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硬いチーズの塊は、自分ではなかなか買いません。近所の店には削った粉のものが並んでいて、そちらで足りてしまいます。わざわざ塊を選ぶのは、削りたての香りを知っている人です。
もらえば、その道具がない家でも塊が台所に来ます。削ってかけた一皿の香りは、粉のものとは別のものです。日持ちも長いので、届いてから使いきるまでの時間に追われません。
選ぶときに最初に決まるのは、塊で渡すか、粉で渡すかです。同じチーズでも、届いたあとに相手がすることが正反対になります。
ハードチーズは水分が少なく、長く熟成させて作ります。商品名に並ぶ月数と呼び名を読めると、届くものの見当が付きます。
パルミジャーノ・レッジャーノは、熟成が最低でも十二か月と決められています。売られているものの多くは二十四か月から三十六か月です。
長く置くほど、旨みの成分が白い粒になって現れます。噛んだときにじゃりっとするのはこの粒で、熟成の進んだ印になります。香りも濃くなり、削ったときの立ち方が変わります。
十二か月に近いものはやわらかく穏やか、三十六か月まで行くと味が強く出ます。料理に使うだけなら短めでも足りますが、そのまま切って食べる相手なら、二十四か月から先が渡しどころです。
パルミジャーノ・レッジャーノという名前は、イタリアの決まった州で作られたものにしか付けられません。原料も地元の牛乳と天然のレンネットと塩だけで、ほかのものを足せない決まりです。
似た形のチーズにグラナ・パダーノがあります。こちらは最低の熟成が九か月と短く、そのぶん味がやさしくなります。作れる土地も広いので、値段は下がります。
パルメザンという呼び名は、日本でこの系統のチーズを指すときの言い方です。決まった土地の決まった作り方を表す名前ではないので、中身は商品ごとに違います。長い名前が書かれているものほど、中身が決まっていると読めます。
粉チーズには、袋の中で固まらないようにセルロースを混ぜたものがあります。セルロースは食物繊維の一種で、チーズどうしがくっつくのを防ぐために入っています。
「セルロース不使用」と書かれたものは、チーズだけでできています。そのぶん固まりやすいので、使うときにほぐすことになりますが、口に入れたときの味は濃くなります。
料理に振るだけなら、固まらない混ぜ物のあるほうが扱いやすくなります。チーズの味そのものを求める相手には、不使用のものを選べます。どちらかは、商品名か原材料の欄で見分けが付きます。
塊は使うたびに削り、粉は袋を開けて振るだけです。相手の台所に何があるかで、どちらを渡せるかが分かれます。
塊のまま届いたものは、使うたびに削ります。おろし金でも、チーズ用の削り器でも、皮むき器でも削れますが、道具が一つも無い家だと、包丁で削り取ることになります。
削りたては香りが立ちます。粉で買ったものとは、皿に落ちた瞬間の匂いが違います。料理に凝る相手や、パスタをよく作る相手なら、この差のために塊を選ぶ意味があります。
道具を持っているかどうかは、台所を見たことがあれば思い出せます。分からないなら、削り器が付いた組になっているものを選ぶか、粉のほうにしておけます。
削った状態のものは、道具も要らず、手も汚れません。忙しい家や、料理に時間をかけない相手には、こちらのほうが出番があります。
大きな袋で届くものもあります。塊よりも一度に多く入るので、毎日パスタやサラダに使う家なら、買い足す回数が減ります。
そのかわり、削ってからの時間が長いぶん香りは落ちます。開けたてと使いきる頃では、同じ袋でも立ち方が変わります。少しずつ使う相手なら、小さい袋のほうが最後までおいしく食べられます。
料理に振るだけなら、200グラムでもしばらく持ちます。毎日パスタを作る家でも、一度に使うのは大さじ数杯です。
