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ゆでて水で締めれば、その日の食卓に出せるのがそばです。手をかけずに一食になるので、台所に長く立てない相手にも渡せます。
ただし、そばは食べられない人のいる食品です。渡す相手だけでなく、その食卓に着く人まで。聞ける間柄なら、先に一言たずねておくところです。
そのうえで読むのが、商品名の「十割」「二八」という言葉と、生・半生・乾麺という麺の状態です。日持ちが三日から一年以上まで開くので、相手がいつ食べるかで選ぶものが変わります。
商品名に「十割」「10割」「二八」「8割」と書かれています。十割はそば粉が10割、二八はそば粉8割に小麦粉2割。「二八」の「二」は小麦粉のほうの数字です。
十割はそば粉100%で、つなぎを使いません。小麦粉が入らないぶん、そばの香りがまっすぐ出ます。噛むほどに風味が広がります。
二八は小麦粉が2割。そのぶん甘みを感じやすく、香りはおだやかになります。「そば粉100% 小麦粉不使用」と書き添えられたものもあり、そこを売りにしているのが分かります。
十割は生地がまとまりにくく、打つ人の腕が仕上がりに出ます。歯を当てるとふつっと切れる短さは、つなぎが無いことから来ています。
二八のほうは、小麦粉のグルテンが麺をつなぎます。すすったときに長くつながるのはこちらです。そばの香りを取るか、すすり心地を取るか。その二つで分かれます。
商品名に「十割 二八 食べ比べ」と書かれたものがあります。相手がどちらを好むか分からないときに、両方を渡して選んでもらえる形です。
香りの好きな人には十割、のどごしの好きな人には二八。ただし、その線引きが相手の中でどうなっているかは、食べてもらわないと分かりません。まず食べ比べを渡して、次に好きなほうを送るという順序もあります。
麺の状態は三通りに分かれます。同じそばでも、届いてから何日置けるかと、ゆで時間が違います。
打った麺をそのまま送るのが生そばです。日持ちは三日ほどで、冷やして届きます。受け取った日か、その翌日には食卓へ出してもらう前提になります。
ゆで時間は一分半から二分と、三つの中でいちばん短くなります。湯が沸けばすぐ食べられます。そのかわり、届く日に相手が家にいるかどうかで決まります。留守が続いて再配達になれば、そのぶん日数が減ります。
生を少し乾かしたものが半生です。九十日ほど置けるものがあり、生とは日数の桁が変わります。生と比べると香りは落ちることがありますが、ゆで上がりのみずみずしさや食感は大きく変わりません。
遠くへ送るときの落としどころがここです。相手の在宅を細かく合わせなくても、傷ませずに届きます。ゆで時間は三分から四分と、生より少し長くなります。
完全に乾かしたものが乾麺です。一年から二年置けるものもあり、常温の棚に入れておけます。相手が食べたい日を自分で決められる形です。
そのかわりゆで時間は五分から六分かかります。ただし「ゆで時間3分」と書かれた細めのものもあり、麺の太さで変わります。鍋を使わず電子レンジで温めるだけのものもあるので、火を使う手間そのものを減らしたい相手なら、その形もあります。
麺の状態を決めたら、次は何人前にするかと、つゆや薬味が付くかどうかです。ここで受け取った側の手間が変わります。
商品名に「選べる食数」「選べる2人前 6人前 12人前」「選べる4袋〜8袋」と書かれたものが並びます。注文のときに数量を決められる形です。大きいものだと十六袋で三十二食分というものもあります。
数量だけを見て決めると、麺の状態と食い違います。乾麺の十二人前なら棚に置いておけますが、生そばの十二人前は三日で食べきる量ではありません。二人暮らしの家なら、生は二人前から四人前、乾麺なら多めでも棚が受け止めます。日持ちの短いものほど、人数ちょうどに寄せます。
「つゆ わさび 七味」と書き添えられたものがあります。麺だけでなく、そばつゆと薬味まで一式そろう形です。
受け取った人が何も買い足さずに食べられます。つゆを切らしている家や、わさびを置いていない家でも、届いたその日に食卓へ出せます。麺だけを送ると、つゆを買うところから始まるので、相手の台所に何があるか読めないなら、付いている側が確かです。
産地の名前は多くの商品名に付きますが、麺の作りまで変わるものがあります。
へぎそばは、つなぎに布海苔という海藻を使います。そのため麺がうっすら緑がかり、つるりとした口当たりになります。出雲そばは、そばの実を殻ごと挽く作り方です。色が濃く、香りも強く出ます。この二つは産地の名前であると同時に、麺の種類でもあるということです。十割か二八かという分け方とは、別の軸になります。
乾麺か半生なら、年内に着けば足ります。むしろ年末は宅配が混み合うので、十二月の半ばまでに届けて、棚に置いておいてもらうほうが確かです。「年越しそば」と書き添えられるのは、日持ちの長い乾麺や半生のほうです。
生そばなら、三十日か三十一日に着くよう頼みます。日持ちが三日なので、それより早く着いても大晦日には持ちますが、年末は届く日そのものが動きやすいところ。日を当てにいくなら、日持ちの長いほうから選ぶという順序になります。
聞ける間柄なら、渡す前にたずねるのがいちばん早いところです。そばは原材料の表示に出る食品なので、届いた箱を見れば相手にも分かります。
たずねられない相手なら、別のものへ切り替えるほうが収まります。麺類で探すならそうめんやパスタが並びます。渡してから相手に気を遣わせるより、こちらで先に外しておく形です。
そばを食べられない人が、その食卓にいないか。そこが読めないままだと、あとの選び分けは全部無駄になります。
「十割」「二八」はつなぎの入り方です。十割はそば粉だけで打つので香りがまっすぐ出る代わりに、歯を当てるとふつっと切れます。二八は小麦粉が2割入るぶん甘みを感じやすく、長くつながります。迷うなら食べ比べのものから入って、次に好きなほうを送る手もあります。
麺の状態で、置いておける日数が変わります。生は三日ほどで冷やして届き、ゆで時間は一分半から二分。半生は九十日ほどでゆで三分から四分。乾麺は一年前後でゆで五分から六分、細いものなら三分。届く日が動きそうな相手ほど、日持ちの長いほうへ寄せます。
数量は、麺の状態と合わせて決めます。生を多めに送ると、三日のうちに食べきる話になります。つゆと薬味が付いていれば、届いたその日に食卓へ出せます。へぎそばは布海苔でつないで緑がかり、出雲そばは殻ごと挽くので色が濃くなります。
その日に食べてもらえると分かっている相手には、生そばをつゆと薬味つきで人数ちょうど。打ちたての香りがそのまま届きます。届く日が読めない相手や、遠方へ送るなら、半生を。九十日ほど置けて、ゆで上がりは生に近いままです。
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