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焼き鳥は、家で焼くと煙が出ます。串を打って、火にかけて、返して、と手間もかかります。すでに焼いてあるものが届けば、夕食の一品が増えます。酒を飲む相手にも、飯のおかずが要る家にも渡せる惣菜です。
まず分かれるのは、部位です。ももやねぎま、つくねが並ぶ定番の顔ぶれから、皮やぼんじり、砂肝、レバーまで、同じ「焼き鳥」の名前で味も食感も別ものになります。
もう一つが、タレか塩か。素材の味を立てるのか、飯に合う濃い味にするのか。
ももは脂がのっていて、噛みごたえもある定番です。鶏肉と聞いて思い浮かぶ味に、いちばん近い部位です。ねぎまは、ももやむねの肉と、ねぎを交互に刺したもの。肉とねぎで食感が変わるので、続けて食べても飽きません。
相手の好みが読めないときに強いのが、ももとねぎまを軸にした詰め合わせです。癖の強い部位が混ざっていないので、家族で分けても余りません。
つくねは鶏のひき肉をまとめて焼いたものです。丸い形、小判の形、細長い筒の形と、店によって作りが違います。串に刺さっているものも、団子だけのものもあります。
骨も筋もないので、噛む力が落ちてきた相手や、小さい子のいる家でも食べられます。焼き鳥の詰め合わせのなかで、いちばん相手を選ばないのがつくねです。
皮とぼんじりは、脂の多いところです。ぼんじりは尾の付け根で、こってりした味になります。脂の甘みが好きな相手には効きますが、量が多いと重くなります。
砂肝は胃の筋肉で、こりこりした歯ざわりが持ち味です。せせりは首まわりで、脂は控えめ。レバーは味も香りもはっきりしていて、好みがいちばん割れる部位になります。
軟骨も食感で食べる部位です。串のまま並ぶこともあれば、刻んでつくねに混ぜてあることもあります。混ぜてあるものは、やわらかいひき肉のなかで硬いものに当たる作りです。軟骨の歯ざわりが苦手な人もいるので、つくねは軟骨入りかどうかが分かれ目になります。
詰め合わせは、こうした癖のある部位がどれだけ混ざっているかで、相手が食べきれるかが変わります。種類の多さは楽しさにもなりますが、食べない部位が残れば無駄になります。相手の顔が浮かばないうちは、癖の少ない部位を厚めにした詰め合わせが無難です。
タレは醤油の旨みに砂糖の甘みが重なった、濃い味です。肉の匂いを覆う働きもあるので、レバーや皮のような癖のある部位も、タレなら食べやすくなります。
濃い味は白い飯とよく合います。夕食の一品として食卓に出す家なら、タレのほうが使いやすいはずです。子どもがいる家でも、甘辛い味は受け入れられやすくなります。
塩は肉そのものの味が前に出ます。脂の甘みも、覆われずにそのまま届きます。鶏の味そのもので選んだ焼き鳥なら、塩のほうが持ち味を殺しません。
酒に合わせるなら塩が向きます。味が軽いぶん続けて食べても飽きにくく、何本かをつまむ食べ方に合います。日本酒や焼酎を飲む相手なら、塩のほうが喜ばれます。
味付けと並んで効いてくるのが、何で焼いたかです。炭火で焼くと、落ちた脂が煙になって肉に戻り、香りがつきます。表面が早く焼き固まるので、中の汁も逃げにくくなります。
商品名に炭火と書いてあるものは、この香りを売りにしています。塩と組み合わせると、肉の味と焼けた香りの両方が前に出ます。タレと組み合わせても、甘辛い味の奥に香ばしさが残ります。
宮崎の鶏の炭火焼きのように、黒く焼き上げたものが名物になっている土地もあります。焦がしたのかと驚かれることもありますが、その黒さが持ち味です。見た目で誤解されそうな相手には、ひとこと添えて渡します。
タレか塩かは、好みがはっきり分かれるところです。相手の飲み方も食べ方も分からないときは、両方入っているものを選ぶと外しません。
味付けが二通りあると、食べる側が日によって選べます。一度に全部食べきらない量なら、この二通りが効いてきます。片方に絞るのは、相手の好みを知っている場合だけです。
タレが肉と別に付いている詰め合わせもあります。かける量を相手が決められるので、濃い味の苦手な人にも渡せます。どちらか一方に決めきれないときは、この形も候補になります。
串に刺さったものは、店で出てくる形そのままです。人が集まる席や、酒の肴として出すなら、この形がいちばん見栄えがします。手で持ち上げて食べられるので、取り分ける手間もかかりません。
ただし串は長さがあるぶん、皿からはみ出します。食べ終わったあとの串もまとまった数になります。小さい子のいる家では、先の尖ったものが食卓に並ぶことが気になります。
串を抜いて袋詰めにしたものもあります。丼にのせる、卵とじにする、そのまま酒の肴にする、と食べ方を相手が決められます。皿の上で場所も取りません。
一人暮らしの相手や、食べる時間がまちまちな家には、外してあるほうが扱いやすくなります。少しずつ出せるので、一度に食べきる必要もありません。
弁当に入れたい相手にも、串を抜いてあるものが向きます。串のままでは蓋が閉まりません。相手の食べ方が読めないほど、形の自由な焼き鳥のほうが行き先が広くなります。
串を抜いたもののなかには、袋のまま常温で長く置けるものがあります。冷凍のものは受け取る日を決めてもらう必要がありますが、常温なら手渡しでも郵便受けでも困りません。
相手の家の冷凍庫がどれだけ空いているかは、外からは分かりません。急に会うことになった相手や、しばらく家を空ける相手に贈るなら、常温で置ける形が安心です。逆に、焼きたてに近い味を届けたいなら、冷凍のものを選び、先に受け取れる日を聞いてから送ります。
構いません。ただし焼き鳥は酒の肴の印象が強いので、相手が酒を飲まない場合は、飯のおかずとして通るタレのものが無難です。串から外してあるものなら、居酒屋の印象も薄くなります。
目上の相手に贈るなら、ももやつくねのような癖のない部位を厚めにしたうえで、何種類か入っているものが向きます。レバーや皮ばかりだと、食べられないものが残ってしまいます。
構いません。つくねだけをまとめたものもあります。噛む力の落ちた相手や、小さい子のいる家には、こちらのほうが的が合います。
気をつけるのは見た目です。同じ形のものが並ぶので、箱を開けたときの華やぎは串物に負けます。相手の食べやすさより場の見栄えを取りたいときは、串物と混ざったものにします。
焼き鳥を選ぶときは、部位・味付け・串の三つを順に決めていきます。相手の好みが読めないなら、ももとねぎま、つくねを軸にした詰め合わせで、タレと塩の両方が入っているもの。これがいちばん外れません。
酒を飲む相手だと分かっているなら、塩の入った詰め合わせを厚めに。飯のおかずとして食べる家なら、タレを厚めに。皮やぼんじり、レバーのような癖のある部位は、相手がその部位を好きだと知っているときだけ足します。
渡す場面が決まっていないなら、串から外してある常温の焼き鳥にしておくと、こちらの都合でも相手の都合でも困りません。逆に、その晩の食卓に並べてもらうつもりなら、冷凍のものを受け取れる日に合わせて送ります。
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