1キロの塊は、削って使う前提の量です。日持ちが長いので焦る必要はありませんが、冷蔵庫に置く場所は要ります。相手の冷蔵庫が詰まっている家なら、200グラムずつ小分けになったもののほうが収まります。
人が集まる家なら、塊のまま出す使い方もあります。切り分けて皿に置き、めいめいがつまむ形です。この場合は削らないので、道具の心配も要りません。
生の菓子や果物と違って、届いた日に食べる必要がありません。硬いチーズが贈り物として使いやすいのは、ここです。
未開封なら、書かれている期限まで置いておけます。開けたあとも、包み直して冷蔵庫に入れておけば二週間から三週間はもちます。
水分の少ないチーズなので、傷むより先に乾いていきます。乾いたところは削れば使えるので、捨てるところがほとんど出ません。使いきれずに困る、ということが起きにくい食べ物です。
削って冷凍すれば、そこからさらに一か月ほど置けます。凍らせたものは、そのまま料理に振れます。使いきれない量が届いても、相手の側で行き先を作れます。
日持ちが長いので、注文する日も届く日も自由に決められます。誕生日や記念日のように日の決まった場面にも、その少し前に届けておけます。
冷蔵で届くものは、受け取ってもらう必要があります。それでも、着いてすぐ食べる必要はないので、生ものほど気を使いません。相手の予定に合わせて何日か前に送っておけます。
暑い時期でも中身は変わりません。夏の贈り物として気を使うのは、届いたものを入れる冷蔵庫の空きだけです。
削らずに切り分けて、そのまま食べる使い方があります。熟成の進んだものほど味が濃く、酒に合います。家でワインを飲む相手なら、料理に回る前にこの食べ方で減っていきます。
その場合、渡すのは塊です。粉では、この食べ方ができません。相手が家で酒を飲む人かどうかで、形が決まります。
熟成の月数も、この使い方では効いてきます。料理に混ぜてしまえば分かりにくい差が、そのまま口に入れると出ます。二十四か月と三十六か月では、香りの立ち方も後に残る味も別です。
熟成が進んだ印です。長く置くうちに旨みの成分が固まって粒になったもので、噛むとじゃりっとします。カビでも塩でもありません。
むしろ、この粒があるものは熟成の長いものです。十二か月ほどのものにはあまり出ず、二十四か月を超えたあたりから目に付くようになります。粒が見えたら、そこまで置かれたチーズだと読めます。
渡すときに一言添えておくと、相手が驚きません。見慣れない人は、白いものが付いていると傷んだと思って、そこを切り落とすことがあります。「熟成の粒で、そこがおいしいところ」と伝えておけば、丸ごと食べてもらえます。
塊か粉か、熟成は何か月か、相手の台所に削る道具があるか。ここから、渡す一つに絞れます。
パルミジャーノ・レッジャーノは熟成が最低十二か月と決められていて、売られているものの多くは二十四か月から三十六か月です。長く置くほど旨みの成分が白い粒になって現れ、噛むとじゃりっとします。料理に混ぜるだけなら短めでも足りますが、そのまま食べてもらうなら二十四か月から先です。
名前の長さも中身を表します。パルミジャーノ・レッジャーノは決まった土地で決まった原料でしか作れず、グラナ・パダーノは熟成が短くて味がやさしい。パルメザンは日本での総称なので、中身は商品ごとに違います。
粉のものは、固まるのを防ぐセルロースを混ぜたものと、チーズだけのものに分かれます。原材料の欄を見れば、どちらかが分かります。
日持ちは長く、開けたあとも冷蔵で二週間から三週間。凍らせればさらに先まで置けます。渡す日も食べる日も、相手の都合で決めてもらえます。
パスタをよく作る相手には、1キロの塊を削る前提で。料理に凝らない相手には、セルロース不使用の粉を小さい袋で。家で酒を飲む相手には、三十六か月まで置いた塊を、切って出せる大きさで。硬いチーズは乾いていくだけなので、使いきれずに捨てることがありません。
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