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家では滅多に買わないのに、届けば必ず食卓に出る。マグロはそういう食べ物です。刺身を家で買うとしてもスーパーの小さなパックまで、という家が多く、まとまった量が届くと、その日の食卓が一段変わります。
選ぶときに最初に決まるのは、種類と部位です。名前がそのまま味と値段を言っているので、ここで渡すものの性格が決まります。
そのうえで見るのが、原材料の表示と、届く形。同じ「ネギトロ」の名前でも、中身がまるで違うものが並んでいます。
日本に入ってくるマグロは五種類です。クロマグロ(本マグロ)とミナミマグロは脂が乗って値が張ります。メバチはいちばん多く出回っていて手ごろ、キハダはさっぱりしていて、ビンナガは身が白っぽくやわらかい。
商品名にこの五つのどれかが出ていれば、味と値段の見当はそこで付きます。濃い脂を食べてもらいたいなら前の二つ、手ごろな値段で量を出したいならメバチ。種類が書かれていないものは、そのぶん読み取れることが減ります。
大トロと呼べる脂の入り方があるのは、クロマグロとミナミマグロだけです。ほかの種類で「トロ」と書かれていれば、それは中トロにあたる部位を指しています。
脂は、頭に近いほうと腹側に寄って入ります。大トロは頭に近い腹、中トロはその後ろの胴、赤身は背側の中心寄り。同じ一匹でも、どこを取ったかで別の食べ物になります。贈るときには、脂の濃いところを少しか、赤身をまとまってか、という選び方になります。
たたきは、刺身にできる赤身の柵を刻んだもの。混ぜ物をしないのが基本の形です。
ネギトロのほうは、中落ちや皮の内側の身をこそげ取ったものを指します。ここに植物油脂やマヨネーズを足して、口当たりをなめらかにしたものが多くあります。同じ「ネギトロ」の名前で売られていても、中身は同じではありません。
原材料に「まぐろ」しか書かれていないものと、油脂の名前が並んでいるものがあります。前者は魚そのもの、後者は口当たりを作ったもの。値段の差も、たいていここに出ます。
どちらが良いという話ではありません。なめらかで甘い口当たりが好きな人もいます。ただ、表示を見ておけば、魚として渡したつもりのものが実は油脂で整えたものだった、という食い違いは避けられます。「天然まぐろ使用」と書かれていても、油脂が入っていないとは限りません。
冷凍で届くものには、100グラムずつの袋に分けてあるものがあります。人数に合わせて、その日に食べるぶんだけ出せます。
大きな袋に一度に入っているものは、開けたら食べ切ることになります。柵で届くものも、凍ったままなら日持ちしますが、解凍したあとは、切る前でも一日か二日。まとまった量を渡すなら、小分けかどうかを見ておくところです。
刺身を引く刃物が家に無い、という家は珍しくありません。刻んだ身なら、解凍して器に空けるだけで一品になります。丼にしても、手巻きにしても、包丁を出さずに済みます。
この形は、解凍の失敗が目に見えにくいところも利点です。柵は解けすぎると切り口の形が残りませんが、刻んだ身は元から形がありません。魚を扱い慣れていない相手ほど、この形が確実です。
自分で引きたい人に刻んだ身を渡すと、自分で切る楽しみを取り上げることになります。柵なら、厚みも切り方も相手が決められます。
このとき、筋の入り方は届いてみないと分かりません。筋をどう避けて切るかは、慣れた相手なら任せられます。切り慣れている相手には、種類と部位の名前だけをそろえて渡すのが収まりのよい形です。
手巻き寿司や海鮮丼をする集まりなら、刻んだ身のほうが分けやすいところです。人数ぶんの器に取り分けても、形が崩れません。
このとき効いてくるのが小分けです。必要なぶんだけ解凍して、残りは冷凍庫に戻せます。大きな袋に一度に入っていると、その日に食べ切る量を先に決めることになります。
