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カツオのタタキは、届いた日の食卓の中心になります。解凍して切って並べれば、それで一皿が立つ。料理の手間を相手に押しつけずに、食卓のいちばん大きなところを渡せるので、贈り物として長く選ばれてきました。
先に決まるのは味付けです。塩を振って薬味で食べさせるものと、ゆずポン酢やタレを添えてくるもの。同じタタキでも、食卓に出すまでの手間がまるごと変わります。
もう一つ、量の表示に「節」と「本」が混ざります。どちらもグラムが決まった単位ではないので、節や本の数だけを見ても、何人ぶんかは分かりません。
タタキは三枚におろした身を、表面だけ強い火であぶったものです。中は生のままなので、あぶり方と、そのカツオがどれだけ脂を乗せていたかで、口に入れたときの印象が決まります。
商品名には「藁焼き」「ワラ焼き」「炭火焼」と、焼き方が書き分けられます。「麦わら焼き」も同じくわらで焼いたもので、稲ではなく麦のわらを使うという意味です。
わらは一気に高く燃え上がるので、表面を強く焦がしながら、煙の香りを濃く付けます。高知でタタキといえばこの焼き方を指します。炭で焼いたものは、炭の香りが付いて、表面がぱりっと焼き上がります。
煙の香りが濃く出るのがわら、香りが控えめでカツオの味が前に出るのが炭。どちらが上ということではありません。わらの煙を強いと感じる人がいるので、そこだけ相手に寄せる余地があります。
同じカツオでも、獲れた時季で中身が変わります。春から初夏にかけて北へのぼるものが初鰹、秋に南へ下るものが戻り鰹です。
初鰹は脂が少なく、さっぱりしています。赤身の味が前に出るので、薬味と合わせたときに輪郭が立ちます。戻り鰹は脂を蓄えているので、もっちりして甘みが出ます。商品名の「トロ鰹」は、この脂の乗ったほうを指す言い方です。
脂の強いものが重いと感じる相手には初鰹、こってりしたものを喜ぶ相手には戻り鰹。贈る時季でどちらが並ぶかは変わるので、商品名にどちらが書かれているかが手がかりになります。
カツオは背側と腹側に分けて売られます。「背・腹セット」と書かれたものなら、両方が入ります。
背はさっぱりしていて、カツオそのものの風味が立ちます。腹は脂が多く、こってりして身がやわらかい。内臓を取り除くぶん、腹のほうが背より小さく軽くなります。
どちらがよいというものではありません。好みが分かれている家なら、背腹セットを選べば一度で両方出せます。
タタキは、塩でいくものと、タレやポン酢が付いてくるものに割れます。同じタタキでも、食卓に出したあとの姿がまるごと違います。
厚めに切った身に塩を振り、下に薬味を敷いて、にんにくのスライスと柑橘の果汁で食べる形です。「塩たたき」「天日塩」と書かれたものがこれにあたります。
カツオの味がそのまま出るので、身のよさが分かりやすい。そのかわり、薬味とにんにくと柑橘を家で用意することになります。玉ねぎを薄く切り、みょうがや大葉を刻む手間が要ります。そこを楽しめる相手なら、塩たたきは強い贈り物になります。
ゆずポン酢やタレが同梱されているものが、贈答では主流です。薬味まで付くものもあります。解凍して切って、かけて出せば終わります。
渡す相手が料理をする人かどうかが読めないなら、こちらが確実です。ふだん台所に立たない相手や、当日に手が回らない家でも、そのまま食卓に載ります。薬味まで同梱されているものなら、玉ねぎや大葉を刻む手間もそこで消えます。
産地では高知、静岡の焼津、三陸の気仙沼の名前がよく出ます。
高知はタタキが郷土料理として根づいた土地で、藁焼きと塩たたきはここから多く出ます。焼津はカツオの水揚げで知られた港。気仙沼のものには、水揚げした当日に発送すると書かれたものがあります。
藁焼きの塩たたきを探すなら高知、水揚げからの近さを取るなら港のもの。産地そのものが味を決めるわけではありませんが、その店が何を売りにしているかは、産地の名前におおむね出ています。
このジャンルでいちばん外しやすいのが量です。「1節」「2本」といった単位が並びますが、どちらもグラムの決まった単位ではありません。
