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わらびもちは、冷たいまま器に出せます。温める手間も、火を使う支度もありません。暑い時季に届けば、その日のうちに食卓へ上がります。
まず読むのは、商品名の「本」の一字です。これが付いているかどうかで、使っている粉が変わります。
そしてもう一つ、見ておくところがあります。この菓子は、冷やしすぎると白くぼそぼそになります。渡す日と食べる日が離れると、その差が出てきます。
「本わらび餅」と「わらび餅」。一字あるかないかで、中に入っているでんぷんが違います。同じ分野に並んでいて、写真では見分けが付かないこともあります。
山のわらびの根を掘り起こし、洗って砕き、そこから取れたでんぷんを乾かす。手間がかかるうえに、少しの量しか取れません。だから、材料そのものが高くなります。
この粉で作ったものは、黒っぽい色になります。とろりとした口当たりの中に弾力とコシがあり、噛むほどに粘りが出ます。写真で色が濃く、向こうが透けないものは、この側です。
市販されているものの多くは、さつまいもやタピオカのでんぷんを代わりに使っています。手に入りやすく、値段も抑えられます。
こちらは透明感があり、軽い食感になります。つるりと入っていく側です。劣っているのではなく、目指しているところが違います。冷たくさっぱり食べたい相手には、この軽さのほうが合います。
商品名に「入り」と付いているものがあります。さつまいものでんぷんに、本わらび粉を何割か混ぜたものです。全部が本わらび粉というわけではありません。
「本わらび餅」と「本蕨入り」は、名前が似ていても中身が違います。値段の差も、混ぜてある割合から出ています。改まった相手に渡すなら、原材料の欄まで開いて確かめることになります。
写真を見れば、おおよそ分かります。黒っぽくて向こうが透けないものと、透明でつるりとしたもの。この二つは、並べると見た目で分かれます。
商品名に何も書かれていなくても、原材料の欄の一行目に何が来ているかで分かれます。わらび粉が先に来ていれば、そちらが主になっています。
冷たくして食べるものですが、冷やしすぎると別のものになります。でんぷんで固めてある以上、時間が経てばそうなります。渡す日をいつにするかは、この性質から決まります。
温めて水を含んだでんぷんは、やわらかくもちもちになります。それが冷えていくと、分子が並び直して、抱え込んでいた水を押し出します。
水を失ったでんぷんは、固く、白っぽくなります。口に入れたときのぼそぼそした感じは、そこから出てきます。一度そうなると、作りたてには戻りません。
冷えるだけでなく、水分そのものが飛びます。表面が乾いて白くなり、中も締まります。ラップをしていても、時間が経てば同じ方向へ進みます。
だから、この菓子は届いた日に食べるものとして作られています。冷やす時間は二時間ほどまでで、それ以上置くと白く固くなっていきます。
手渡しできる相手なら、その日のうちに器へ出してもらえます。送るなら、相手が家にいる日を聞いてからです。
人が集まる予定のある家、その日に来客のある家。食べる日が決まっている場面でこそ、この菓子は働きます。いつ食べるか分からない相手には、冷やさずに置ける和菓子のほうが向きます。
でんぷんの性質そのものは同じですが、とろける口当たりを売りにしているものほど、硬くなったときの落差が大きくなります。
軽くさっぱりした側のものは、多少冷えても印象が変わりにくくなります。改まった相手にいいものを渡すなら、届く日を決められるかどうかを先に考えることになります。
「200g×2」と書かれたものと、「4個入」「6個入」と書かれたものがあります。前者は塊で、後者は一つずつ分かれているという意味です。同じ人数でも、出し方が変わります。
塊で入っているので、受け取った家で切って器に盛る形です。人数に合わせて量を加減できるのが、この形の強みです。二人で少しずつ食べる家にも、四人で分ける家にも回せます。
そのかわり、出すまでに相手の手が要ります。切って、盛って、蜜ときな粉をかける。台所に立つ相手なら苦になりませんが、そこを省きたい場面もあります。
一つずつ形になっているので、器に載せれば終わりです。何人に出せるかが、数字のまま数えられます。来客のある日、人数が決まっている日には、こちらのほうが早く出ます。
ただし、一つの大きさは数字に出てきません。大きいものと小さいものがあるので、写真で一つの大きさを見ておくと、足りるかどうかが分かります。
きな粉と抹茶、といった組み方をしたものがあります。同じ店の二種類を一箱に入れた売り方です。京都のものには、宇治の抹茶を使ったものが並びます。
相手の好みが分からないなら、この組み方が効きます。片方が合わなくても、もう片方が残ります。どちらがよかったかを聞ければ、次に渡すときの手がかりになります。
「水」の一字が入ったものは、丸い球の形をしています。指で突くと崩れるような、四角く切って詰めたものとは別の見た目です。
写真に撮られることを見込んだ形なので、若い相手、集まりの場では話の種になります。改まった席や仏事に持って行くなら、四角い形のほうが収まります。
商品名に、お供え、香典返し、粗供養、法事といった言葉が並んでいます。わらびもちは、そういう場面で長く選ばれてきた菓子です。夏の集まりに出しやすいことと、改まった席に出せる和菓子であることが理由になっています。
ただし、冷やして届くものは、受け取った家がその日に開ける前提のものです。人の集まる日に合わせて届くようにしておくと、法要の席にそのまま出せます。日にちが読めないときは、冷やさずに置ける和菓子のほうが確実です。
冷たいまま届くものは、玄関先に置かれると味が変わります。中のでんぷんが冷えて水を押し出し、白く硬くなります。そうなってから元に戻す方法はありません。
送る前に、受け取れる日を聞けるなら聞きます。聞きにくいなら、次に会う日まで待つほうが、同じ値段でいいものが渡せます。この菓子は、届く日を決められる相手のためのものです。
粉が何か、そして渡す日を決められるか。この二つが決まれば、あとは量と形の話になります。
先に見るのは、使っている粉です。本わらび粉はわらびの根から取ったもので、黒っぽく、とろける中に弾力があります。「本」の付いていないものは、さつまいもやタピオカのでんぷんで、透明感があって軽い口当たり。「本蕨入り」は、その二つを混ぜてあります。
次に、いつ食べてもらうか。冷やす時間は二時間ほどまでで、それを超えると白く硬くなります。手渡せる日、人が集まる日に合わせられるかどうかで、この菓子を選べるかが決まります。
量は、グラムか個数か。塊のものは器に取り分け、個数のものはそのまま出せます。人数の決まっている日には、後者のほうが早く出ます。
法要や集まりの日が決まっているなら、個数の書かれたものを人数ぶん。相手の好みが読めないなら、二種を組にしたものを。その日に会える相手には、本わらび粉の一箱を。いちばんいい状態のまま渡せます。
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