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カキを贈るとき、いちばん最初に決めるのは味ではありません。どの形で届くかです。
殻に入ったまま届くのか、身だけが袋に入って届くのか、それとも衣を付けて揚げるばかりになっているのか。この三つは同じ「カキ」という名前で並んでいますが、受け取った人が食べるまでにやることがまるで違います。殻付きなら缶ごと火にかけて蒸し上げる十数分があり、むき身なら解かして水気を取る手間があり、調理済みなら凍ったまま油に入れるだけです。
もう一つ、表示の読み方があります。「1kg(解凍後850g)」という書き方をよく見かけますが、これは減っているのではなく、冷凍の品に付いている氷の膜のぶんです。表示のしかたを知っていれば、粒の数と合わせて、一粒がどのくらいの大きさなのかまで見当が付きます。
そして生食用と加熱用。この二つの区分は、実は新しいか古いかの話ではありません。どの海で獲れたかによる区分です。加熱用と書かれた品は、生では食べられないので、渡すときに一言添える必要があります。
形・表記・区分。カキを人に渡すときは、この三つが読めればほとんど迷わなくなります。
殻付きは、缶や箱ごと火にかけて蒸す食べ方が前提です。専用の缶に入った品には牡蠣ナイフと片手用の軍手が付いてきます。殻が開くまで待って、口を差し込んで開ける。この作業そのものが場の楽しみになる一方、人数ぶんの殻の処分までが仕事になります。
むき身は身だけの状態で凍っています。解かして水気を取れば、フライにも鍋にも炊き込みご飯にも回せます。台所仕事としてはいちばん自由が利く形です。
調理済みは、衣を付けたフライやオイルに漬けた瓶詰めのことです。凍ったまま油に入れる、瓶を開けて皿に出す。ここまで来ると料理というより盛り付けに近くなります。
どれを選ぶかは、味の好みより台所の都合で決まります。当日に台所に立てる時間がどれだけあるか。そこから決めるのが早い。
このジャンルには1キロの品と2キロの品と10キロの品が並んでいます。この数字は、殻付きなら殻を含んだ重さ、むき身なら身だけの重さです。同じ2キロでも中身の量は大きく違います。
殻付き2キロは、粒の大きさによって14粒から35粒ほど。むき身1キロは25粒から35粒ほど。粒の数で見ると、実はそれほど離れていません。重さの数字だけを並べて安い高いを判断すると、ここでずれます。
粒数が書かれている品は、その数字を優先して見てみてください。重さより人数の見当が付けやすくなります。
生食用と書かれた品は、保健所が指定した海域で獲れ、決められた処理を経たものです。加熱用は、その指定の外で育ったもの。獲れてからの日数の差ではありません。
そのため、加熱用の品を「新しそうだから」という理由で生で食べることはできません。逆に、加熱用のほうが身が痩せていないと言われることもあります。指定海域では出荷前に浄化の工程が入るためで、火を通して食べる前提なら加熱用を選ぶ理由は十分にあります。
袋やページのどこかに必ず書かれています。相手が鍋物に使うのか生で出すのかを思い浮かべてから探すと、選ぶ範囲が絞れます。
殻付きを贈るなら、相手の台所に蒸せる道具があるかどうか。カセットコンロがあれば缶ごと火にかけられますが、それが無いと鍋で蒸すことになります。むき身なら、相手が料理をする人かどうか。凍ったまま届いた1キロを、何回かに分けて使える人であれば無駄が出ません。
調理済みは、そのあたりを気にしなくて済む形です。渡す相手の台所事情が分からないときほど、この形が効きます。
1キロの袋は思ったより場所を取ります。2キロの殻付きが缶に入って届くと、冷凍庫の棚を一段占領することもあります。贈り物にするなら、届く日を相手に伝えておくと安心です。不在で持ち帰りになると、再配達までのあいだが心配になります。年末の集まりに合わせるなら、なおさら日付の指定を使ったほうが確実です。
このジャンルでいちばん目を引くのが、ミニ缶に詰められた殻付きです。カンカン焼きと呼ばれる形で、缶の蓋を少し開けて火にかけ、十数分待つと殻が開きます。牡蠣ナイフと片手用の軍手が同梱されている品が多く、道具を別に用意する必要がありません。
宮城県産の2キロで14粒から35粒。同じ2キロでも粒の大きさで倍以上の幅があります。粒が大きければ一つで食べごたえが出て、小さければそのぶん数が入ります。渡す相手の家が何人かによって、どちらが向くかが変わります。
