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エビは、食卓に一皿出るだけで人が集まります。子どもから年配まで嫌う人が少なく、フライにしても刺身にしても、その日のいちばん先に手が伸びます。ふだんの買い物では一度に買わない量で届くので、家族の分まで行き渡ります。
選ぶときにまず決まるのは、生で食べてもらうか、火を通してもらうかです。同じエビでも種類ごとに向く食べ方が違い、生で甘いものは火を通すと身の水分が抜けます。
そのうえで、商品名の数字を読む力が要ります。書いてある重さと、実際に食卓へ出る重さは違います。一袋に何尾入るかを表す数字も、小さいほうが大きいという逆向きの読み方をします。
冷凍のエビには、グレースと呼ばれる氷の膜が掛けてあります。乾かないように、また運ぶあいだに傷まないようにするためのもので、身のまわりを薄く覆っています。
表示されている重さは、この氷を含んだ総重量です。商品名に「1キロ(解凍後800グラム)」と書かれているのはそのためで、氷が溶けたあとに残るのが後ろの数字です。
つまり、表示の八割ほどが実際に食卓へ出る量です。四人で食べるつもりで1キロを渡すと、皿に乗るのは800グラム。エビフライを何本ずつと数えている相手なら、この差がそのまま出ます。表示の前の数字だけを見て「たっぷりある」と思わないところです。
商品名や商品ページに「21/25」「26/30」という表記が並びます。これは1ポンド、およそ453グラムあたりに何尾入るかを表す数字です。
数字が小さいほど、1尾が大きくなります。同じ重さに少ない数しか入らないということだからです。16/20 は 26/30 より大きく、値段も上がります。26/30 なら1尾15グラムから17グラムほど。21/25 なら18グラムから21グラムほどで、長さは12センチあたりです。
日本では「45尾〜55尾前後」のように、1キロあたりの尾数で書かれることもあります。数え方の基準は違いますが、数字が少ないほうが大きいエビという向きは同じです。
ブラックタイガーは身が大きく、加熱するとぷりぷりした弾力が出ます。味も濃いので、エビを主役にする料理に向きます。エビフライ、殻ごと焼くもの、天ぷら。
バナメイエビは小ぶりで、火を通しても硬くなりにくい種類です。味の主張が少ないので、炒め物にも汁物にも合います。値段が抑えめなのは、同じ池にブラックタイガーの3倍以上を養殖できるからです。
アルゼンチン赤エビは火を通す前から殻が赤く、身がねっとりして甘いのが特徴です。ただし加熱すると身の水分が抜けます。刺身か、さっと火を通すくらいで止める食べ方が向きます。甘エビも小ぶりで甘く、生で食べる側です。
この対応を外すと、その種類を選んだ意味が無くなります。赤エビを渡してフライにされると、甘さもねっとりした身も残りません。
刺身や海鮮丼で食べてもらうつもりなら、「生食用」「刺身用」と書かれているかが分かれ目です。表示のないものは加熱用と考えることになっています。
生食用は、生で食べる前提で管理をしたものです。獲ってからの温度、凍らせるまでの時間、扱う場所。そこに手をかけた分が値段にも出ます。種類の名前だけで生食できると決めないところです。赤エビや甘エビのように生で甘い種類でも、その表示が無ければ火を通す前提のものです。
刺身で出したい相手に渡すなら、ここは商品ページで確かめられます。書いてなければ書いていない、というだけの単純な見分け方なので、迷う余地がありません。
加熱して食べる前提なら、見るところが変わります。背ワタを取ってあるか、殻をむいてあるか。ここが済んでいるかどうかで、相手の台所の手間がまるで違います。
背ワタは一尾ずつ竹串で引き抜く作業です。数十尾入った袋が届けば、その分の手間ごと届いたことになります。商品名に「背ワタなし」と書かれているものは、そこを済ませてあります。殻をむいたむき身なら、袋から出してそのまま鍋に入れられます。
殻つきや頭の付いたものは、下ごしらえの手間が増えるかわりに、皿に並べたときが立派です。むき身では出ない華やかさがあります。料理そのものを楽しむ相手には殻つき、平日の夕飯に使ってほしい相手にはむき身、と分かれます。
エビフライ、餃子、シーフードミックス。エビを使った料理の形まで作ってあるものが並んでいます。
これは料理をしない相手、時間のない相手に届きます。揚げるだけ、焼くだけ、袋から出して炒めるだけ。エビそのものを渡すと台所に立ってもらうことになりますが、こちらは食卓に出るまでの距離が短い形です。
