりして、酒に合わせやすくなります。
油で揚げたものは、歯ざわりがさらに軽くなります。商品名に「フライ加工」「カリッと食感」と書かれているのがこの形です。
どちらも開けた時点で味が完成しているので、そのまま器に出せます。そのかわり、菓子や料理には回せません。塩を振ったものを渡すなら、相手が酒を飲むかどうかが分かっていることが前提になります。
生は、高温で加熱していない状態です。水分が残っているのでしっとりとして、実そのものの甘みが分かります。
フライパンで弱火で乾煎りすれば、煎りたての香ばしさが出ます。焙煎の度合いを相手が決められるので、菓子を作る相手や、仕上がりにこだわる相手には、その余地そのものが働きます。
そのかわり、焙煎したものより日持ちが短くなります。渡してから食べ始めるまでが空きそうな相手には、焙煎済みのほうが向きます。
粒の形と火の入れ方が決まったら、最後は袋の中身です。ほかのナッツより小さい単位で並んでいることと、ほかの実と混ぜたものがあることが、マカダミアナッツの並びの特徴になります。
400グラム前後から900グラムほどが並びます。1キロや2キロの袋が当たり前に出てくるほかのナッツと比べると、小さい単位です。同じ金額でも入る量が少なくなるので、袋の側が小さく刻まれています。
油の含みが多い実なので、封を切ってからは香りが落ちていきます。一人でつまむ相手に900グラムを渡すと、後半は最初の香りではなくなります。何人で食べる家かで、この幅の中から選ぶことになります。
チャックの付いた袋なら、開けるたびに閉じられます。閉じるぶん香りの落ちが緩やかになるので、大きい容量を渡すときほど、この作りが効いてきます。チャックの有無は商品名に書かれていることがあります。
マカダミアナッツをほかのナッツと混ぜたものが並びます。配合が「50パーセント」「約30パーセント」と数字で書かれているので、どれくらい入っているかが読めます。
こうしたものに入っているのは、割れた小粒のマカダミアナッツです。丸い粒のまま混ぜたものはほとんどありません。アーモンドやカシューナッツと一緒に食べてもらう形なので、姿ではなく組み合わせで見せる作りになっています。
マカダミアナッツそのものを味わってほしいなら、単品です。混ぜたものは、いろいろな実を少しずつ食べる相手や、毎日つまむ習慣のある相手に向きます。
商品名に「製菓材料」「製パン材料」と書かれたものがあります。焼き菓子に混ぜる前提で売られているもので、たいてい無塩か生です。
菓子を作る相手に渡すなら、この表記のあるものから見ていけば早く済みます。割れた粒であることが多いので、刻む手間も減ります。
反対に、器に出して食べてもらう前提なら、この表記のあるものは外しておけます。粒がそろっていないことが多いためです。
用途が合っていれば問題ありません。味も香りも丸い粒と変わらないからです。違うのは姿だけで、そこに値段が乗っているという関係になっています。
分かれ目は、相手がそれを器に出すかどうかです。来客に出す家や、酒の席に並べる相手なら、丸い粒がそろっていることに意味が出ます。一粒が大きい実なので、少しの量でも器が寂しくなりません。
反対に、刻んで生地に混ぜる相手や、砕いて料理に散らす相手には、最初から欠けているほうが手間が省けます。丸い粒を渡すと、受け取った側が最初にすることが砕く作業になってしまいます。渡すときに、砕いて使うものだと一言添えられるなら、割れた粒のほうが親切です。
粒の形、火の入れ方、量と混ぜ方。この三つが決まれば、渡す一袋に絞れます。
粒の形は、器に出すかどうかで決まります。来客に出す家や酒の席に並べる相手なら、丸いまま残ったホール。刻んで菓子に混ぜる相手なら、最初から欠けている割れタイプで足ります。味も香りも変わらないので、姿を使わない相手に上の値段を払う理由がありません。
火の入れ方は、相手の食べ方で分かれます。何をする人か読めないなら、そのままでも料理でも使える素焼き。酒を飲む相手なら薄く塩の当たったものか、油で揚げてカリッとしたもの。焙煎の度合いから自分で決めたい相手には、生という選び方があります。
量は、ほかのナッツより小さい刻みで並びます。開けてからは香りが落ちていくので、一人でつまむ相手に大きい袋を渡すと後半が変わります。チャックの付いた袋なら、そこが少し延びます。
来客に器で出す家には、丸い粒のホールを、薄く塩の当たったものから。菓子を焼く相手には、割れた小粒の無塩か生を、製菓材料と書かれたものから。毎日少しずつつまむ相手には、チャックの付いた袋を、食べきれる量で。一粒が大きいので、少し盛るだけで卓の上が変わります。
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