冷凍で届くものなので、受け取る側の冷凍庫に場所が要ります。1キログラムの袋は、家庭用の冷凍庫では一段の半分を使います。
相手の家の様子が分からないなら、小分けの200グラムから300グラムほどに。一度に出し切る量ではなく、何回かに分けて食べてもらう前提の量です。四人の家に一度で出してもらうつもりなら、それより多く要ります。まとまった量を渡したいときだけ、冷凍庫の空きの話を先に聞いておくほうが確かです。
1,000円台から、刻んだ身の200グラムほどが選べます。ほかの贈り物に添える一つや、日ごろの礼として渡すならこのあたりです。
3,000円台から5,000円台になると、まとまった量の刻んだ身や、部位を集めた組が入ってきます。これ一つを贈り物として渡せるのが、この値段。ウニやイクラと組にしたものもあり、人数ぶんの丼を並べられる量で届きます。同じ値段でも、量を取るか、脂の濃い部位を少し取るかで中身が変わります。
生ものなので、受け取る日に相手が家にいる必要があります。再配達で一日置くと、その間は冷凍便の箱の中。箱の中で溶け始めれば、届いた時点で味が落ちます。日時を指定できる商品なら、指定して送るほうが確かです。
中身を先に明かすかどうかは間柄によりますが、生ものだけは「今週送るね」の一言があったほうが、食卓の予定を空けてもらえます。
冷凍のマグロは、解け方で口当たりが変わります。ただ、解凍の手順は商品に紙が付いてくることが多いところ。こちらから「こう解凍して」と伝えると、贈り物が指示書とセットになります。
心配なら、刻んだ身のほうを選んでおけば、解け方の失敗が形に出ません。柵は、扱いに慣れた相手へ。この選び分けだけで、言葉を添えずに済みます。
改まった場面に使うなら、掛け紙を頼めるかどうかを見ておくところです。冷凍便で届くものは、箱の外に紙を掛けられないこともあります。
その場合は、中に一枚入れてもらう形を選べる商品もあります。手渡しできないぶん、送り状の依頼主の名前だけは間違えないようにしておくと、誰から届いたのかがすぐ分かります。
丼にして食べるなら、一人あたり100グラムほどが目安になります。四人の家に一度で出してもらうなら400グラム前後。手巻きのように何品か並ぶ食卓なら、もう少し少なくても足ります。
何回かに分けて食べてもらう前提なら、この計算は要りません。小分けの袋に分かれているものなら、一度に出す量は相手が決められます。渡す側で決めるのは、一度に出す量ではなく、家に何日ぶん置いておいてもらうかのほうです。
なります。マグロは生で食べるものだけではありません。煮たもの、焼いたもの、缶に詰めたものが同じジャンルに並びます。
分かれ目は、相手の家が生ものを受け取れるかどうかです。冷凍庫に場所が無い家、留守にすることの多い家なら、常温で置けるもののほうが、確実に食べてもらえます。生で渡したい気持ちより、その家で開けられるかどうかが先に来ます。
種類と部位、表示、届く形。この三つの順に決めると、一つに絞れます。
種類と部位は、名前が味と値段を言っています。クロマグロとミナミマグロは脂が乗って値が張り、メバチは手ごろ、キハダはさっぱり。「大トロ」の表記が付けられる魚は、そのうちの二種類に限られます。
表示は、原材料のところに出ます。「まぐろ」しか書かれていないものと、油脂の名前が並ぶものがあり、同じ「ネギトロ」でも中身が違います。魚そのものを渡すつもりなら、そこを読んでから決めます。
届く形は、相手の台所で決まります。刺身包丁を出さない家には刻んだ身、自分で引きたい相手には柵。刻んだ身なら、解け方の失敗が形に出ません。
刺身包丁を出さない家には、小分けの刻んだ身を。自分で引く相手には、種類と部位を書いた柵を。人の集まる場に持って行くなら、必要なぶんだけ解凍できる小分けを選んでみてください。
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