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届いた日に食べきらなくていいものは、贈り物として気が楽です。ホタテの貝柱は凍ったまま少しずつ使えるので、同じものが重なっても、相手のペースで減っていきます。
最初の分かれ目は、育て方です。海底に放して育てたものと、ロープに吊るして育てたもの。旬の時期も、貝柱の太さも変わります。
もう一つ、大きさの書き方です。「4S」というS表記と、「40粒〜80粒」という玉数が、同じジャンルの中で混ざって出てきます。
ホタテには、育て方が二通りあります。
一つは「地まき」です。稚貝を1年育ててから海に放し、そこから海底で4年かけて大きくします。稚貝というのは、まだ小さいうちの貝のことです。オホーツク海で行われているのが、この地まきです。
もう一つが「垂下式」で、貝をロープやかごに入れて海中に吊るし、2年で漁獲します。北海道の南にある噴火湾などが、この方法をとっています。
放してから4年、稚貝の1年を足せば5年。もう一方は2年。海底か、宙づりか。同じホタテという名前でも、育ってきた場所が違います。
海底に放されたホタテは、砂地で自分から動きます。運動量が多くなるぶん、旨みの成分が多く、貝柱も太く、肉質のキメも細かくなると言われています。
吊るして育てたものは、えさが流れてくるのを待ちます。こちらは2年で漁獲されます。
「オホーツク産」「猿払(さるふつ)産」といった細かい地名が書かれているのは、どの海で育ったかを言っているからです。海域によって、行われている育て方が違います。
オホーツク海では、垂下式が3月から4月、地まきが8月から9月ごろに旬を迎えます。
同じ海でも、育て方が違えば旬が春と秋に分かれるということです。「旬のものを贈りたい」と考えるなら、月だけを見ても決まりません。
この差がはっきり効くのは、生で届くものです。冷凍のものは通年並びますが、「生ホタテ」と書かれているものを選ぶなら、時期のほうが先に決まります。
このジャンルに並ぶのは、貝柱と、貝ひも。殻付きは出てきません。
貝柱は、二枚の殻を開け閉めするための筋肉です。ホタテは殻を打ち合わせて海の中を移動します。海底で移動する貝ほど、この筋肉をよく使うことになります。地まきの貝柱が太くなるのは、そこから来ています。
育て方の違いが、そのまま貝柱の太さに出る。産地の名前を見る意味は、ここにあります。
ホタテ貝柱の大きさは、1キロあたりの玉数で規格が決まっています。
3Sなら41〜50玉、4Sなら51〜60玉、5Sなら61〜80玉。大きいほうへ行くと、Lが21〜25玉、2Lが16〜20玉、3Lが13〜15玉です。その間にもSや2Sという刻みがあり、5Sより小さいものも並びます。
Sが重なるほど1粒は小さくなり、そのぶん玉数は増えます。3Sは5Sより大粒で、40粒は80粒より大粒。どちらの書き方も、数字の小さいほうが大粒です。
迷うとすれば、「4S」という記号から受ける印象のほうです。服の感覚だと極小に読めますが、4Sなら1粒は16グラムから19グラムほど。ひと口では収まりません。
「1kg 40粒〜80粒」「81〜120個」「16玉前後」。このジャンルには、サイズ名を書かずに玉数だけを出している商品が並びます。「玉」「粒」「個」は、どれも同じものを数えています。
玉数だけでも、大きさは読めます。1キロで40粒なら3Sより上、80粒なら5Sの端。300グラムで16玉なら、1キロに直すと53玉ほどなので4Sです。
気をつけるのは、幅の広い書き方のほうです。「40粒〜80粒」は、大粒から小粒までが丸ごと入る幅になります。大きさを決めて贈りたいなら、幅の狭いものを選ぶことになります。
「希少な特大サイズ」「中型〜特大サイズが選べる」。こういう書き方も並びます。
特大も中型も、規格として決まった言葉ではありません。サイズ名として決まっているのは、3S、4S、5S、L、2L、3Lといった記号のほうです。「特大」がどの記号に当たるかは、店ごとに違います。