節は、おろした身をさらに分けた一片のこと。1節の重さに決まりはなく、250グラムで1節とする店もあれば、350グラムを1節とする店もあります。「本」も同じで、同じ本数でも合計のグラム数はまるで違ってきます。
同じ「2節」でも、店が違えば200グラム近く開くということです。節や本の数を見比べても量は分かりません。当てになるのはグラムの表示だけになります。
人前の表示から逆に割ると、一人あたり90グラムから140グラムほどに収まります。厚めに切って6切れほどが一人ぶんの目安です。
四人家族なら500グラム前後、大人が集まって酒の肴にするなら900グラム。それ以上の大きな箱は、冷凍庫に余裕のある家でないと置き場所に困ります。
小分けや真空パックと書かれたものなら、一節ずつ戻して残りは凍らせたままにできます。塊のまま届くものは、その日に食べきる前提になるので、量を大きく取るときほど、小分けかどうかが効いてきます。
贈答用のタタキは、ほとんどが冷凍で届きます。冷凍庫に入れておけるので、相手が食べる日を自分で決められます。「急速冷凍」と書かれたものは、凍らせる速さで身から水分が抜けるのを抑えたという意味です。
冷蔵で届くものは、数が限られます。水揚げの近さを売りにしたもので、着いた日に食べる前提になります。在宅を確かめられない相手には向きません。冷蔵を探すのは、その日に食卓を囲むと分かっている相手のときだけです。
商品名に「ワケあり」「家庭用」「お買い得」と入ったものがあり、このジャンルでは数の出ている側です。形や大きさがそろわないぶん、量が多くて安いという中身です。
味そのものは変わりません。ただし注文の控えや納品書にその文字が残ります。改まった相手や、初めて贈る先には向きません。気心の知れた相手や、自分の家で食べるぶんなら、同じ金額で量を取れます。
春から初夏、おおよそ4月から6月にかけてが初鰹。秋、9月から11月ごろが戻り鰹です。母の日や父の日に合わせるなら前者、敬老の日や秋の贈り物なら後者が中心になります。
お中元の時期は、そのあいだにあたります。このころは時季だけで言い切れないので、商品名にどちらが書かれているかで確かめるほうが早い。どちらも書かれていないものは、そこにこだわらず選んでいる商品です。
タタキは表面を火であぶっただけで、中は生のままです。刺身と同じ扱いになるので、生の魚を食べない相手や、生ものを控えている相手には向きません。火を通して食べる想定の商品でもないので、そこは別のものへ替えるほうが早く済みます。
常温で置ける、乾かしたスライスという形もあります。カツオという素材はそのままに、冷凍庫も解凍も生の魚も関わらないので、同じ素材で振り替えたいならここになります。
塩でいくか、タレが付いてくるか。塩たたきは薬味とにんにくと柑橘を家でそろえる形、タレ付きは切って並べればそれで済む形です。相手が台所に立つ人かどうかで、ここが分かれます。
火の当て方は、わらか炭か。わらは煙の香りを濃く付け、炭は香りが控えめでカツオの味が前に出ます。煙の香りが付いたものを食卓に出す家かどうかを思い出せると、ここは決めやすくなります。
脂の乗りは、時季と部位で決まります。春から初夏の初鰹はさっぱり、秋の戻り鰹は脂が多くもっちり。背はさっぱり、腹は脂が多くやわらかい。好みが割れている家なら、背腹セットで両方を出せます。
量は節や本ではなくグラムで見ます。一人あたり90グラムから140グラムほどなので、四人家族なら500グラム前後。1キロを超えるものは、人が集まる日か、小分けにして凍らせておける家の量です。
ほとんどが冷凍で届き、冷蔵はごくわずかしかありません。渡す日を細かく合わせなくて済むぶん、受け取ってからいつ食べるかは相手が決められます。
人の集まる日に届けるなら、背と腹の両方が入るものを1キロ前後で。同じ一尾で味が違うので、その場で食べ比べになります。相手の手間まで含めて贈るなら、タレと薬味の付いた500グラムを。解凍して切るだけで、四人ぶんの一皿になります。
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