10キロという単位の品もあります。これは家庭というより、屋外で人を集めて焼くときの規模です。殻の処分も含めて考えると、庭や河原で使う品と考えたほうが現実的でしょう。
殻付きには、カキ以外の貝と組み合わせた品もあります。さざえ、ホンビノス貝、ほたての片貝。缶ひとつで数種類の貝を蒸せる形で、食べくらべの楽しみが加わります。
この表記はほとんどのむき身に付いています。減っているように見えますが、目減りではありません。
冷凍のカキには、乾燥を防ぐために表面へ薄い氷の膜が張ってあります。グレースと呼ばれるもので、この膜のぶんが150グラムほど。解かせばその氷が落ちるので、身として残るのが850グラムです。
身の量で比べたいときは解凍後の数字を見ます。表示が無い品と比べるときは、この一割五分ぶんを頭に入れておくと公平に見られます。誠実に書いている売り手ほど、この数字を最初から併記しています。
衣を付けたカキフライは、900グラムで20個といった単位で並びます。一個45グラムなので、大きめの粒を使っている計算です。凍ったまま油に入れられるので、解かす時間も要りません。
オイル漬けは、火を通したカキを油に浸けた瓶詰めです。常温で置ける品もあり、贈り物としては扱いやすい形になります。パンに載せる、パスタに和える。カキそのものを料理する場面とは、使いどころがまったく違います。
この二つは、カキが苦手な人のいる食卓でも出しやすい形です。生の状態を見ずに済むぶん、口にしてもらいやすい。
このジャンルに多いのは広島県産と宮城県産です。むき身は広島、殻付きは宮城という並びになっています。広島は粒の大きさで名前が知られていて、創業何十年という牡蠣専門の店が1キロ単位で出しています。宮城は松島の名前が付いた品があり、殻付きの2キロ・10キロがここから出ています。
産地を選ぶというより、欲しい形を選ぶと産地が決まる。カキのジャンルはそういう構造になっています。
カキは、渡した時点では料理になっていません。そのため、相手がどこまでやる人なのかで選ぶ形が変わります。
殻付きの缶入りが向きます。缶を火にかけて、開くのを待って、その場で開ける。手を動かす時間そのものが場になります。
30個入りで四人から五人ぶん、2キロなら14粒から35粒。粒の大きさで数が変わるので、人数が多いときは粒数の多い品を選んでみてください。軍手とナイフが付いているかどうかも確かめておきます。
貝を数種類まとめた缶なら、さざえやほたてと一緒に蒸せます。全員がカキを好きとは限らない場では、こちらのほうが安全です。
むき身の1キロが素直です。フライ、鍋、炊き込みご飯、グラタン。使い道を相手に委ねられるのがこの形の良さです。
小分けになっているかどうかを見ておくと安心です。1キロを一度に使う場面は多くないので、何回かに分けられる品のほうが喜ばれます。急速に凍らせた品なら、一粒ずつ取り出せることもあります。
料理の好きな相手なら、加熱用と生食用のどちらが欲しいかまで想像してみる。鍋や揚げ物に使うなら加熱用で構いません。
フライやオイル漬けが向きます。凍ったまま揚げる、瓶を開ける。それだけで一品になります。
殻付きを渡すと、蒸す道具と殻の処分まで相手の仕事になってしまいます。忙しい相手ほど、調理済みの形が親切です。瓶詰めなら冷蔵庫の場所も取りません。冷凍庫の空きを気にせず渡せるのは、この形だけの利点です。凍ったまま揚げられる形ならエビにも同じ品があるので、どちらが好みかで選び分けても構いません。
1キロは多すぎるかもしれません。小分けの品を選んで、二回三回に分けて使うのが現実的です。殻付きなら、粒の大きい品を少しだけ。数より一粒の大きさで満足感が出ます。二人で14粒なら、その日のうちに食べ切れる量です。
オイル漬けが効きます。瓶から出してそのまま出せて、日本酒にも白ワインにも付きます。少量ずつ長く楽しめるのが、この形の性格です。
殻付きを蒸して、そのまま食べるという出し方もあります。火が通っているので、生でなくても十分に酒に合います。海のものを組み合わせて贈るなら、魚介・海鮮セットという選び方もあります。
冷凍便で届くので、相手が受け取れる日を先に確認します。缶入りの殻付きは箱が大きいので、置き配には向きません。常温で置けるオイル漬けなら、受け取りの心配がありません。相手の暮らし方が分からないときは、この形を選ぶという判断もあります。