同じ店の中で大きいほうを指していると読んでおけば、外れは小さい。店をまたいで比べるときの手がかりは、玉数の数字です。「特大」と書いてある二つを並べても、同じ大きさとは限りません。
大粒のものは、切らずにそのまま出せます。刺身でも、焼いても、一粒が皿の上で形になります。
小粒のものは、数が多いぶん料理に回しやすい。炊き込みご飯やフライのように、数を使う食べ方なら、こちらのほうが向いています。
人の集まる席に出してもらうなら、大粒です。一粒の見た目が、そのまま「いいものをもらった」という印象になります。逆に日々の食卓で使ってもらうなら、小粒のほうが長く持ちます。同じ1キロでも、粒数は倍以上ちがいます。
「貝ひも」という商品が、貝柱とは別に並びます。
貝柱の周りにある、ひだ状の細長い部分のことで、正しくは外套膜(がいとうまく)といいます。地方によっては「耳」「ひらひら」とも呼ばれます。貝柱のように厚みはなく、細長い形をしています。
同じ貝から採れますが、身の質はまったく違います。貝柱がほろりとほぐれるのに対して、ひもは噛みごたえが残ります。
貝ひもは、乾かして焼いたものが並びます。「焼き貝ひも」と書かれているのがそれです。
乾かしてあるので、常温で置けます。冷凍庫の空きが要りません。ポスト投函で届くものもあり、受け取る日を決めなくても済みます。
貝柱を贈るときにいちばん気を使うのが、冷凍便の受け取りです。ひもは、そこが丸ごと外れます。
貝柱は、皿に出すものです。冷凍庫から必要なぶんだけ取り出せるので、人の集まる家なら、こちらが働きます。
ひもは、袋から出してそのまま食べられます。酒のつまみとして売られていて、手元に置いてつまむほうへ寄っています。
同じ「ホタテ」で探していても、この二つは行き先が別です。食卓に人を集める相手なら貝柱、一人の時間に手を伸ばす相手ならひも、という分かれ方をします。乾き物の一袋という形なので、ひもは箱に入れて改まって渡す形にはなりにくい。改まった贈り物として渡すなら、貝柱の側です。
迷ったら、少ないほうです。足りなければ相手が買い足せますが、冷凍庫に入りきらない量は動かせません。
300グラムは、4Sサイズで16玉ほど。二人で一度に食べるなら、これで足ります。1キロになると、小粒のものでは100粒前後。人の集まる家や、家族の多い相手でなければ、長く冷凍庫に残ります。
相手の冷凍庫の空きは、たいてい分かりません。分からないときは、300グラムのほうを選んでおくと、置き場所で困らせずに済みます。
見ておくと効きます。このジャンルでは、産地名が「どの海で、どう育ったか」を指しているからです。
オホーツク海では地まきが行われ、噴火湾などでは垂下式が行われています。育て方が変われば、旬の時期も貝柱の太さも変わる。「北海道産」とだけ書かれているものからは、そこまでは読めません。
贈り物として名前が伝わるかどうかも違います。細かい地名が書いてあるほうが、渡したときに何のホタテか伝わります。
このジャンルの分かれ目は、海底で育ったか、宙づりで育ったかです。
砂地に放されて自分から動いたぶん、貝柱が太くなるのが地まき。旬は夏から秋です。ロープに吊るして2年で漁獲したものは、春が旬になります。細かい地名が書かれているのは、どちらの海で育ったかを言っているからです。
大きさは、Sの記号と玉数の二通りで書かれます。Sが重なるほど1粒は小さくなり、玉数の数字は逆に増えていく。「特大」や「中型」は規格の言葉ではないので、店をまたいで比べるときは玉数のほうが手がかりになります。
貝柱のほかに、貝ひもが並びます。こちらは乾かして焼いた珍味で、常温で置けます。冷凍便を受け取ってもらう段取りが要らないという点だけでも、渡し方がまるで変わります。
客を招く日に一皿として出してもらうなら、大粒の貝柱を。ふだんの料理に混ぜて使ってもらうなら、小粒を1キロ。二人暮らしの相手には、粒を大きめにして300グラムほど。夜に一人で酒を飲む相手には、常温で置ける焼き貝ひもを。
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