そのかわり、味付けは作った側が決めています。衣の厚さも、下味も、選べません。自分の味で仕上げたい相手には、素のままのほうが向きます。
エビは凍った状態で届きます。氷の膜を含んだ1キロの袋は、家庭の冷凍庫では引き出しの一段をふさぐ大きさです。2キロなら、そこにもう一段が要ります。
冷凍庫は、たいていの家で常に何かが入っています。作り置き、冷凍の食材、氷。そこへ大きい袋が届くと、置く場所を作るところから始まります。一人暮らしの相手、小さい冷凍庫しか持っていない相手に大袋が届くと、受け取った日から場所探しです。
小分けになっているものは、この点で扱いやすくなります。1キロを二袋に分けてあるもの、五尾ずつ包んであるもの。隙間に差し込めるので、冷凍庫の形に合わせて入れられます。同じ総量でも、袋がいくつに分かれているかで、届いたあとの収まりが変わります。
冷凍で置ける目安は3週間ほど、冷蔵に移してからは1日か2日です。長く持つものではありません。
ここが量の決め方に効いてきます。二人暮らしの家に2キロが届くと、3週間のうちに食べきるには、ほぼ一日おきにエビを食卓へ出すことになります。「たくさん渡せば喜ばれる」が通らないのがこのジャンルです。
渡す日も考えどころになります。相手が家にいる日に届かないと、玄関先で溶け始めます。とくに生で食べてもらうものは、解けたあとの日持ちが1日か2日しかありません。受け取ってすぐ冷凍庫へ入れられる日を狙うことになります。
安く出ているものの中に、折れたもの、大きさの不揃いなものがあります。味は変わらないと書かれていて、実際そのとおりです。
ただし贈り物では、皿に並べたときの見え方が効きます。同じ大きさのエビがそろって並ぶことが、そのまま特別な一皿になります。不揃いだと分かる形で届くので、そこを承知のうえで渡すことになります。家で食べるぶんには十分でも、人に渡すときは一段違います。
化粧箱に入るもの、贈答の表書きである熨斗を付けられるものもあります。改まった相手に渡すなら、そこまで対応しているかを商品ページで見ておくと安心です。中身が同じでも、届いたときの形で受け取られ方が変わります。
書いてあるものと、書いていないものがあります。書いていない場合は、表示の重さを氷を含んだ総重量として読むことになります。凍った状態のエビには氷の膜が掛かっているので、そこから八割ほどが食卓に出るという見方をしておくと外しません。
「1キロ(解凍後800グラム)」のように後ろの数字まで出している商品は、売る側が先に差を明かしているとも読めます。同じ1キロの表示でも、片方は解凍後の重さを出し、もう片方は出していない。並べて比べるときは、そこも見比べる材料になります。
決め方はひとつで、人数分の重さを八割で割り戻したところを目安にします。四人に一人200グラムずつ出したいなら、必要なのは800グラム。表示の1キロがちょうどそこに当たります。前の章に書いたとおり、余らせすぎると冷凍庫の場所と保存の期間に跳ね返るので、足りない側にも余らせる側にも寄せすぎないところに落ちます。
商品名の数字をどう読むか、生で出すか火を通すか、相手の冷凍庫にどれだけ空きがあるか。渡す一袋は、この三つで絞れます。
表示の重さには氷の分が入っていて、食卓に出るのは八割ほどです。尾数の数字は小さいほど1尾が大きく、数字の大きいほうが立派だと思って選ぶと逆のものが届きます。どちらも、知らないまま読むと外す向きに書かれています。
種類と食べ方の対応も外せません。赤エビと甘エビは生で甘く、火を通すと身の水分が抜けます。ブラックタイガーは加熱してぷりぷりになる側で、バナメイは何にでも合う側。生食用と書かれているかどうかは、種類の名前とは別に確かめるところです。
火を通す前提なら、背ワタと殻がどこまで処理されているかで、相手の手間が変わります。料理の形まで作ってあるエビフライや餃子なら、台所に立たない相手にも届きます。
冷凍で3週間、解けたら1日か2日。たくさん渡せば喜ばれるとは限らないので、相手の冷凍庫と食べる速さから量を決めます。皿に並べたときの見え方も効くので、訳あり品は外し、改まった相手なら化粧箱や熨斗まで見ておくところです。
刺身で出したい相手には、生食用と書かれた赤エビか甘エビを。フライや天ぷらを揚げる相手には、数字の小さいブラックタイガーを。平日の夕飯に使ってほしい相手には、背ワタを取ったむき身のバナメイを。冷凍庫に空きのない相手になら、五尾ずつ包んだ小分けのものが、届いた日に置き場所で困りません。
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