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ビールを飲む相手なら、贈った箱はいずれ開きます。何種類か入っていれば、そのうちのどれかは好みに当たります。
セットは大きく二通りです。大手のプレミアムビールを並べたものと、小さな醸造所のビールを並べたもの。味の開き方も、入っている本数も、届いてからの置き場所も違います。
ビールには、造り方と味わいで分けた種類があり、スタイルと呼ばれます。数え方によって数は変わりますが、飲み比べのセットに入るものはだいたい決まっています。名前と味の方向が結びつくと、箱の中身から飲んだときの差が読めます。
発酵が液の上のほうで進む造り方を上面発酵、下のほうで進む造り方を下面発酵と呼びます。上面発酵で造るものがエール系、下面発酵で造るものがラガー系です。
エール系は香りが立ちやすく、味の幅も広く出ます。ラガー系はすっきりしていて、よく冷やして飲む形になります。飲み比べのセットは、この二つをまたいで組まれていることが多くなります。
ピルスナーはラガー系で、金色で透明感があり、後を引かないさっぱりした味です。日本の大手メーカーが出しているものの多くがこれにあたります。
セットにピルスナーが入っていると、そこが比べるときの土台になります。相手がふだん飲んでいる味が一本あれば、ほかの種類との差が分かりやすくなります。
ペールエールはエール系で、淡い金色から銅色まで幅のある色をしています。ホップの香りがはっきり出るのが特徴です。IPAはそこからホップを増やしたもので、苦みと花のような香りが強く出ます。
この記事で挙げた中では、苦みはIPAがいちばん強く出ます。ふだんピルスナーだけを飲む相手に、IPAばかり入ったセットを渡すと、飲みきれないことがあります。何種類か入ったうちの一本、という形なら試してもらえます。
スタウトは黒ビールの代表で、コーヒーやチョコレートを思わせる味わいになります。色も味も濃いので、一本を飲む時間が長くなります。
ヴァイツェンは小麦の麦芽を半分以上使ったもので、苦みがほとんどありません。バナナのような甘い香りが出るものもあり、ビールの苦みが得意でない相手でも飲めます。この二つが入っていると、セットの中で味の開きが大きくなります。
飲み比べセットの中身は、大手メーカーのプレミアムビールを何銘柄か集めたものと、小規模な醸造所が造るビールを集めたものに分かれます。並べて売られていますが、開けたときの差も、届いてからの扱いも変わります。
どちらの言葉も、小規模な醸造所が造るビールに使われます。1994年に酒造りの規制がゆるくなって小さな醸造所が各地に生まれ、そのころは土産物や町おこしの色が強く、地ビールと呼ばれていました。
その後、個性を追う造り手が増えて、クラフトビールという呼び方が広まりました。ただし、大手メーカーが小さな仕込みで造ったものにクラフトと付くこともあります。名前だけでは規模が分からないので、造っているところが商品ページに書かれているかを見ることになります。
大手のプレミアムビールを集めたものは、ピルスナー寄りのものが並びます。銘柄ごとの違いはありますが、スタイルをまたぐほどの開きにはなりません。ふだんビールを飲んでいる相手なら、どれを開けても飲めます。
350ミリリットルの缶で、12本や18本といった数が入ります。缶なので割れず、常温でも置いておけます。好みまでは知らない相手に渡すときに、外れの出にくい形です。
醸造所ごとのビールを集めたものは、入っているスタイルが分かれます。IPAとスタウトとヴァイツェンが一箱に入っていれば、並べて飲んだときの差がはっきり出ます。
330ミリリットル前後の瓶で、3本から12本ほど入ったものが多くなります。瓶は一本ずつが重く、落とせば割れるので、手渡しよりも配送で届けるほうが扱いを任せられます。ビールを自分で選んで買っている相手なら、こちらのほうが開けたときの発見があります。
同じ本数でも、常温で箱のまま置けるものと、届いたその日から冷蔵庫に入れるものでは、相手にかかる負担が違います。本数を決める前に、そこを見ておくと外しません。
ラベルに要冷蔵とあるものは、低温にして中の働きを抑えています。常温に置くと味が変わっていくので、届いたらすぐ冷蔵庫へ入れてもらう形になります。
表示が無いものは、常温のまま置いておけます。飲む前に冷やせば足りるので、箱ごと部屋の隅に置いてもらえます。この差が、そのまま贈れる本数を決めます。
350ミリリットルの缶を24本詰めたケースは、9キロ前後になります。ギフトの詰め合わせが8本や12本で組まれているのは、持ち運びと置き場所の両方が理由です。
常温で置ける大手のものなら、12本でも18本でも箱のまま預けられます。要冷蔵のものだと、その本数ぶんの場所を冷蔵庫から空けてもらうことになります。一人暮らしの相手に要冷蔵のものを12本送ると、ほかの食べ物の入る場所がなくなります。
大手メーカーの缶ビールは、贈ってから開けるまでに間があっても持つ長さに期限が取られています。メーカーによって差がありますが、瓶でもおおむね同じくらいです。
小さな醸造所のものは、これより短くなります。数か月のものがあり、造りたてを売るものだと日数で数えることもあります。冷蔵で送られてくるものほど期限は短いので、相手がすぐ開けられる日に届くように送ります。
飲まない相手に届くと、置き場所に困らせます。同じ席で飲んでいるのを見たことがあるか、家に置いてあるのを見たことがあるか。そのどちらも思い出せないなら、お酒以外に切り替えるほうが安全です。
飲むことは分かっていて、好みまでは見当がつかないという場合は、大手のプレミアムビールを集めたものが収まります。味の開きが小さいので、どれを開けても飲めます。
常温で置けるものなら、飲む人が一人でも12本まで無理がありません。箱のまま置いて、飲むぶんだけ冷やしてもらえます。飲む人が複数いる家や、集まりの予定がある家なら、18本や24本の箱も生きます。
要冷蔵と書かれたものは、これより少ない数に抑えます。全部を冷やす場所が要るので、一人暮らしの相手なら6本前後まで。数を増やすほど、相手の冷蔵庫の中身を追い出すことになります。
中身のスタイル、大手か小さな醸造所か、常温で置けるかどうか。この三つで、送る一箱が決まります。
スタイルは、ピルスナーを土台に置くと見えてきます。ホップの香りと苦みが立つペールエールとIPA、コーヒーのような味わいのスタウト、苦みのほとんど無いヴァイツェン。IPAは苦みが強いので、ふだんピルスナーだけを飲む相手には、何種類か入ったうちの一本という形が向きます。
大手のプレミアムビールを集めたものは味の開きが小さく、缶で割れず、常温で置けます。小さな醸造所のものはスタイルがばらけて差が出ますが、瓶が多く、要冷蔵のものや期限の短いものが混ざります。
本数は、冷やす場所が要るかどうかで上限が変わります。常温のものなら飲む人が一人でも12本まで、要冷蔵なら6本前後まで。
相手の好みを知らないなら、常温で置ける大手のものを12本。ビールを自分で選んで買っている相手には、醸造所ごとに味の違う瓶のセットを、開ける日が読める時期に合わせて。苦いお酒が得意でない人が同じ席にいるなら、ヴァイツェンの入っているものを選んでおくと、その人の前にも一本置けます。
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