貝つながりで別の品も考えるなら、ホタテは解かしてすぐ使える点で扱いが軽い。形と大きさの顔ぶれは、ランキングでたどれます。
改まった場面では、生ものを避ける習わしが残っています。仏事の返礼として渡す場合や、相手の家に決まりがありそうなときは、瓶詰めのオイル漬けのように火を通した品にしておくと角が立ちません。
体質の面でも、貝で症状の出る人がいます。相手やその家族に心当たりがあるなら、聞ける間柄なら先に確かめ、聞けないなら別のジャンルへ振り替えるほうが確実です。
1キロの袋でも思ったより場所を取り、2キロの殻付きが缶で届くと棚の一段を占めます。相手の家の様子が分からないなら、小分けの品を選んでおくと隙間に収まります。
常温で置けるオイル漬けなら、庫内の空きを気にせず渡せます。冷凍庫の事情を聞きにくい相手には、この形がいちばん負担をかけません。
冷凍便で届くので、日付の指定に対応している品がほとんどです。生ものは置き配に向かないので、相手が家にいる日へ合わせておくことが前提になります。
年末年始の集まりに合わせて送るなら、配送が混む時期は日数も読みにくくなるので、余裕を持って注文しておきます。到着の予定日は注文の画面に出ます。
贈答の表書きに対応している品が多く、注文の画面で選べます。冷凍便の箱に伝票が貼られるため、外のしより内のしを選ぶ人が多いようです。
季節の挨拶として渡すなら「御中元」「御歳暮」、時期を外したら「御礼」で通ります。仏事に関わる場面では、そもそも生ものを避けるかどうかから考えます。
相手が台所にどれだけ立てるかで決まります。人が集まる予定のある家なら、殻付きの缶を蒸す時間そのものが楽しみになります。手を動かす場が生まれるので、渡した側も一緒に楽しめます。
帰りの遅い相手や、料理に時間をかけない相手には、フライやオイル漬けが親切です。油に入れるだけ、あるいは瓶から皿に移すだけで卓に出せます。殻付きだと、蒸す支度と後片づけまで先方に負わせることになります。
一人あたり、殻付きなら4粒から6粒、むき身なら6粒から8粒あたりが目安です。ほかに料理が並ぶ食卓なら、これより少なくても形になります。
殻付きは開ける作業に時間がかかるので、粒数が多いほど食べる時間も延びます。人数ぶんを一度に蒸せる缶の大きさかどうかを、合わせて見ておきます。
貝を数種類まとめた缶なら、さざえやほたて、ホンビノス貝も一緒に入っています。カキを食べない人がいても、同じ卓で別の貝を食べてもらえます。
フライやオイル漬けも、生の状態を見ずに済むぶん口にしてもらいやすい形です。卓を囲む人の好みがそろっていないときは、この形のほうが残りません。
一言添えておくと、相手が迷いません。むき身は袋のまま冷蔵庫に移してゆっくり戻すのが基本で、常温に出したり水を直接かけたりすると身が縮みます。解けたら軽く水気を切ってから使います。
缶入りの殻付きは、蓋を少し開けて中火で15分ほどが目安です。開かない殻があっても加熱の時間が足りないだけのことが多く、それでも開かなければ付属のナイフを蝶番に差し込みます。加熱用と書かれた品は生では食べられないので、そこだけは必ず伝えます。商品ページに手順が書かれている品も多いので、渡す前に読んでおくと説明しやすくなります。
カキは、形で選べば迷いません。殻付きは缶ごと蒸す時間が場になり、むき身は台所で自由に使えて、フライやオイル漬けは出すだけで一品になります。相手がどこまで手を動かせるかを思い浮かべれば、三つのうちどれかに決まります。
重さの数字は、殻を含むかどうかで意味が変わります。殻付き2キロと身1キロは、粒の数で見ればそれほど離れていません。「1kg(解凍後850g)」という表記は目減りではなく、乾燥を防ぐ氷の膜のぶん。身の量で比べたいなら、解凍後の数字をそろえて見てみてください。
粒の大きさは3Lや2Lという等級と、1キロあたりの粒数で書かれます。大粒は一つの見栄えが立ち、小粒は同じ重さでも数がそろいます。何人で囲む食卓かによって、どちらを選ぶかが分かれます。
生食用と加熱用は、獲れた海域による区分です。加熱用と書かれたものは火を通します。相手が生で食べようとしないよう、渡すときにそこだけ伝えておきます。
相手の冷凍庫の空きと、受け取れる日。この二つを先に押さえてから、どんな形と大きさの品が並んでいるかをランキングで確かめてみてください。
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